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平成16年  6月 定例会-06月10日-02号

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  1. 世田谷区議会 2004-06-10
    平成16年  6月 定例会-06月10日-02号


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    平成16年  6月 定例会-06月10日-02号平成16年 6月 定例会 平成十六年第二回定例会 世田谷区議会会議録第十号 六月十日(木曜日)  出席議員(五十一名) 一番   大場康宣 二番   畠山晋一 三番   赤沢雅彦 四番   桜井純子 五番   吉田恵子 六番   竹村津絵 七番   羽田圭二 八番   桜井征夫 九番   新田勝己 十番   山内 彰 十一番  石塚一信 十二番  山木きょう子 十三番  西崎光子 十五番  富永早苗 十六番  関口太一
    十七番  佐藤弘人 十八番  高橋昭彦 十九番  宍戸教男 二十番  小畑敏雄 二十一番 原田正幸 二十二番 五十畑孝司 二十三番 里吉ゆみ 二十四番 中里光夫 二十五番 岸 武志 二十六番 あべ力也 二十七番 山口 拓 二十八番 栗林のり子 二十九番 谷 逸子 三十番  岩本澈昌 三十一番 菅沼つとむ 三十二番 下山芳男 三十三番 平山八郎 三十四番 小泉たま子 三十五番 田中優子 三十六番 上川あや 三十七番 稲垣まさよし 三十八番 すがややすこ 三十九番 飯塚和道 四十番  市川康憲 四十一番 長谷川義樹 四十二番 新川勝二 四十三番 川上和彦 四十四番 鈴木昌二 四十五番 上島よしもり 四十六番 大庭正明 四十七番 青空こうじ 四十八番 木下泰之 四十九番 下条忠雄 五十番  増田信之 五十一番 板井 斎 五十二番 諸星養一  欠員(一名) 十四番  出席事務局職員 局長     阿部 修 次長     霜越 收 庶務係長   長谷川哲二 議事担当係長 星 正彦 議事担当係長 岡本守広 議事担当係長 秋元勝一 議事担当係長 横山文男 議事担当係長 望月敬行 議事担当係長 渡部弘行 調査係長   荒井洋子  出席説明員 区長     熊本哲之 助役     平谷憲明 助役     山田真貴子 収入役    根岸道孝 世田谷総合支所長        長原敏夫 北沢総合支所長        真野源吾 玉川総合支所長        大西哲夫 砧総合支所長 稲垣 修 烏山総合支所長        佐藤 洋 政策経営部長 西澤和夫 地域情報政策担当部長        佐藤健二 総務部長   永山和夫 危機管理室長 宮﨑俊和 財務部長   室星計策 生活文化部長 青木俊雄 環境総合対策室長        板垣正幸 産業振興部長 堀 恵子 清掃・リサイクル部長        堀川能男 保健福祉部長 若林謙一郎 子ども部長  田中 茂 世田谷保健所長        永見宏行 在宅サービス部長        秋山由美子 都市整備部長 株木孝男 道路整備部長 栗下 孝 教育長    若井田正文 教育次長   庄司 衞 教育政策担当部長        髙山 博 総務課長   河上二郎     ──────────────────── 議事日程(平成十六年六月十日(木)午前十時開議)  第 一 代表質問  第 二 一般質問     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  一、日程第一 代表質問  二、日程第二 一般質問     ────────────────────     午前十時開議 ○宍戸教男 議長 ただいまから本日の会議を開きます。
        ──────────────────── ○宍戸教男 議長 直ちに日程に入ります。 △日程第一を上程いたします。  〔霜越次長朗読〕  日程第一 代表質問 ○宍戸教男 議長 昨日に引き続き、代表質問を行います。  質問通告に基づき、発言を許します。  自由民主党を代表して、三十一番菅沼つとむ議員。    〔三十一番菅沼つとむ議員登壇〕(拍手) ◆三十一番(菅沼つとむ 議員) 自由民主党世田谷区議団を代表して質問いたします。  昨年の第二回定例会において、熊本区長が四年間の区政運営について所信を表明をされてから、はや一年が経過いたしました。この間、区長は、区政の流れを変えるということから、すぐやる課の設置や二十四時間安全パトロールの実施を初め道路整備への取り組みなど、区民の生命と財産を守るという基本姿勢を前面に打ち出してこられました。これらはスピードと成果を重視したもので、時代に合ったものと評価するものであります。  先日、民間のシンクタンクによる全国自治体の組織運営に関する評価が発表されました。その中で世田谷区は、人口十万人以上の二百余りの区や市の中で七位という評価を受けております。これは、人事制度や行政評価、財政運営など、これまでの世田谷区の行政改革の取り組みが評価された結果であると思いますが、その一方で、熊本区長が描く、区民の目線に立った区政運営をしっかりと根づかせていくことがこれからの正念場であるとも言えます。  区長は就任以来、職員の意識改革やリーダーの責任体制の明確化など、区民の目線に立った区政刷新に取り組んでこられましたが、区長はこの一年間をどのように評価し、また、今後の区政改革にどのような姿勢で取り組む考えなのか、まずお聞きいたします。  次に、世田谷区の将来像を踏まえた計画づくりに関し何点かお尋ねいたします。  現在、市町村合併や三位一体改革が全国的な議論の中で進められようとしており、これからの国と地方自治体のあり方がより一層厳しく問われております。我が党は、党の公約として、区の自治権拡充を第一に掲げており、この観点から自治体のあり方を考えると、まず第一に財政の確保や健全化など財政面の自律、第二に地域の実情に合った政策を区民と協力して遂行できるかという政策的な自律、第三に自治体の規模や地域自治組織のありようなど自治体組織の自律、この三つの課題があるのではないかと考えます。  世田谷区はこの間、都区財政調整制度の研究を進め、区長会で問題提起を行うなど、自治体としての自律に向けた取り組みを進めておりますが、今後十年間を見通す基本計画の策定では、自治体としての基本的な課題に対する方向性をしっかり示すべきであります。基本計画策定に当たっての区の基本的な見解をお聞きします。  次に、リーディングプロジェクトと実施計画の策定についてお伺いいたします。  区は、新しい基本計画の策定に当たって、今後の区政の方向性を先導する施策をリーディングプロジェクトとしてまとめ、打ち出したいとのことであります。いまだ大きな好転を望めない財政状況、区民、行政の役割意識の変化、区民要望の多様化などを踏まえ、これからの計画には、行政が一方的に夢を描いた絵を示すだけではなく、今後の区政課題について区民に呼びかけ着実に実現していく政策の発信が求められる時代です。三年の計画期間を予定している今回の実施計画とあわせ、今後の世田谷区をどのように形づくり魅力を高めていくのか、区長のリーダーシップのもと、方向性と優先順位を明確にした計画の策定をしていく必要があると考えますが、区の考えをお聞きいたします。  次に、計画策定に当たっての財政見通しについてお聞きいたします。  国内の景気は、企業の生産活動や収益が増加しており、今後、個人消費は緩やかな回復に向かうとの予想もあります。しかし一方では、十七年度以降の国の三位一体改革については、今月上旬に発表された骨太の方針二〇〇四において一応税源移譲の規模が明示されたものの、国庫支出金の削減に関しては、今後本区への影響など、十分留意していく必要があると思います。さらに、平成十六年度末の地方全体の借入金残高は二百兆円を超える見込みであり、今後の展開次第では厳しい地方財政にさらに拍車をかけることにもなりかねません。  基本計画並びに実施計画の策定に当たり、世田谷らしい独自性、独創性のある施策を実現していくためには、計画を裏打ちする中長期的で確実な財政見通しが必要と考えます。不透明な要因が多いことは承知しておりますが、今後の財政見通しをどのように考えているのか、区の見解をお聞きします。  なお、都と区の関係におきましては、平成十二年度の都区制度改革時に確認した五つの課題解決に向けて、都と特別区の協議が難航していると聞いております。この課題については私どももできる限り応援していきたいと考えております。区長におかれましては、リーダーシップを十分に発揮し、この難局を乗り越えていただきたいと要望しておきます。  次に、今後の行政改革への取り組みについて伺います。  昨年度、政策評価委員会における全事業点検の提言を受け、区はさまざまな面から区政改革を進めようとしております。我が党が一貫して主張してきた小さな政府の視点から、行政の役割を明確化することや民間の活用、受益者負担の適正化へ向けて全庁的な取り組みが進められていることを評価するものであります。この八月には、補助金や外郭団体の見直し、受益者負担のあり方などについて方針を示すとのことですが、十分な議論を重ねた上で具体的な取り組みを示していただきたいと思います。こうした行政改革に関する課題についても、行政を初め区民、事業者それぞれの役割を再構築する視点から、改めて中長期的な計画を定め改革に取り組むべきと考えますが、区の見解をお聞きいたします。  引き続きまして、行政改革に関連し、職員定数の問題についても触れておきます。  さきの定例会で、十七年度に向けた事務事業の見直しを反映して、来年度は事務職の採用を行わないとの答弁がありました。行政のスリム化や定数の削減を主張してきた我が党の立場から評価するものでありますが、一方で、これまでも指摘してきたとおり、今後の行政の役割をしっかりと見きわめ、計画的な取り組みが求められます。新たな基本計画の策定を契機として、今後の行政のあり方を示すためにも長期的な定数計画を定める必要があると考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、指定管理者制度の導入と外郭団体の改革についてお尋ねいたします。  小泉改革の柱である民間活用の端的なあらわれが、公の施設の管理に関する指定管理者制度の導入ではないかと思います。これまで行政や第三セクターが独占してきた領域に民間が参入できることとなったこの改革は、非常に大きな意味を持つものであります。民間活用の推進という指定管理者制度の趣旨を踏まえ、民間事業者による管理に移行させることが第一の原則とすべきでありますが、一方で、現在、公の施設の多くを管理委託している外郭団体の存在意義を含め、その活用が問われてくると考えます。指定管理者制度の導入に当たっては、効率性と区民サービス向上の両面から十分に精査し、区民が理解、納得できるような方針を定める必要があると考えますが、区の見解をお伺いいたします。  次に、外部監査の導入についてお尋ねいたします。  今回、包括外部監査を実施する外部監査人との契約議案が上程される運びとなっております。この制度の創設は、官官接待、カラ出張など、地方自治体で不正支出が発覚し、そのチェック機能として監査の重要性が再認識されたことや、地方分権の推進の中で地方行政に自己責任の確立が求められたことなどがきっかけであったと思います。  現在の世田谷区の監査制度は、これまでの実績を考えれば、全国的に評価も高く、十分に機能を果たしていると考えておりますが、さらに区民に対する説明責任を確実に果たしていくことも基礎的自治体として必要であると考えます。今回の外部監査制度導入に当たって、外部監査に何を期待しているのか、区の見解をお聞きいたします。  次に、出張所の改革についてお尋ねいたします。  このたび、新たな出張所のあり方に関する報告がありました。近年の少子・高齢化の進行やIT技術の進展の中で、時代の流れとして出張所の再編は避けて通れない課題であります。二十三区においても多くの区で見直しを行っていると聞いております。今回の報告書は、この間の議会や地区説明会等での区民の意見や要望も踏まえ、出張所長も参加した庁内の検討会によりまとめられたと聞いております。その基本的考え方と、現在の出張所を七カ所の拠点出張所と二十カ所の仮称まちづくり出張所とする構想については理解し支持するものです。しかしながら、区民にとって身近な出張所が変わっていくということは、その影響も大きいものがあると考えられます。  そこで、区長にお尋ねいたします。今回の出張所改革のねらいについて基本的な考え方をお伺いいたします。  また、今後、移行準備に向けた検討部会を立ち上げていくとのことですが、このたびの改革の特徴と出張所改革実現に向け、区民への周知も含めどのような進め方やスケジュールを考えているのか、あわせてお聞きいたします。  次に、安全安心まちづくりについてお伺いいたします。  世田谷区内における平成十四年の刑法犯の発生件数は戦後最悪の状況でありました。熊本区長就任後に始めた二十四時間安全パトロールや、区民、警察と連携した防犯対策の取り組みが功を奏し、平成十五年は侵入窃盗や空き巣などの犯罪発生件数が大幅に減少しました。引き続き、安全で安心して暮らせる町を築くために、区民や警察と連携を深め、きめ細かな対策を継続していただくことを要望いたします。  そこで、十六年度の取り組みとして、区では二十四時間安全パトロールの拡充や安全安心まちづくりカレッジの開講を挙げておりますが、それぞれ具体的にどのような内容をお考えなのか、まずお伺いいたします。  続いて、防犯カメラについてお聞きいたします。  街頭防犯カメラは、犯人の検挙や犯罪の抑止に大きな効果があると期待されていることから、全国的に設置台数が急増しております。警視庁が設置した新宿歌舞伎町地区の例では、防犯カメラ設置後、犯罪発生件数が減少し、防犯カメラの映像で多くの事件が解決していることなども報告されているそうです。東京都では、防犯カメラ等の防犯設備の整備を行おうとする商店街、町会、自治会等に対する補助制度を整備するとのことであります。  世田谷区においても安全安心まちづくりを進める中で防犯カメラの活用は課題であると考えますが、今後区はどのような対応策を考えているのか、お聞きいたします。  次に、商店街の活性化に向けた取り組みについて何点かお尋ねします。  商店街の加入促進と事業協力を定めた産業振興基本条例の一部改正はこの四月一日に施行となり、これからが取り組みの本番であります。商店街への加入に関しては商店街の問題であり、区としては、商店街の取り組みを支援するという形になりますが、実効性を上げる意味からも、区と商店街が役割分担を理解しつつ協力して実績を上げるべきと考えます。四月からまだ二カ月弱ではありますが、成果が上がっているのか、区は今後どのように支援していくのか、お聞かせください。  次に、商店街振興と連携したまちづくりについてお伺いいたします。  商店街は地域の核として、にぎわいと交流の場として地域とともに発展してまいりました。近年、商店街において店舗の跡地にマンションが建てられ、商店街の連続性やにぎわいが途切れるといった問題が起きています。地域の商店街の状況は、近年の不景気や大型店の出店、コンビニの増加などから一段と厳しさを増しています。それがマンションへの転用の一因となっている面もあるでしょうが、商店街への支援、地域の活性化の観点から区の積極的な取り組みが求められます。  商店街でのマンション開発の問題については、まちづくり部門と商業部門が連携を図りながら取り組んでいくことが重要と考えます。これまでも地区計画や地域の協定などにより取り組んできた例があるようですが、区として、この問題に関し各領域が連携して支援策を検討するべきと考えますが、区の見解をお聞きいたします。  次に、清掃一部事務組合の抜本的な改革についてお尋ねします。  特別区のごみの中間処理については、昨年、区長会で十八年度以降も当分の間、清掃一部事務組合が共同処理することを決め、平成十二年度の清掃事業移管に当たっての考えを大きく転換しました。こうした中で我が党は、各区が主体性と責任を持って清掃事業に取り組むためには、清掃一部事務組合の抜本的な改革が不可欠であることを再三指摘してきたところであります。  このたび、熊本区長は区長会の幹事になられ、これまで以上に世田谷区の主張を展開していただけるものと期待するところでありますが、改めて、清掃一部事務組合の改革を初め、分担金などの諸課題について区長はどのような姿勢で臨まれるのか、お聞きします。  さらに、清掃一部事務組合改革に関連して、世田谷清掃工場の建てかえ問題についても触れておきます。  世田谷清掃工場の建てかえにつきましては、着工に向けて入札が終了し、今後、正式契約後、地元説明に入ると聞いています。工事の発注元は一部事務組合となりますが、今後の安全対策など区として十分に申し入れをしていくべきであり、今後の区の対応について考えをお聞きします。  次に、障害者施設を初めとする今後の福祉施設の運営のあり方について質問いたします。  昨年度、障害者福祉の抜本的な改革を目指して障害者支援費制度が実施されました。世田谷区の生活実習所や福祉作業所など多くの障害者施設は、法に基づかない区独自の施策として運営してきた経緯があり、区では、支援費制度の事業者指定を受けるために、給食設備を設けるなどの改修工事を順次行っているとの報告がありました。  ところで、昨年度、今まで直営施設であった区立駒沢生活実習所を民営化しましたが、引き続き他の区立施設についても支援費制度のもと順次民営化していくことが課題であろうと認識しています。  そこで、お尋ねいたします。障害者福祉施設の運営について、指定管理者制度の導入も踏まえ、今後どのように取り組むのか、区の考えをお聞きします。  次に、介護予防について伺います。  介護保険制度のスタートから五年目を迎えましたが、制度の定着とともにさまざまな課題も指摘される一方、要介護認定者数は三年間で一・五倍と大幅に増加しており、介護保険財政を圧迫しております。国もこのような状況から、高齢者の自立支援に向けてより効果の大きい介護予防サービスの提供を重点的に推進するために介護予防重点対策推進本部を設置したと聞いております。  区は昨年来、介護予防に向けて、パワーリハビリや痴呆予防などさまざまな先駆的モデル事業に取り組んでまいりました。今後さらに高齢化が進むことを考えれば、今こそ介護予防や重度化予防に向けて全庁的な取り組みを展開する時期に来ているのではないかと思います。区は今後、介護予防を全区的、総合的に展開していくべきと考えますが、これまでの取り組みの評価も含め区の考え方をお聞きいたします。  次に、子ども施策に関連して何点かお尋ねいたします。  区は今年度、新たに子ども部を設け、子ども施策を総合的に推進していく体制を整えました。これまでも区では多様な保育サービスの提供、小児救急医療の開始、新BOP事業を初め子育てや子どもの育成環境づくりといったさまざまな施策の充実を図り、全国的にも水準の高い子ども施策を展開してきたと評価しております。  しかし、先日の厚生労働省の発表によると、全国の出生率が一・三六であるのに対し世田谷区では〇・八二であり、この数値は国内では下から五番目となっており、世田谷区の将来を考えるときに決して好ましい状況ではありません。  また、子どもの虐待に関しては事件の発覚が後を絶たず、安心して出産や子育てに臨める社会環境づくりは、区としても今後とも精力的に取り組むべき重要な課題であります。区長は、子ども施策を最重点と認識され、子ども部を設置したものと理解しておりますが、組織を機能させるためには明確な目標を掲げ、区民とともに全力を挙げて努力していく姿勢が必要です。  今年度、子どもの総合計画をつくるに当たっては、ぜひとも区長みずからリーダーシップを発揮され、すばらしい子どものための計画をつくり上げていただきたいと思いますが、区長の考えをお聞きします。  次に、幼児教育の問題について伺います。  生涯にわたる人間形成の基礎が培われる幼児期の教育は大変重要であり、家庭や地域の教育力が低下していると言われる中で、区の取り組みが問われていると考えます。小学校の新一年生が学校生活のルールを理解できず、学級という集団生活になじめない、いわゆる小一問題が取りざたされております。教師の力量が問われる一方で、就学前の幼児教育のあり方について区として重点を置かなければならない時期に来ていると思います。  区立幼稚園のみならず、私立幼稚園、さらに保育園にも子どもたちがいるという現状を踏まえ、これまでの縦割り行政を超えた対応、教育委員会としてすべての幼児世代を対象として幼児教育を考えることが必要と考えます。今後の幼児教育についてどのように取り組んでいくつもりなのか、教育長の考えをお聞きします。  さて、このことを踏まえて、区立幼稚園の見直しに関してもお尋ねします。  本年三月の予算特別委員会で、我が党の質問に対し熊本区長は、子ども部と教育委員会とが十分連携をとりながら、この八月をめどに明らかにしていきたいと答えております。さらに、先月の文教常任委員会等で就学前教育のあり方及び当面の対応について報告され、区立幼稚園の見直しについて七月ごろを目途に一定の方針を取りまとめていくとされています。区としての今後の取り組みが、我が党の長年の主張に対し方向性を示していくものと期待しますが、区立幼稚園の見直しについて現時点ではどのように考えているのか、お答えください。  子ども施策の最後に、今後の子ども施策の展開に当たっての民間活力の活用について触れておきます。  世田谷の次代を担う子どもたちがどのように健全でたくましく育っていくか、そのための子育てはどのようになされるべきか、本当にきめ細かな対応が求められます。区が子ども施策を展開するに当たっては、区民一人一人の努力を初め、地域の力、さらに民間事業者の力を合わせることこそが必要なことであり、幼稚園や保育園を初めとする子どもの施策については、民営化など民間の力、工夫、柔軟性を引き出し活用することに全力を注ぐべきであります。今回、子ども総合計画の策定に当たっては、ぜひとも民間活力の活用をその柱とするべきですが、区の考えをお伺いいたします。  次に、小田急線駅周辺まちづくりに関して何点かお伺いいたします。  区長招集あいさつにもありましたように、小田急線の連続立体交差と複々線の事業は今年度大きな節目の年となります。成城学園前駅と梅ケ丘駅の間が完了し、下北沢駅を挟んだ世田谷代田駅から東北沢駅の区間が着工される予定となっております。  そこで、地域の課題として重要になってくるのが、それぞれの駅周辺のまちづくりです。言うまでもなく、日々多くの人々が乗りおりをする鉄道駅の周辺はいわば町の顔であると同時に、日常生活を支える商業施設など都市機能の集積地でもあります。区では、各駅周辺でさまざまなまちづくりに取り組んできています。その整備に当たっては、第一に、駅前広場や駅へのアクセス道路、側道の整備など地域交通の円滑化の視点、第二に、商業振興施策と連携した地域活性化の視点、さらに、駅や駅周辺の利用者の立場に立って、だれもが使いやすいものとなっているかという福祉的環境整備の視点が重要です。こうした視点を踏まえ、主要駅の周辺整備についてお尋ねします。  まず、まちづくり交付金の活用の手続を進め、地域コミュニティーを初めとする総合的なまちづくりを目指している成城学園前駅周辺整備について、そして、駅前を中心とする商店街をどのようにまちづくり計画の中に位置づけ地域の活性化を図るのかが課題である経堂駅周辺整備について、さらに、にぎわいを継続発展させ、災害に強い町の実現が課題である下北沢駅周辺整備について、それぞれ区はどのように取り組もうとしているのか、基本的な考えをお聞きいたします。  次に、あかずの踏切解消に向けた取り組みについて伺います。  先日、あかずの踏切解消に向けて、区内の町会、自治会、小中学校PTA、区内の商工会議所、商店街連合、工業振興協会、農協協議会で構成するあかずの踏切解消促進協議会を開催するとのお話がありました。区内におけるあかずの踏切を根本的に解消するためには、大井町線や京王線などを対象とした鉄道と道路の連続立体化が必要で、その実現には、小田急線でも経験したように長年の歳月を要するものです。こうした経験の中で、国や都、関係機関への要請活動などを初めとして長期の活動が求められるこの協議会に、区長はどのような役割を期待し、何を目指していくのか、お考えをお聞きいたします。  次に、国分寺崖線の建築規制強化の取り組みについてお尋ねいたします。  先日の新聞に「緑の島を後世まで」と題して、世田谷区の国分寺崖線保全の取り組みが大きく報じられておりました。改めて貴重な自然を保全整備し次世代に引き継いでいくことへの我々の責任を痛感させられました。  国分寺崖線は、世田谷というブランドと、南斜面であり眺望もよいことから急速な開発にさらされており、一刻も早く対策を講じるべきであります。区が取り組もうとしている斜面地におけるマンション等の規制は、今月から条例が施行された横浜市を初めとして各地で広がりを見せているようでありますが、区が現在検討している国分寺崖線保全整備条例の特徴と進捗状況についてまずお尋ねいたします。  また、今回の国分寺崖線地域における取り組みを先進事例として、建築行為のルール化や、区民、事業者と協働した環境保全やまちづくりの手法を全区的に普及させていくべきだと考えますが、区のお考えをお聞きします。  次に、世田谷区の教育の現状と教育ビジョンについて伺います。  このたび新たに教育長になられた若井田教育長は、これまで三年間、本区の教育指導課長を務められ、かつてはみずからも教職につかれるなど、教育の現場を熟知された教育の専門家であり、その手腕に大いに期待するものであります。  言うまでもなく、教育に対する区民の関心は極めて高く、とりわけ義務教育については、学級崩壊、学力低下といった問題、学校の安全対策など、保護者の皆様はさまざまな疑問や不安を感じています。このような状況の中で、区の教育の現状をどのように認識し、さまざまな課題をどのように解決していこうとしておられるのでしょうか。加えて、以前より我が党を初め議会でも議論となってきた教育施設にかかわる増改築承諾料の問題についてもどのように認識されているのか、教育長のお考えをお聞きします。  また、今年度策定する教育ビジョンはどのような視点のもとに、どのような特徴をお考えなのか、あわせてお伺いします。  次に、学校の適正配置についてお伺いいたします。  新星、池尻の両中学校が統合され、新たに三宿中学校が開校いたしました。平成十年の小・中学校適正配置等審議会の答申から六年。初めての成果であり、今回の三宿中学校誕生についてしっかりと検証評価を行うことが大切であると考えます。  一方、この間、区の状況は、都心回帰の動きに伴った大規模開発が見られるなど、大きく変わってきております。今後の人口の動向、児童生徒数の予測などをしっかりとらえ、あるべき地域の将来像を視野に入れた学校適正配置の検討が今後も重要であると思いますが、考えをお聞きします。  壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 自由民主党、菅沼議員の代表質問にお答え申し上げます。  私が区長に就任いたしまして初めてこの壇上で所信表明をさせていただいてはや一年。まさに光陰矢のごとしの感を深めるところでございます。この一年間についての評価と今後どのような姿勢で取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。  その間、私は区政の流れを変えるという考えのもと、職員の意識改革と発想の転換を求め、すぐやる課の設置や安全安心パトロールの実施を初め、区民生活に密着した施策を積極的に推進してまいりました。区長としてこの一年区政運営に携わってみて、区政課題の重さ、そして多種多様さを痛感するとともに、改めて、八十万区民を擁する自治体のかじ取り役としての重責の感を深めております。今後とも、初心を忘れず、常に区民の目線に立ち、聞く耳を持つ区長として、議会を初め区民皆様の意向を十分お伺いし、区政運営に取り組んでまいる所存でございますので、何とぞご理解とご協力をいただきますよう、この機会に改めてお願い申し上げます。  次に、自治体としての基本課題について、世田谷区が進もうとしている方向性、基本的な見解についてのお尋ねでございます。  国と地方の構造改革となる三位一体の改革が進められ、また、地方制度調査会において道州制の議論も開始されるなど、地方自治の議論が活発化しております。区としても、目指すべき自治体像を明確に描く必要がございます。私は、世田谷から東京を変えると申しておりますように、世田谷区が真に自律した自治体となるために、何よりも都と区の関係の改革に本腰を入れて取り組み、東京都と特別区が分権時代にふさわしい新たな連携、協調の関係を再構築することが重要であると考えております。  そのため、都区財政調整制度改革に一定の道筋をつけることに全力で取り組むとともに、基本計画では自律という観点を踏まえ、八十万区民の自治体のありようを示してまいります。  次に、リーディングプロジェクトと実施計画の策定に当たっての区の基本的な考え方についてのお尋ねでございます。  私は、このたび策定する基本計画を、社会変化の激しい時代にあって今後十年間の区の進むべき方向性を明らかにしながら、区民が最も必要とすることに重点的に取り組んでいく計画にしたいと考えております。また、基本計画の中で、緑や文化、町並みなど世田谷の魅力を高めながら、区民の皆さんが本当に住んでよかったと実感でき、夢と希望が持てる世田谷を実現するためにリーディングプロジェクトを定め、さらに実施計画において着実に成果を上げていく決意でございます。基本計画の策定に当たっては、区民の皆さんの声に耳を傾けるとともに、議会とも相談をしながら策定作業を進めてまいります。  次に、新たな出張所のあり方についてのお尋ねでございます。  このたびの出張所改革は、少子・高齢化等の進展の中で一層の地域コミュニティーの活性化が求められる今日、地区まちづくりの強化と効率的な事務運営を両立させた、これからの時代にふさわしい新たな出張所が必要であると考えております。実現に当たりましては、全体として区民サービスの維持向上を図る観点から具体的な方策を考え、人的、物的な配慮のもとで準備を進めたいと考えており、改めてご意見等をいただきながら平成十七年四月をめどに円滑な移行が図られるよう努めてまいりますので、ご理解とご支援のほどをお願いいたします。  清掃一部事務組合の改革についてのお尋ねでございます。
     昨年十一月の区長会において、平成十八年度以降も当分の間、清掃一部事務組合による共同処理の継続を確認するに当たり、私は各区がより一層主体的、効率的に清掃・リサイクル事業を展開していくことが重要であると考え、清掃一部事務組合の抜本的な見直しが必要であると主張したところであります。現在、区長会は、清掃一部事務組合の抜本的改革を初め、分担金の算出方法、工場のある区、ない区の負担の公平などの諸課題について助役会に検討を下命しており、その結果を踏まえ議論していく予定でございます。  私は、世田谷区の主体性を発揮できるよう、清掃一部事務組合の改革について引き続き積極的に主張する所存でございます。  次に、介護予防の推進についてのお尋ねでございます。  高齢者が増加する中、だれもが住みなれた地域でいつまでも健康に生き生きと暮らし続けるには、介護予防がますます重要となってまいります。区はこれまで閉じこもりの防止や、転倒、骨折による寝たきり予防に取り組んでまいりました。また、最近では専門研究機関と連携しながら痴呆予防プログラムやパワーリハビリテーションモデル事業等の先駆的なプログラムを実施しており、多くの反響と高い評価をいただいております。今後も、介護保険制度の見直しを視野に入れながら介護予防に力を入れ、区民への周知に努めるとともに、民間活力を活用しながら一層の地域展開を図ってまいります。  次に、子ども施策についてのお尋ねです。  私が子ども部を設置いたしましたのは、区民からのさまざまな要望に素早く対応することで世田谷らしい子ども施策の展開に区を挙げて取り組むためのものでございます。昨今の幼児虐待や少年犯罪の凶悪化、低年齢化など、子どもを取り巻く環境が悪化の一途をたどる中、子どもや家庭への支援は待ったなしの状態でございます。子どもは未来の宝です。世田谷で生まれたすべての子どもたちがすくすくと健康に育っていくことが、私を含め地域全体の願いであると思います。  区としても、現在、子ども推進計画を策定しておりますが、その内容に世田谷独自の施策を盛り込むよう指示しており、最終的には私みずから施策の優先順位を決め、さらには課題によっては、来年度を待たず、可能な限り前倒して進めていく決意でございます。  終わりに、あかずの踏切の解消についてのお尋ねでございます。  区内を走る鉄道路線は区民の足としてなくてはならないものでございます。一方、踏切問題は歩行者の安全を脅かしていることは事実でございます。交通渋滞を招き、地域や町を分断するなど、経済的損失も指摘されております。区といたしましても重要な課題であると認識して取り組んでまいります。  そこで、このたび、区内の多くの団体、区民の方々とともに世田谷区「開かずの踏切」解消促進協議会を結成することといたしました。この協議会が中心となって踏切問題を広く区民共通の課題としてとらえ直して、あかずの踏切解消に向けて都や関連交通機関に継続的に積極的に働きかけてまいる所存でございます。  以上、その他につきましては所管よりお答えいたします。    〔平谷助役登壇〕 ◎平谷 助役 まず、今後の財政見通しについてでありますが、計画実現の裏打ちといたしまして不可欠というご指摘は、私どももそのように考えております。このため、平成十六年度の当初予算概要の中で、試みといたしまして三カ年の中期的な財政見通しをお示ししたところでございます。今後十年間の社会経済状況の見通しでありますが、今日の経済活動は、ご案内のとおり、一つの国の中の動きにとどまりませず、相互に連関する国際経済の見通しも大切となってきております。それら、国内、国外さまざまな動向を織り込んでいかなければなりません。  当面、とりわけ三位一体の改革についてでございます。  ご案内のとおり、さきの経済財政諮問会議におきましては、三位一体改革で二〇〇六年度までに国から自治体へおおむね三兆円の税源移譲を実現すると明記するとともに、今後二年間で三兆円程度の補助金削減と一体で推進することを確認されております。けさの新聞報道によりますと、政府はこの補助金改革に当たりまして、全国知事会など地方六団体に地方からの具体案を八月二十日までに取りまとめるよう要請したとのことであります。こうした地方の意見を受けまして、政府は八月下旬から経済財政諮問会議で集中審議を始めるという報道がございました。今後の推移に沿いまして、三位一体改革の本区への影響を十分見きわめていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、現在、基本計画等の策定作業を進めておりますが、基本計画につきましてはおおむね十カ年を展望した財政見通しを、また、実施計画につきましては向こう三カ年の計画ということから情報の収集分析に努めながら極力精度の高い見通しとなるよう努めてまいります。  次に、全事業点検と今後の区政改革についてであります。  区では現在、新たな自治体像を展望した基本計画の策定作業を進めており、これと並行いたしまして政策評価委員会によります全事業点検を契機といたしました、外郭団体のあり方、補助金のあり方、生涯学習、レクリエーションのあり方、受益と負担のあり方等多くの課題につきまして具体的な検討作業を進めております。基本計画の策定に当たりましては、今後十年を見通した新しい政策の実現とともに、こうした区政運営の効率化や区民、事業者、行政のあり方の再構築、区政改革の方向性を見出していかなければなりません。今後とも、区長のご判断を仰ぎながら、基本計画に掲げる区政改革の方向性に基づきまして、向こう三年間の具体的な取り組みを、実施計画とあわせて策定いたします行政改革計画により明らかにしていきたいと考えております。  次に、外部監査制度に何を期待しているのかと。区の見解を申し上げます。  議員ご指摘のとおり、世田谷区の監査委員制度につきましては、これまでも行財政全般にわたる公正性、効率性の確保など重要な役割を果たしてきていただいておりますし、この点は今後も揺るぎのないものと認識しております。このたびご提案申し上げております包括外部監査契約の締結は、外部監査人という立場から専門家が財務監査等を実施するものでありまして、区政の透明性、区民の区政に対する信頼感をより一層高めていくものと期待しているところでございます。  いずれにいたしましても、初年度ということもございまして、外部監査の結果、成果に沿いまして、改めて大所高所からのご意見等を賜ればと考えております。    〔山田助役登壇〕 ◎山田 助役 子ども施策に関連いたしまして、民間活力の活用を柱とすべきというご指摘がございました。  子育ての変化、区民の意識の変化などから、子育てニーズの多様化は予測を超えるものでありますので、こうした多様化するニーズに的確にこたえるためには、そのサービス供給主体の多様化も必要と考えております。今後、子ども施策全体の推進に当たりましては、行政が本来すべきこと、さらに区民と行政の的確な役割分担に配慮することが必要になってまいります。特に子育て施策の充実に当たりましては、この観点からも見直しを進めてまいります。  保育園を初めといたします子育て支援施設の充実につきましても、区民の多様なニーズにこたえていくため、地域の資源を十分に活用しながら民間活力の導入、活用を積極的に進め、より質の高いサービス提供を図っていく所存でございます。  なお、新たな幼保総合型の施設整備につきましても検討しているところでございますけれども、区立幼稚園の用途の転換も視野に入れまして、一方で具体的な観点、例えば幼稚園の定員充足率、周辺の保育需要の推移、適正な配置のありよう、また地域特性などを総合的に勘案いたしまして、七月には一定の結論を出すことといたします。  また、検討に当たりましては、議会のご議論を十分に踏まえ、また、有識者、関係者、区民のご意見をよく承りまして取りまとめることといたしたく考えております。  以上でございます。    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 子ども、就学前の幼児教育のあり方についてお尋ねがありましたので、お答え申し上げます。  人の一生の基礎が培われる幼児期の教育は大変重要であると認識いたしております。平成十五年度、区内の四、五歳児は約一万一千六百人おりますが、教育委員会が所管する区立幼稚園に在籍している園児数は約千二百八十人であり、その意味で幼児教育に対するこれまでの教育委員会の取り組みは限定されたものでありました。しかし、ご指摘のように、小学校の新入生が集団生活や学習に適応できない、いわゆる小一問題が見られるようになり、今や幼稚園や保育園と小学校の円滑な接続も含め、幼児教育の質の向上は重要な課題であると認識しております。  もちろん、小学校の教員の資質を高めていくことは重要でありますが、教育委員会といたしましては、今後、世田谷区のすべての幼児がより質の高い教育を受けられるよう、子ども部と密接な連携を図り、区立幼稚園のみならず私立幼稚園の教員や保育園の保育士の資質向上を支援し、世田谷区の幼児教育全体の質的向上を推進してまいります。  次に、区の教育の現状と増改築承諾料に対してご質問がございましたので、お答え申し上げます。  世田谷区の学校教育は、地域からのご理解、ご協力をいただき、東京という大都会にありながら地域に根差した教育を進めることができているということを深く感謝いたしております。各学校では、授業の質の向上、特色ある教育活動などに取り組み、保護者や地域の方々からの信頼を得られるよう努力しているところです。しかし、昨年の小学校の服務事故に象徴される教員の資質の問題、小学校から区立中学校への進学率が年々低下していることに見られる学力に対する不安の問題など、課題も多々あることも認識いたしております。  教育委員会といたしましては、教育ビジョンを策定し、今後の方向性と具体策をお示ししたいと考えておりますが、そのビジョンに魂を入れ、実際の教育活動に反映していくのは各学校の校長を初めとする教職員です。教職員が教育委員会の指針を十分理解し、学校が変わる実際の力となるよう、私自身リーダーシップを発揮し尽力する決意でおります。  また、保護者を初め地域の方々にも教育委員会の方針を十分ご理解いただけるよう発信し、ご意見もいただきながら信頼される学校、信頼される教育委員会をつくり上げていきたいと考えております。  増改築承諾料につきましては、これまで特別区長会を初め全国市長会、特別区議会議長会等を通じて、制度の廃止に向け国に要望していただき、また、教育長会におきましても同様に要望しております。今後も、同様の問題を抱えております他の自治体と連携を図るなど、財務省及び文部科学省へ強く要望してまいります。  最後に、教育ビジョンの策定についてお答え申し上げます。  教育ビジョンは、主に学校教育内容の改善充実、学校経営、運営の改善充実、教育環境の整備、そして教育委員会の改善充実を柱に構成いたしたいと考えております。学校教育内容の改善充実では、特区申請も視野に入れたカリキュラムの構築、確かな学力を育成するためのプログラムの作成や豊かな心をはぐくむための体験学習、物づくり学習、健やかな体づくりのための食育の推進など、魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。学校経営、学校運営の改善充実では、地域や保護者の方が一層学校運営に参画するシステムの構築とそのための外部評価の導入、学校の自律的経営、自己改善システムの構築など、地域とともに子どもを育てる世田谷区の学校教育をより推進してまいります。また、学校改築指針の見直しなどの教育環境整備とともに、教育委員会の改善充実では、開かれた教育委員会の推進や教育センターの見直しなどを進めます。  策定に当たりましては、区民の方々、区議会、学校関係者はもとより、専門家などさまざまな機会をとらえてご意見を伺っていく予定でございます。  なお、今月二十八日には、区内十一大学と八短期大学の学長をお招きして学長懇談会を開催し、区長と一緒に教育ビジョンのあり方についてご議論いただく予定でございます。  以上でございます。 ◎永山 総務部長 職員の定数計画についてお答え申し上げます。  区は、平成九年度以降、三度にわたる行財政改善計画を策定し、積極的に定員の適正化に取り組んでまいりました。その結果、この八年間に七百四十八名の職員を削減いたしました。現在、出張所の見直し、福祉施設の委託、保育園の民営化など大きな事務事業の見直しに着手しておりますが、これらの見直しによって生み出される人材を主要施策に重点的に配置するなど、人材を有効に活用しながら定員の適正化を図ってまいります。  ご質問の長期的な定員適正化計画につきましては、新たな基本計画の策定にあわせまして具体的に検討してまいります。  以上でございます。 ◎西澤 政策経営部長 私からは、指定管理者制度の導入とそれに伴います外郭団体の改革についてお答え申し上げます。  区では、公の施設に係る地方自治法改正の施行に備えまして広く施設管理のあり方を検討しておりまして、区としての指定管理者制度の導入に係る指針を策定することとしております。指針の策定に当たりましては、施設の設置目的が達成できるよう、ご指摘のように、効率性やサービス提供水準、利用上の平等性や公平性の確保、地域との連携など、総合的な見地に立って管理者の業務の範囲や選定手順等を定めていくことが重要であると考えております。  また、外郭団体が管理する施設につきましても、外郭団体が担うべき役割や公共性、公益性などについて改めて検証を行いまして、また、施設ごとの内容、性格を十分に精査しながら区としての考え方を明らかにしてまいります。今後、公の施設の設置条例ごとに指針に基づく検討を行い、新規に開設する施設や運用形態を変更する施設から順次指定管理者制度を導入してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎佐藤 地域情報政策担当部長 私からは、出張所の改革についてお答えします。  まず、改革の特徴についてでございます。  出張所の再編、改革につきましては、二十三区内におきましては既に八区が実施し、世田谷区を含め七区が検討中でございます。世田谷区が目指す出張所改革の特徴につきましては、これからの時代にふさわしい新たな地域行政の展開として、一つには、地区コミュニティーのさらなる活性化のため、出張所を地区まちづくりの拠点とするため仮称まちづくり出張所を設置すること。二つには、IT化の進展を踏まえ、高齢者等に配慮した自動交付機の活用による窓口サービスの利便性の向上を図ること。三つには、窓口サービスの広域化に伴う窓口サービスの駅周辺の出張所への集約化を行うものでございます。さらに、この改革を契機に、区民の多様なニーズやライフスタイルの変化にこたえるため、新たなサービスとして福祉相談等の実施や休日窓口の開設の試行、コンビニエンスストアでの区民税や国民健康保険料等の支払いを考えてございます。これらの取り組みによりまして区民のニーズに的確にこたえ、全体としてのサービスの維持向上を図るものでございます。  それから、今後の進め方やスケジュールでございます。  このたび、地区説明会等での意見、要望、区議会でのご議論等を踏まえまして、各出張所長も参加した出張所検討部会により、新たな出張所のあり方に関する報告をさせていただきました。今後の進め方につきましては、この間の地域団体や区民から寄せられた意見、要望等を踏まえまして、実務上の課題の詰めを進めていく予定であり、あわせて、さらに広く区民からのご意見をいただくため、六月十五日の「区のおしらせ」で報告書の概要をPRし、さらに、七月には地区ごとの説明会も予定してございます。その後の見通しにつきましては、九月には条例及び補正予算案のご審議、十一月ごろには自動交付機の導入を予定しており、今後、区民の方々に十分な周知を図るとともに、平成十七年四月を目途として新たな体制に円滑に移行できるよう準備を進めてまいります。  以上でございます。 ◎青木 生活文化部長 安全安心まちづくりについてお尋ねをいただきました。  初めに、十六年度の取り組みについてご答弁申し上げます。  区長の指示に基づきまして昨年七月から継続して実施しております二十四時間安全パトロールは、区内施設間の経路を中心に巡回しているものでございますが、一定の成果を上げることができたと評価しております。今年度は、七月中旬から新たな施策として、区内の四警察署と連携いたしまして、犯罪の種類や多発時刻、場所等の犯罪情報をもとに巡回経路を指定する重点パトロールを実施いたします。より効果的な犯罪の未然防止策として強化してまいりたいと考えております。  また、犯罪を抑止するには地域を挙げた取り組みが大切でございます。防犯のためにみずからが率先して活動を行う地域の防犯リーダーの存在が求められていますが、区では、防犯リーダーを養成いたします安全安心まちづくりカレッジを今年九月下旬から十七年二月上旬まで開講する予定でございます。防犯の専門家や警視庁職員等による安全安心まちづくりに関します講義とフィールドワークを取り入れたカリキュラムを準備しておりますが、犯罪のない安全で安心して暮らせる世田谷を目指しまして積極的に実効性のある施策として推進をしてまいりたいと考えております。  次に、防犯カメラについてお答えを申し上げます。  近年、犯罪の抑止効果が期待されることから、道路あるいは商店街などに防犯カメラがふえてきていることは、お話しのとおりでございます。その一方で、区民の皆さんの中には、自分の知らないところで撮影されていることや、記録された画像がどのように使われているかわからないといった不安感があることもまた事実でございます。  こうした中で東京都は先ごろ、緊急治安対策の重点事業として、商店街、町会、自治会など一定の区域の住民が構成または参加する団体が防犯カメラ、防犯灯などの防犯設備を設置した場合に上限三百万円の補助金を交付することといたしました。都、区及び設置主体がそれぞれ三分の一ずつ負担をする制度でございますが、補助の条件といたしましては、犯罪が多発していること、地域住民の合意がなされていること、防犯カメラの使用についての運用基準が定められていることなどを挙げております。  区といたしましては、防犯カメラ設置につきまして一定のルールが必要であると考えており、現在、安全安心まちづくり協議会の中に分科会を設けまして検討していただいているところでございますが、あわせまして、東京都の補助内容を十分検討し、また他区の動きも参考にして、区としての助成基準を慎重に定めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎堀 産業振興部長 商店街活性化に向けて、四月一日施行となった改正産業振興基本条例の成果と今後の支援についてというご質問にご答弁申し上げます。  このたびの条例の一部改正は、商店街が地域社会に果たしている役割を区内はもとより全国に向け改めて発信したものであり、安全安心なまちづくりや企業の社会的責任が問われる昨今、関係者に大きな影響を与えたものと考えております。  条例改正後、区内の商店街は加入促進の委員会をつくり、コンビニ本社への訪問や宅地建物取引業協会への協力要請など、積極的な活動を進めております。今月二十九日には、商店街加入促進決起大会を開催するとも伺っております。また、東京商工会議所は、世田谷区の条例改正の動きを受けまして、商業関係八団体、これはいわゆるコンビニと称されております組織商業の協会でございまして、日本チェーンストア協会、日本フランチャイズチェーン協会、日本ボランタリー・チェーン協会などの集まりの団体ですが、この団体が商店街とともにまちづくりを進めようということで、連携・協働の商業まちづくり共同宣言を六月一日にプレス発表したともお聞きしております。  さらに、自治体の動きとしましては、条例改正後、多くの問い合わせや視察がありまして、例えば二十三区内では港区や杉並区で同様の条例制定をするという動きがあるともお聞きしております。  私どもは改めまして、商店街は地域社会の核であり、安全安心なまちづくりには欠かせない存在であるという認識を強くしております。区としましては、このような活動を積極的に支援していくとともに、商店街を含めた産業界全体の活性化を通して、産業界の視点から活力と魅力ある世田谷のまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ◎株木 都市整備部長 私からは、まず、商店街振興と連携したまちづくりについてご答弁申し上げます。  ご指摘にもありますように、昨今の商店街の中には、長引く景気低迷、後継者不足などにより、お話しのようなマンション等へと土地利用が転換されているケースが見受けられます。区といたしましても、地域の核として、さらには地域とともに発展してきた商店街の活性化は、バランスのとれた住宅都市世田谷を形成する上でも欠かせないものであると認識しております。そのため、商店街の活性化を図るには、全区的に一律に規制するのではなく、それぞれの商店街の特色に合わせたきめ細かな対応が必要であると考えており、これまでも奥沢二・五丁目北地区、経堂農大通り沿道地区などでは地区計画等を活用して、にぎわいのある商店街まちづくりを進めてまいりました。これらの経験を生かしながら、商店街の現状と意向の把握に努めつつ、まちづくり部門と商業部門が連携した庁内検討体制のもとで商業振興のソフト面ともあわせた新たなまちづくりを模索するなど、商店街活性化のための支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、国分寺崖線保全整備条例の特徴と進捗状況についてお答えいたします。  現在検討を進めている国分寺崖線保全整備条例は、横浜市などの条例と比較しまして、崖線地区の約二百五十ヘクタールのエリアに地域を限定しているところが大きな特徴でございます。このエリアにおいて建築物の地階を含めた階数制限など建築物のコントロールや、緑豊かな崖線地域の環境を守るための新たな緑化基準の導入、色彩の誘導などを規定していきたいと考えております。また、規制誘導の実効性を高めるため、建築基準法などに基づいた条例にするほか、事業に際して事前に区に環境配慮計画書の提出を義務づけることなども検討しております。  進捗状況でございますけれども、さきに議会にお示ししました国分寺崖線保全整備条例素案につきましては、三月に四回にわたって住民懇談会を行い、周辺にお住まいの方々のご意見をお聞きし、さらに議会でのご議論を経て崖線保全整備方針として策定いたします。また、七月には条例骨子素案を取りまとめ、区議会にお示ししたいと考えております。  次に、国分寺崖線地域における取り組みの全区的な普及についてのお尋ねでございますけれども、国分寺崖線で生じている問題の中には、全区に共通する問題も数多くあります。それらについては国分寺崖線の地域に限定すべきではなくて、全区を対象として対応すべきであろうと考えております。しかしながら、国分寺崖線につきましては、アンケート調査等におきましても早急に対策を行うべきとの意見も多く、まず、この地域に限定して条例化を進めていき、条例施行後の状況を見ながら全区的な対応のあり方を検討してまいりたいと存じます。  また、現在、自然保護条例の見直しの検討も同時並行的に進めておりまして、開発緑化基準の条例化や区民参加の仕組みづくりなどを含め、全区的な視点から自然環境保全のあり方をまとめていきたいと考えております。  以上でございます。 ◎堀川 清掃・リサイクル部長 世田谷清掃工場建てかえにつきまして、今後の安全対策につきまして区として清掃一部事務組合の方に申し入れるべきだとのご質問についてお答え申し上げます。  世田谷清掃工場の建てかえに当たりましては、安全対策に十分留意することは区としても大変重要であるというふうに認識をいたしております。今回の清掃工場の入札に当たりましては、入札に先立ち、事前に約半年の期間をかけまして事業者に対してガス化溶融炉の実績や安全対策、環境負荷の低減など、清掃一部事務組合が求める技術水準を十分満たしていることを審査した上で、合格した事業者により入札が行われたと聞いております。  今後、世田谷清掃工場の工事の進捗状況に合わせまして、区としてより一層の安全確保や工事期間中の周辺住民への安全対策、また、わかりやすく、きめ細やかな情報提供などはもとより、工場稼働後も安全かつ安定的に運営できるよう万全の配慮を清掃一部事務組合に対しまして重ねて申し入れてまいります。  以上でございます。 ◎秋山 在宅サービス部長 障害者福祉施設の運営について、指定管理者制度の導入も踏まえ、今後の取り組みについてでございます。  平成十五年度からの支援費制度導入により、障害者福祉は従来の措置制度から契約に基づく利用制度へと抜本的な制度改革が進みました。区内の障害者福祉施設におきましては、区の直営施設、社会福祉法人に運営委託している区立民営施設、社会福祉法人が運営する民間施設など、さまざまな運営形態が混在しております。平成十五年度には、区立の知的障害者通所更生施設駒沢生活実習所を社会福祉法人に委託いたしました結果、利用者、保護者の評価も高く、引き続き十七年度に向けて順次民営化を進めていきたいと考えております。  また、地方自治法の改正により、平成十八年度をめどに指定管理者制度が導入されることになりました。平成十七年度に取り組む障害者施設の民営化に伴い、委託施設は順次指定管理者に変更してまいりたいと考えております。  今後は、施設の自立化と将来の自主運営化を目指し、従来の委託方式の見直しにも着手し、民間活力によるサービスの多様化や区民ニーズに合わせたきめ細やかなサービス提供に努めるとともに、あわせてコスト削減等の効率的な運営を目指していきたいと考えております。  以上でございます。 ◎庄司 教育次長 幼稚園見直しの検討状況についての質問がありました。  区は、本年四月に新設されました子ども部と教育委員会事務局の連携により庁内の検討組織を立ち上げ、当区の就学前の幼児教育のあり方に関する検討を進めているところでございます。検討に当たっての基本的な考えといたしましては、幼児教育の専門施設である幼稚園の教育活動、教育環境の充実とともに、保育サービス施設における幼児教育力の向上、幼児期の家庭教育への支援、地域社会における子育て環境の整備など、就学前のすべての幼児に対する教育の質の向上を図っていくことでございます。また、保育園と幼稚園の機能を一体化した新しい形の総合施設について、現在の保育園の用途の転換も視野に入れ、さらに検討を進めていきたいと考えております。  いずれにいたしましても、今議会でのご議論や今後ちょうだいいたします学識経験者や区民などからのご意見も参考にいたしまして、七月を目途に一定の方針を取りまとめていきたいと考えております。  以上です。 ◎稲垣 砧総合支所長 私からは、小田急線駅周辺まちづくりについて、そのうち成城学園前駅及び祖師ケ谷大蔵駅についてお答え申し上げます。  まず、成城学園前駅周辺まちづくりでございますが、昨年一月に交通広場を含む地区計画の都市計画決定を経まして、さらに十月には補助二一七号線のうち駅西側部分の事業認可を取得し、事業の推進を行っているところでございます。この事業推進を図るため、このたび国土交通省が新たに創設しましたまちづくり交付金の導入に向けて手続を進めているところでございますが、この交付金は道路など個々の施設の内容を一件一件審査し査定する従来の補助金制度とは違いまして、地域主導で取り組む幅広いまちづくり事業に要する経費を国が一体として交付し支援する、このような制度になっております。  今後、この交付金を活用しながら、地区計画の整備方針を踏まえまして、地域交通の円滑化はもとより、買い物客、歩行者の安全面に配慮したバリアフリーの視点、商店街と住宅地が調和し、地域の文化、歴史を生かした活力ある地域生活拠点づくりなど、お話にありました地域コミュニティーを初めとする総合的なまちづくりを目指し、取り組んでまいりたいと存じます。  続きまして、祖師ケ谷大蔵駅周辺でございますが、周辺地区のまちづくりにつきましては、駅周辺を第一次区域としたまちづくり計画を定め、駅前広場及び側道等の整備に取り組んでいるところでございます。今年度中に駅前広場を地区の憩いの場として暫定整備をしてまいるように進めているところでございます。また、交通不便地域の解消などを目的としたミニバス運行に向けて計画を進めております。これらの動きを商店街のにぎわいと活力あるまちづくりにつなげていきたいと考えております。  以上でございます。 ◎長原 世田谷総合支所長 私からは、経堂駅周辺のまちづくりについてお答えを申し上げます。  経堂駅周辺のまちづくりにおきましては、駅前広場や骨格道路となる世田谷区画街路八号線の整備を計画しておりまして、今年度、駅前広場の高架下の事業に着手する予定でございます。整備におきましては、歩道やサインなどにユニバーサルデザインを導入し、すべての人に優しい整備を目指してまいります。  また、地区まちづくり計画を今月、この六月下旬にも策定する予定でおります。この計画では、魅力的な商業空間の形成や防災性の向上、緑豊かで環境に優しいまちづくりなどを目標にしております。この中で、お話にもございました商店街の区域では駅前周辺を経堂中心部ゾーンとして、四方に延びる商店街を商店街活性化ゾーンとしてそれぞれ位置づけまして、商店街等と協力しながら建物の共同・協調化等を支援するとともに、買い物空間のつくり方あるいは使い方について検討するものとしております。
     今後は、関係部署と連携しながら駅周辺の各商店街に働きかけ、緊密な話し合いを持ちつつ商店街の活性化を進めることにより、人が集まり、にぎわいのある経堂の町を目指し、地域の活性化にもつなげてまいりたい、このように考えております。  以上でございます。 ◎真野 北沢総合支所長 私からは、下北沢駅周辺の整備についてお答え申し上げます。  下北沢駅周辺につきましては、先月、街づくり条例に基づく地区まちづくり計画を策定いたしまして、まちづくりの目標や達成への基本方針を明らかにしてまいりました。引き続き都市計画法によります地区計画策定に取り組んでまいります。  特に、都市計画施設であります駅前広場及び補助五四号線の推進につきましては、早い時期に事業認可を受け、連立事業等と連動して優先的に整備してまいります。これら都市施設の整備におきましては、安全安心、歩行者主体、バリアフリーや防火性能の向上等の視点を基本に整備を図ってまいります。具体的には、駅へのアクセス機能を強化し、鉄道とバス、タクシー等の乗り継ぎの利便性を高め、多くの人が利用できる広場や高幅員歩道の整備によりまして、商店街への歩行者主体の回遊性の確保、地区周辺の防災機能の強化を図るよう推進してまいります。  いずれにいたしましても、下北沢駅周辺の整備におきましては、将来を見据えた総合的、計画的な市街地の整備を鋭意促進し、にぎわいのある広域生活拠点としての発展と形成に寄与してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎髙山 教育政策担当部長 学校適正配置についてのご質問をいただきました。お答えをいたします。  池尻、新星中学校の統合につきましては、両校の生徒、教職員や新校準備会を初めとする地域の皆様のご理解とご協力をいただき、三宿中学校として新たにスタートを切ることができました。改めてお礼を申し上げます。  今回の中学校の統合につきましては、世田谷区としても初めての試みであり、きちんとした検証、評価を行うことが極めて重要であると考えています。学校運営や経済的な面からの検証とあわせ、生徒、保護者や地域の皆様からの声も評価に反映していく必要もあると感じております。  また、お話の中にもございましたように、大規模開発の影響や人口の動向など、学校を取り巻く環境も大きく変わりつつあります。こうした環境の変化や三宿中学校誕生の成果なども踏まえ、教育ビジョン策定の過程で学校適正配置につきましては区民の皆様や議会とも十分協議の上、引き続き検討を行ってまいります。  以上でございます。 ◎庄司 教育次長 先ほどの答弁で、保育園の用途の転換と申し上げましたが、幼稚園の誤りでございまして、訂正させていただきたいと思います。まことに申しわけございません。 ◆三十一番(菅沼つとむ 議員) 答弁ありがとうございました。  ちょっとまたお聞きします。就学前の幼児教育、教育長が言っているように、本当に人の一生は幼児期で決まると言われています。その中で、教育委員会だけでは多分できないだろうと思います。全庁的にやらなくてはいけない。では、ほかの部はどういうふうにしていくんだというのを一点聞きたいと思います。  それから、商店街振興と連携したまちづくり。都市整備部長から、一生懸命商店街の振興とまちづくりをやっていくというお話を聞きました。その間に、基本的には商業部門と連携してやっていくということだろうと思いますけれども、商業部門の代表として何か一言あれば、きちんと言っていただきたいと思います。  それから、介護予防について。区長から、これから本当に大事なことだというふうにお話をいただきまして、確かに昭和二十二年生まれの人が高齢者になると一番多くなると思います。昭和二十二年というのは、すぐそこまで来ていると思います。これから介護、福祉だけではなくて、全庁的にやっていくということが大事かなと思いますけれども、町会ですとか地域のグループですとか、そういうものの場の確保だとか、いろんなことがあります。そうすると、全体的には全庁的になるのかなと思いますので、何か一言あればお願いします。    〔山田助役登壇〕 ◎山田 助役 ただいま、菅沼議員の方から、区立幼稚園の見直しを初めといたします幼児教育の問題、それから商店街の振興の問題、高齢化社会に伴う介護の問題について、それぞれ全庁的な取り組みが必要ではないかというご指摘がございました。  まず、子ども施策でございますけれども、子ども施策に関しましては、次世代を担う人材の育成ということで大変重要な課題でございます。幼児教育の問題も、現在、所管を超えて体制をつくりまして取り組んでいるところでございますが、子ども部と教育委員会の連携はもちろんのこと、他のあらゆる所管も関係する部局につきましては共同して検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  また、商店街の振興につきましても、産業振興部は当然のことながら、都市整備部、あるいは安全安心ということであれば他部局もかかわってまいるものでございますので、そういった意味で全庁的な取り組みを進めてまいります。  また、介護につきましても、住みなれた町で地域で住み続けるということが、これからの安心して住み続けられる高齢化社会ということで非常に重要でございます。福祉領域、まちづくり部門、また、その他安全安心にかかわる部門、町会などを所管する部門、さまざまございます。全庁的に取り組んでまいる所存でございます。  以上三点について概括的に申し上げましたが、付加的にまた所管から答弁をさせていただきます。 ◎田中 子ども部長 今、助役から総括的なご答弁をさせていただきまして、私ども子ども部といたしましては、先ほど教育長が申された幼児世代においては区立幼稚園が一割を持っていらっしゃるよということ。そういたしますと、残りの九割は区長部局の方で持っているような形でございます。これを踏まえまして、今回、教育委員会としても、私ども区長部局の方の保育園、幼稚園経営についても配慮していただけるということなもので、幼児教育を一緒にやっていきたい、そのような形でございます。  以上です。 ◎堀 産業振興部長 商業部門の実務担当の方から決意をということですが、まちづくりという言葉は世田谷区のおはこだと思っております。ただ、議員のお話のように、商店街と連携したまちづくりというのは新しい提案ではないかと思っておりますので、株木都市整備部長としっかり連携して対応してまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◎秋山 在宅サービス部長 介護予防についてでございます。今お話がありました団塊の世代がこれから高齢期を迎えまして、その方たちがいつまでも元気でいてくださるということは大きな課題だというふうに思っておりまして、今でも保健所、それから保健福祉センター、もちろんまちづくりの所管、教育の部門、その方たちとも連携をとりながらしっかり介護予防に取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◆三十一番(菅沼つとむ 議員) 答弁ありがとうございました。  指定管理者についてもお聞きしたかったんですけれども、実際には区民の目で、区長が言っているように、指針をつくっていただきたいというふうに思います。  それから、防犯カメラ、これは安全安心で、今、東京都の方は要するに犯罪が多いところに置いて何とかなくそうというふうな考えですけれども、私の考えは、犯罪が起きないように防犯カメラを世田谷区で考えていただきたいということを要望して、自民党の質問を終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で菅沼つとむ議員の質問は終わりました。  これで各会派の代表質問は終了いたしました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、 △日程第二を上程いたします。  〔霜越次長朗読〕  日程第二 一般質問 ○宍戸教男 議長 一般質問についての発言時間は一人十分以内といたします。  質問通告に基づき、順次発言を許します。  四十七番青空こうじ議員。    〔四十七番青空こうじ議員登壇〕(拍手) ◆四十七番(青空こうじ 議員) 初めに、おやじの会について伺います。  六月一日、長崎県佐世保市の小学校で起きました小学校六年生がクラスメートによってカッターナイフで切られた事件は、長年青少年の健全育成にかかわってきた私にとっても大きな衝撃でした。事件を生んだ問題の解明が急がれるところですが、学校や家庭の問題として問題を矮小化することなく、子どもたちに対する地域社会のかかわりを真剣に見詰め直すときではないかと思えてなりません。特に、これまで地域活動に疎遠とされた子育て中の父親が、地域の子どもたちに目を向け、力を合わせ子どもたちの健全育成を図る取り組みを行政として振興していくべきではないかと考えいます。  去る五月二十二日、教育委員会主催による区立小学校、中学校におけるおやじの会情報交換会と、自主活動として取り組まれているオールせたがやおやじの会による情報交換会と懇親会が開催されました。この席には竹花東京都副知事を初め、熊本区長、若井田教育長も出席されました。副知事は、広島での暴走族に対する取り締まりの経験から、地域で青少年健全育成を進める上での父親参加の重要性などをお話しになり、これをきっかけにして情報交換と交流が活発に行われました。  小中学生を持つ父親を中心として、学校を単位として活動するおやじの会は区内で全九十五校中五十五校にも広がっています。また、全国的なネットワークができているのは世田谷区だけだとも伺っております。多摩川いかだ下りへの参加、サバイバルキャンプ、防犯パトロール、スポーツ交流、防災訓練を初め、さまざまなお祭りや部活動への支援など、学校やPTAだけではできない思い切ったイベントを実施したり、父親同士の親睦を深めながら、子どもたちにとって、いい地域のおじさんを目指すものなど、多様な取り組みが精力的に展開されていることは、子どもたちの健全育成を進める上で大変心強く思っております。  特に、父親の手づくりの活動の中で、子どもたちが集団活動を通して人と人の助け合いや支え合いの必要性を体験し認識したり、自分の父親が友達の父親と互いに協力して何かに取り組む姿がどれほどたくましく、潤いのあるものとして子どもたちの目に刻まれるかと思います。父親による地域での活動は、子どもたちの成長の大きな糧になることは間違いありません。  そこで、お伺いします。PTA活動や青少年委員活動、青少年地区委員活動など、さまざまな子どもたちの健全育成活動が地域で推進されている中で、おやじの会に対して区としてどのようなかかわり方で臨んでいかれようとしているのか、また、活動に期待されていることは何か、区としてのお考えをお聞かせください。  次に、観光施策の展開に向けた区内における映画関連施設等の活用についてお伺いします。  区は、平成十六年度世田谷区経営方針に「みどり豊かで出かけてみたいまち」の実現を掲げ、重点項目として観光の視点に立った施策の展開を挙げております。担当所管部では、今年度のテーマを緑に設定し、先月実施した等々力渓谷での事業も大変盛況であったと聞いております。確かに、等々力渓谷は二十三区内にありながら川のせせらぎ、野鳥の声が聞こえ、都会とは思えない自然に触れることができます。大変魅力ある場所で、テレビ、雑誌などでも多々取り上げられております。世田谷区の重要な観光資源だと思います。世田谷に区外から多くのお客様を迎えるには、こうした自然資源の活性化に加えて、世田谷区にあってほかの自治体にない魅力を前面に打ち出すことこそ、より幅広く観光施策を進める上で最も大切なことだと考えております。  そこで提案したいのが、映画を生かした観光施策です。ご存じの方も多いと思いますが、世田谷、特に祖師谷、大蔵、成城は映画の町でもあるのです。かつては東宝撮影所では、黒沢明作品の「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」、駅前シリーズの森繁久彌さんの作品、新東宝の斎藤寅二郎監督の喜劇の作品、そして大蔵映画の作品など、多くの名画が生み出されております。今でも円谷プロ、三船プロ、東宝スタジオの特殊撮影は世界的に有名です。そして、国際放映の東京メディアシティでは多くの人気テレビ番組がつくられ、芸能人を待ち構える若者たちでにぎわっております。子どもたちに人気のウルトラマンやモスラ、ゴジラの生誕地も世田谷生まれの世田谷育ち、また、祖師谷や砧には映画づくりにかかわる多くの職人さんがお住まいです。さらに、砧一丁目にあるNHK技術研究所、こちらはことしの夏のアテネオリンピックの中継基地としても注目され、ハイビジョン、デジタル放送推進基地としても注目され、積極的に一般公開もされております。まさに、世田谷区は全国に誇る映画、映像の実際の制作の地なのです。  関連施設をネットワークしたり、関係者の方に参加していただき、魅力的なイベントを開催する名物スポット化して懐かしの映画を上映し、オールドファンに青春時代を思い起こしていただいたり、ゴジラやウルトラマンで子どもたちに夢を与える、長い歴史と多くの資源があり、加えて多世代にわたってアピールできる映画、放送産業資源の活性化と有効利用こそ、世田谷区の観光施策の目玉にふさわしいと思います。また、所管部では観光をまちづくりの側面からとらえていると聞いております。映画放送産業を核に地域の活性化を図ることは非常に具体的に可能性の高いことと思います。  そこで、お尋ねします。こうしたいわば従来の映画、放送産業の現場を新しい観光資源、観光スポットとして有効活用することによって、さらに魅力あるまちづくりを進めていくべきと考えていますが、いかがでしょうか。また、世田谷の魅力として、映画の町世田谷を全国に向けて情報発信を行うのはどうでしょうか。区のお考えをお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎庄司 教育次長 おやじの会に対して区としてどのようなかかわり方で臨むのか、また、活動に期待していることは何かの質問でございます。  おやじの会を通じて多くの父親が楽しみながら主体的に地域活動に参画していくことは、青少年の健全育成の推進力となるばかりでなく、地域や家庭の教育力を大きく高める原動力となるものであり、区としても大いに期待しております。  区では、これまで一人でも多くの父親が地域や子育てに積極的にかかわっていけるよう、PTA研修の場などを活用して父親参加の重要性を繰り返し啓発するとともに、各学校間の情報交換の場を設けるなどの支援を行ってまいりました。  さらに、お話しのように、平成十四年度に父親の自主組織であるオールせたがやおやじの会が結成されてからは、会のメンバーの方々と連携を密にし、ネットワークづくりにも力を注いできております。現在では五十以上のおやじの会が多種多様な活動を展開するようになってまいりました。今後は、個々の活動や組織形態などそれぞれの会の個性や地域特性に応じた支援を充実し、学校やPTAとも相談しながら一層連携を強化して、家庭、地域の教育力のさらなる向上に取り組んでまいります。  以上です。 ◎堀 産業振興部長 観光施策の展開につきまして二点ご質問をいただきました。まず一点目は、映画を中心とした魅力あるまちづくりについてというご質問です。  観光施策につきましては、さまざまなご意見、ご提案をいただいておりますが、私どもが目指す観光は、町のにぎわいと地域経済の活性化という観点から世田谷の魅力を内外に発信しようというものでございます。ひいては、これらの取り組みの集大成が世田谷というブランドの向上につながれば大変うれしい取り組みと考えております。  議員のお話は大変説得力もあり、夢のあるご提案だと思いますが、今年度は私どもは、お話にもありましたように、緑をテーマに観光事業を展開しておりますので、ご提案の映画を中心としたまちづくりにつきましては今後の貴重なご提案と受けとめさせていただきたいと思っております。  また、二点目の、全国に向け、映画の町世田谷を発信したらというご質問ですが、世田谷の魅力を内外に発信していくことは大変重要なことで、先月末に行いました等々力渓谷における観光事業でも新聞やテレビに取り上げていただきまして、改めましてメディアの力の大きさに驚いた次第でございます。  ご提案の情報発信につきましては、私どもも世田谷の魅力を内外にPRするという絶好の機会と考えておりますので、映画の町世田谷も含め、いろいろな世田谷の資源を機会をとらえて発信していきたいと考えております。  以上でございます。 ◆四十七番(青空こうじ 議員) 世田谷は公園はあるし、まして、今テレビで人気の長谷川町子さんの漫画の、桜新町もありますし、まだまだいっぱいいいところがあります。だから、観光施策のときには必ず、ガイドブックを世田谷独自のをつくって、そうやって行くとすごくいいと思うので、そういう点はそのお考えはあるのかないのか、ちょっと聞きたいと思います。 ◎堀 産業振興部長 今回、世田谷観光夢舞台ということで等々力渓谷を取り上げさせていただきましたが、集大成として商店街マップ、等々力周辺のものを最後に、今のお話のようなガイドブックとしてつくる考えでもございます。  今のお話は、現在、東京商工会議所世田谷支部の方々と観光フォーラムという形で連携しておりますので、その中で検討していく課題ととらえておりますので、何らかの形で具体的な形をつくり上げていきたいと思っております。  以上でございます。 ◆四十七番(青空こうじ 議員) 世田谷は美術館もいっぱいあります。宮本さんから、世田谷美術館から、いっぱいいいところがあります。美術専門のガイドブックとか、三つか四つに分けてやるとすごくいいと思うので、そういう考えがあるかないか、ちょっと聞きたいんです。 ◎堀 産業振興部長 世田谷は本当に魅力的なところがたくさんあると考えております。今検討中なのは、今のお話のようにいろいろなジャンルに分けてPRしていこうということで、例えば世田谷っ子検定のような形で、いろいろなジャンルでどれだけ世田谷の魅力をわかっているか、あるいはわかってもらえるかという工夫をしてまいろうと考えておりますので、夏以降、例えば観光月間の秋口には一つの形がつくれるのではないかと思っております。 ○宍戸教男 議長 以上で青空こうじ議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、十八番高橋昭彦議員。    〔十八番高橋昭彦議員登壇〕(拍手) ◆十八番(高橋昭彦 議員) 質問通告に基づき、順次質問いたします。  初めに、痴呆予防について質問します。  痴呆性高齢者は全国で百六十万人を超え、二十年後は三百万人を超えるとの予測もあります。高齢者の恐れる病気は、六十五歳から七十五歳まではがんであり、七十五歳を超えると痴呆であるとの意識調査もあります。  先日発売の情報誌の中に痴呆に関する記事がありました。その記事には、いわゆる年のせいによる物忘れは脳の生理的な老化現象によるものだが、痴呆は病気で起こる。痴呆の八割から九割は脳の神経細胞の数が異常に減少するアルツハイマー型痴呆か、脳の血管障害による血管性痴呆である。痴呆を発症すると、物忘れをするだけでなく、体験したことのすべてを忘れてしまい、徐々に判断・認知能力が低下、生活に支障を来すようになる。また、治療で治る痴呆も約一割ある。それでも、発症して三年以上経過すると治療しても効果がなくなると言い、やはり専門医への早期受診が第一と言えるとありました。  武蔵野市では、市内の高齢者一万人を対象とした大規模な痴呆症の予防研究事業を本年度から六年間かけて行うと発表しました。一つの自治体の全域で行う形の痴呆予防研究は全国で初めてといいます。  さて、世田谷区では、痴呆や寝たきりにならずに生活できる期間を延ばす健康づくり運動、健康日本21を受け、平成十四年より北沢地域で痴呆予防プログラムのモデル実施をしています。まず、地域型痴呆予防プログラムのモデル実施の状況とその結果、また、今後の全区展開についての区の考えを伺います。  今、痴呆予防に学習療法が注目されています。先日、新聞にもその効果と今後の期待が掲載されていました。学習療法は、いわゆる東北大方式でありますが、音読と計算を中心とする教材を用いた学習を、学習者と指導者がコミュニケーションをとりながら行うことにより、認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能など前頭前野機能の維持改善を図るものとされています。  人の脳の大部分を占めているのが大脳です。大脳は、さらに前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の四つの部分に分けられます。大脳の前頭葉には前頭前野と呼ばれる部分があり、この部分が思考、行動抑制、コミュニケーション、意思決定など中枢機能を果たしており、大脳皮質の約三〇%を占める重要な部分とされています。酸素中のヘモグロビン量を色分けして画像表示する光トポグラフィーという装置を用いて、学習療法の前後で脳の働きのぐあいを比べてみると、神経細胞が活発になることが最近の研究で明らかになってきたと言われています。  福岡県大川市の介護老人福祉施設では、それまで無表情が多かった高齢者に笑顔が見られるようになったり、寝巻きのまま出てきていた人がみずから着がえるようになったり、おむつをしていた人が自分でトイレに行けるようになったなど、その効果が掲載されていました。世田谷区でも、痴呆予防に対しては積極的に取り組んでいるところではありますが、この学習療法についての区の考えをお聞かせください。  先ほど述べました光トポグラフィーを使った高齢者健康増進システムに関する研究が国士舘大学で始まり、文部科学省の私立大学学術研究高度化推進事業に選定され、国士舘大学ハイテクリサーチセンターとして開設されたと伺いました。この取り組みに対し、区の評価と今後の連携についてお伺いいたします。  次に、地域のコミュニティー、まちづくりについて質問します。  住みよいまちづくりに欠かせない要件として、今や安全安心が真っ先に挙げられます。全国的な凶悪事件、少年犯罪も低年齢化や多発が問題視されています。核家族化に高齢化、コミュニティー意識の希薄化などにより地域力の低下も指摘されています。犯罪の発生は、こうした地域のすき間がねらわれると言われています。地域の安全安心の確立には、みずからの安全はみずからで守るという住民一人一人の意識の高まりによる地域力の強化にあり、地域内の異変をいち早くキャッチし、状況の変化に素早く対応できるネットワーク構築が求められています。  先日、習志野市秋津の小学校を拠点とした地域コミュニティーづくりを紹介した本を目にしました。地縁血縁の薄かったこの町で、小学校を舞台にした住民のさまざまな活動が繰り広げられている。大人やお年寄りが年じゅう学校に出入りして、自分の楽しみやサークル活動にいそしむ。学校の授業や行事に進んでまざり、教師や子どもたちと協働でつくり上げる。開かれた学校は、子どもも大人もお年寄りも皆顔見知り。学校と地域が融合して、寝に帰る場所から暮らす地域に変わり、安心安全のコミュニティーづくりや人づくりが行われて、子どもたちが安心して暮らせる町の基礎となっていく。住民自身が楽しみながら住民の手によって町をつくる。大いに示唆に富んだものでありました。  さて、私はこのほど赤堤に引っ越しをいたしました。赤堤に越して感じたことがあります。私の子どもは小学校五年生。引っ越しと同時に今回赤堤小学校に転校いたしました。子どもにとっても初めての転校ですので、親としても心配をしておりました。赤堤小学校の校長先生からは、周りは企業の社宅も多く、毎年転校生も多いとのこと。その後、子どもが持ってくる学校からの手紙の中に、数多くの地域の取り組みの手紙が参ります。小学校内の赤堤生涯学習センターの取り組みの状況が見えてまいりました。習志野市秋津での取り組みがここ赤堤でも展開されていることに気づき、大きな喜びでもありました。  小学校を拠点として地域の数多くの方が知り合える仕組み、地域の子どもたちを地域が見守り、はぐくんでいる、住民のだれしもが安心安全で暮らし続けたい、条件は一人一人違っていても住民の思いは同じであります。住民自治の仕組みが住民の手によってつくられる、東の秋津、西の赤堤とも言える地域コミュニティーづくりを区はどのように評価されているのか、伺います。  世田谷区は、新たにまちづくり出張所をつくり、住民参加のまちづくり等を考えられています。いかに形が変わったとしても、今と同じ視点で考えていては何も変わりません。住民参加と言われていますが、総合支所も出張所も住民自治のあり方を現場に学ぶことも重要と考えます。智の源泉は現場体験にありとの言葉もあるとおり、支援をする姿勢で上から見るだけでは何も変わりません。地域の安全も次世代の育成も、住民自治の現場の動きを教育の観点だけでなく区は情報をキャッチする仕組みをつくることが重要であると考えますが、いかがでしょうか。  区は、学校を拠点とした地域コミュニティーづくりをどのように進めるお考えか、伺います。  赤小では、学校の教師も地域の方と一緒になって地域づくりに参加しています。しかしながら、教員は気がつくと異動されてしまい、せっかくつくったコミュニティーも停滞してしまう懸念があります。教員の人事権の区移管は、学校でも地域でも重要な課題であります。このことは、昨日の我が党の代表質問にも取り上げさせていただきましたが、私からも強力に推し進められますよう要望するとともに、今後もさらに取り上げてまいりたいと思っております。  最後に、区内大学との連携について質問いたします。  六月一日より区内四大学との連携でせたがやeカレッジが開講されました。世田谷区の貴重な財産でもあり、豊かな知識資源でもある区内大学との連携強化については、前回の一般質問で述べさせていただいたとおり、重要な施策であります。今回、だれでも受講できるシステムを開始されたことに対し大いに評価するものであります。  そこで、今後のせたがやeカレッジの運用について伺います。  知識や趣味の分野のみならず、今後、子ども向けや青年向けの講座や企業からの発信などのプログラムについても組み入れることはいかがでしょうか、お考えをお聞きします。  区内の大学を生かす施策は多岐にわたりますます重要であります。前回に引き続き、その後の区内大学との連携強化についての状況をお伺いいたします。  以上、壇上よりの質問を終わらせていただきます。(拍手)
    ◎秋山 在宅サービス部長 痴呆予防プログラムの実施状況の結果と今後の全区展開についてでございます。  急速な高齢化が進む中で、痴呆にならないで高齢期を過ごせることは、区民だれもの願いです。要介護高齢者のほぼ半数に痴呆の影響が認められるという状況などから、痴呆予防事業に関する区民の関心は非常に高いものがございます。  現在、世田谷区では、平成十四年三月より東京都老人総合研究所の協力により、痴呆の発生率低減や発症の遅延化を目指した地域型痴呆予防プログラムを北沢地域をモデルとして開始いたしました。その後、砧、烏山地域に拡大いたしまして、きょう現在、二十四グループの痴呆予防プログラムが展開され、参加者は実人員で二百二十名に達している状況でございます。  玉川地域におきましても、大学や地域のNPO等の協力を得ながら具体的な実施に向けて現在準備を進めているところでございます。今後は、世田谷地域に拡大をし、全区で実施していく計画でございます。  次に、学習療法に対する区の考え方でございます。  今述べましたように、世田谷区が現在取り組んでおります痴呆予防プログラムは、旅行や料理などの計画性が必要な趣味のグループ活動と、ウオーキングなどの有酸素運動を通して脳の前頭葉などの血流や代謝をよくして、痴呆になりかけたときに低下する注意力や計画力などの認知機能を鍛えることを目的としたプログラムでございます。また、お話のありました東北大方式の学習療法も痴呆予防として注目をされておりまして、世田谷区で実施しているプログラムと同様に前頭前野機能の維持改善を図るものというふうにされておりまして、区としても大変興味を持っております。  痴呆予防の手法につきましては、その実績をもとにした有効性の検証や評価結果を踏まえた上で、対象となる高齢者はさまざまな方がいらっしゃいますので、今後は学習療法も痴呆予防のメニューの一つとして検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎長原 世田谷総合支所長 私からは、痴呆予防に関しまして国士舘大学のハイテクリサーチセンターのお話がございましたので、お答え申し上げます。  国士舘大学では昨年、文部科学省の補助事業の一つでございますハイテクリサーチセンターを開設いたしまして、高齢者健康増進システムの研究を始めております。この事業につきましては、これまで世田谷保健福祉センターで国士舘大学と情報交換を重ねまして、区で実施している介護予防事業、あるいは健康づくり事業との連携の仕方を協議しているところでございます。特に、大学に設置されました光の生体透過性を応用した機器、これは光トポグラフィーという名前のようでございますが、この機器では脳の活性状況を簡便に測定できますので、介護予防、痴呆予防事業等の有効性の科学的評価、あるいは新たなプログラム開発に大いに役に立つものではないかというふうに考えております。  今後、これらの事業での活用に当たりましては、対象者の選定等幾つかの課題がございますが、今後、国士舘大学や他の研究機関とも連携、協働した事業を実施しながら、高齢者が心身ともに健康で自立して暮らせるような事業を一層推進してまいります。  以上でございます。 ◎真野 北沢総合支所長 私からは、地域のコミュニティーまちづくりについて二点ご質問をいただきましたので、お答え申し上げます。  まず、赤堤小学校の地域コミュニティーづくりを区はどのように評価しているかということでございます。  議員ご指摘のように、赤堤小学校を拠点といたしました地域コミュニティー活動は非常に活発に行われております。代表的な例といたしまして、地域で活動する団体が参加いたしまして、この六月十九日に開催されます「ふれあいサンデー」がございます。「ともだちつくろう」をテーマに、家族、地域で楽しめるイベントとして地域に定着してきてございます。また、学校協議会地域防災分科会の主催によりまして避難所マニュアルが整備され、サバイバル体験や防災フォーラムが行われるなど、災害時には避難所となる小学校の役割に焦点を当てた活動も活発に行われております。  赤堤小学校のこうした活動は、日ごろそれぞれのテーマを持って活動する団体が小学校を拠点に集まり、地元町会の協力も得ながら企画、実施することで、団体相互、町会相互、団体と町会との連携が生まれ、地域の活性化につながっており、区といたしましても地域コミュニティー育成の立場から高く評価しております。今後とも住民の方の主体性を尊重しながら必要な支援を行い、地域コミュニティーの活性化を進めていきたいと考えております。  次に、学校を拠点としたコミュニティーづくりをどのように進めるのか、区の考えをということでございます。  地域では区民の方々がさまざまな活動を行われておりますが、そうした活動を地域のコミュニティーづくりにつなげていくためには、それぞれの団体の連携を進めていくことが不可欠でございます。そのためにはまず、地域のさまざまな団体の情報を集め、情報交換と交流の場をつくっていくことが必要となります。具体的には、身近なまちづくり支援拠点であります出張所を中心としたさまざまなまちづくりの相談に乗る中で、地域の人材を掘り起こし、情報を集めていくことが望ましいと考えております。  また、議員ご指摘のように、小学校は徒歩圏内であり、子どもを中心にあいさつを交わす人間関係があり、また、災害時の避難所ともなる小学校を拠点とすることは、安全安心なまちづくりを推進する上で大変意味のあることと考えております。  こうしたことから、区民の活動状況の把握と小学校を拠点としたコミュニティーづくりは地域コミュニティーづくりの重要な課題の一つであると認識しております。現在進めております出張所改革の中で念頭に置いてまいりたいと考えております。  また、赤堤小学校で見られるような先駆的な事例をよく研究し、今後も地域コミュニティーづくりを進めてまいります。  以上でございます。 ◎庄司 教育次長 せたがやeカレッジの今後の展開についてお答え申し上げます。  せたがやeカレッジは、区内大学と区教育委員会が連携して去る六月一日に開講した、インターネットを活用した生涯学習講座でございます。現在、登録会員が八百人を超えました。これは、パソコンなどを介して勉強を行ってきた、いわゆるeラーニングに対する区民ニーズの大きさをも示してございます。  今後、順次新しい講座を開設してまいりますが、その際、より幅広く魅力ある講座をふやしていくため、現在、四大学ばかりではなく、区内の他の大学や企業、NPOなどに幅広く働きかけてまいります。既に青少年向けのインターネット事業を展開している区内事業者や大手の企業なども含めて、各方面から打診をいただいております。そうしたことから、お話しのような子ども向けの講座やビジネス関連の講座など、多様な展開の可能性が広がっていると認識しております。今後とも、これまでになかった新しく大胆な発想に立って、区民の期待と学習ニーズにこたえてまいります。  以上です。 ◎髙山 教育政策担当部長 区内大学との連携につきまして、その進捗状況ということでご質問をいただきました。お答えいたします。  区立の小中学校におきまして区内大学が持つ専門性や教育力を生かすことは、区立学校を活性化し、児童生徒の学習意欲を高める上で極めて有意義なものであると考えてございます。昨年度は日本大学文理学部による科学実験フェア、東京農業大学の環境教育支援セミナー、武蔵工業大学のパソコン指導等、区内大学の協力のもとでさまざまな講座を実施してまいりました。今年度におきましても大学との連携協力を一層強めまして、新たな事業として土曜日を中心とした中学生の課外講座をスタートする予定でございます。  また、先ほど教育長がご答弁申し上げましたように、今月には区内の大学、短期大学の学長との懇談会も開催されますので、より緊密な連携を区内大学に対しお願いしていきたいと考えているところでございます。  世田谷区にとりまして、区内大学の持つ教育力や教育資源を生かしていくことは大変重要なテーマでありますので、今年度策定する教育ビジョンでも、学生による部活動の支援や学級担任のサポート制など、区内大学との新たな連携の仕組みを検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆十八番(高橋昭彦 議員) 力強い前向きの答弁をいただきまして、ありがとうございます。  さらに今後充実されますように念願しております。ありがとうございました。 ○宍戸教男 議長 以上で高橋昭彦議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後零時二分休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○宍戸教男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続けます。  二十六番あべ力也議員。    〔二十六番あべ力也議員登壇〕(拍手) ◆二十六番(あべ力也 議員) 質問通告に従い、順次質問してまいります。  まず初めに、町会、自治会を中心としたコミュニティーの再生という視点から伺います。  世田谷区においては、かつてない大改革と言ってもよい出張所改革がこれから行われようとしておりますが、出張所と一緒に二人三脚で地域の発展に努力し、区政への積極的な協力を長年にわたり継続してきている町会、自治会の存在は、これまで以上にその役割の重さが増してくるものと思われます。区民一人一人の価値観や考え方、生活スタイルなどが変化する中で、NPOを初め新しいタイプの区民活動が芽生え、育ち始めておりますが、地区を挙げてのまちづくりを進めていく上で、町会、自治会はなおかなめとしての役割を担うべき立場にあります。  その一方で、町会、自治会に内在する、ある意味で深刻な問題があることも事実であります。最近の新聞の投書によりますと、毎年四月には大方の自治会、町会で総会が行われ役員が交代するが、自治会のあり方や役員のかかわり方がこのままでいいのだろうかと考える。その最たる理由が、役員のなり手がいないということだ。必然的に順送りの輪番制になるが、それぞれの家庭には、重病人や要介護者がいたり、幼児の育児に追われたりといった事情もあるが、役員を断るにもかなりの勇気が必要で、負い目も伴う。そこで、自治会の役割自体を見直してはどうだろうかという内容のものでありました。  私はこの記事を読んで、世田谷でも同じことを感じている人は多いのではないかと思いました。伸び悩む加入率や若手会員の不足に伴う後継者難の問題など緊急な課題があり、真剣に議論する時期に来ているのではないかと考えるのは私だけではないと思います。この状況が続けば、町会の活力が低下し、区政にも大きな影響があります。日本都市センターが行っている調査を見ても、町会、自治会の活動は、行政機関との連携や陳情、各種広報資料の配布、美化清掃活動、各種募金への協力、集会施設等の維持管理、各種調査への協力、文化・スポーツ活動など区政と関連したものが非常に多いことがわかります。  区は多様な手法で支援を行うと言われておりますが、もっと具体的に目に見える形で示せないかと考えます。例えば、事業によっては資金援助が必要なものもあり、事業ごとに支援体制の精査をしなければならないものもあると思われますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  町会、自治会がみずからの問題として積極的な努力をすべきことは当然のことではありますが、大都市特有の事情もあって、一気に改善を図ることは極めて困難であり、任意団体だからという理由でこれまでのように自助努力に期待するだけでは問題の先送りにしかならないと思います。  世田谷区は、町会、自治会を区政運営の大切なパートナーとして位置づけ、支援をされていますが、今後、指定管理者制度なども視野に入れ、町会、自治会の自主性、自立性を最大限尊重する中で、財政援助にとどまることなく支援の方法を検討していく必要があると思いますが、どのように町会、自治会を核としたコミュニティーの再生に向けて取り組んでいくお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。  次に、図書館の運営について伺います。  私は、平成十二年第三回定例会の一般質問で図書館事業について取り上げ、目覚ましい進展を遂げる情報社会や多様化する区民ニーズに対応していける取り組みを進めていくことを提案いたしました。その中では、日本一の図書館を目指して図書館の機能強化に取り組んだ浦安市の図書館を紹介し、地域の財産になるような質の高い情報収集と蓄積の機能を持つ図書館を目指すことが重要だと指摘いたしました。  それに対し、区では従来の図書提供を中心とする図書館サービスのあり方を見直し、これまでの生涯学習の場としての役割に加え、国や都、他都市、大学図書館などインターネット接続を視野に入れ、多様な区民ニーズにこたえられる情報発信拠点の役割を担っていけるような区立図書館の今後のサービス提供を目指していくと、当時の津吹教育長からの答弁でありました。あれから四年近くが経過し、この間、企業や家庭でのIT化も進み、社会環境も変化してきましたが、区の目指す図書館サービスはどこまで改善されてきたのか、現状を伺います。  世田谷区の図書館は、中央図書館を初め地域図書館が十四館あり、年間の開館日数も祝日を含めて中央図書館で平成十五年度実績三百三十九日、地域図書館も三百日と充実しております。開館時間も、平日で夜の七時まで開館されるようになりました。また、図書館業務は、カウンター業務のほかレファレンスや蔵書の点検など煩雑なことも多く、手がかかることから、職員も三百人以上が配置されておりますが、この内訳は半数が非常勤職員になっています。図書館の運営経費は、施設の維持管理、資料購入費、人件費、システム管理費などがかかっておりますが、人件費に関しては図書館運営経費の大きな部分を占めていると思います。この点についてはどのようになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。  最近、二十三区の中では、図書館サービスの充実を考え、サービス業務を民間委託し人件費の節減を図るとともに、厳しい財政状況下の図書資料購入費を確保し、さらに新たなサービス業務を展開しているところがふえてまいりました。平成十三年より都内十一区約六十三館が外部委託されております。中野区では、平成十六年度から区立図書館の八館すべて民間委託に切りかえ、これまで図書館運営費の八割を占めていた人件費を二億四千五百万円削減することができたとのことであります。その上、サービスの内容は現状に加えて、図書館の開館日は三十日近くふやし、開館時間も平日に加えて日曜日も夜の八時まで延長するなど、図書館サービスを向上させることができました。また、地域図書館についても、休館日を月曜日に固定するのではなく、地域によって曜日を変更することやそれぞれ地域の特色も出せるような運営工夫が行われております。品川区では、平成十六年、十七年で区立図書館の十館すべての民間委託が予定され、大田区、足立区など他の区でも民間委託する動きが出てきております。  これからますます図書館サービスに対する区民ニーズが多様化する中で、その要望にこたえていくためには、運営コストを抑えて、その削減したコストによりサービスの充実を図っていく必要があります。こうした公共サービスにおけるアウトソーシングは時代の要請であり、有効と考えますが、他区の民間委託への動きをとらえて我が世田谷区としてはどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎青木 生活文化部長 町会、自治会に関するご質問を二点ほどちょうだいいたしました。  まず、町会、自治会の多岐にわたる活動に着目した支援ということでご答弁を申し上げます。  現在、区では安全安心まちづくりを進めておりますか、それには地域の皆さんの協力が不可欠であると考えております。地域社会の核としての町会、自治会に対しましては、例えば法人化に向けた取り組みを支援して町会、自治会の基盤を強化する、このようなことも行ってきております。本来、まちづくりの主役は地域の皆さんであり、いわゆる住民自治を実現していく上で今後町会、自治会の役割はますます重要になってくる、このように認識をしているところでございます。  今後の支援のあり方につきましては、現在、町会、自治会への補助要綱の見直しに着手しておりますが、ご指摘の視点に立ち、具体的な事業の内容を精査し必要な支援を行っていく、そういう姿勢で対応していきたいと考えております。町会、自治会への支援の充実につきましてはさらに努力をしてまいりたいと思います。  次に、町会、自治会の抱える課題を解決することでコミュニティーの再生をというご質問にご答弁をいたします。  区内には現在約二百の町会、自治会が組織され、防災、防犯、清掃・リサイクル、青少年の健全育成、各種募金など多岐にわたる活動をしていただいており、良好な地域社会の形成に欠かすことのできない存在であると思います。また、区政の各分野における協力を含めますと、区政のすべての分野に通じており、よりよい地域環境をつくるためにも、町会、自治会を中心とする区民の自主的活動と区政との協働は不可欠なものであると考えております。  区ではこれまでも町会、自治会の自主性、自立性を尊重しつつ、出張所を中心にさまざまな支援を行ってきておりますが、地域コミュニティーが希薄になっている今日、町会、自治会を中心とした自主的活動団体の役割は重要であり、今後も区として一層の支援が必要と考えております。  大都市特有の事情という点に触れられましたけれども、町会、自治会への加入率や後継者などさまざまな課題があることは事実で、町会総連合会も重点課題として積極的に取り組んでおられます。  指定管理者というお話もございました。これは提案として受けとめさせていただきますが、今後、区として協力あるいは支援できるものにつきましては、町会、自治会の自主性を大切にしながら可能な限り取り組み、コミュニティーの再生、活性化を図ってまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎庄司 教育次長 図書館の運営につきまして三点ほどご質問をいただきました。  まず、図書館サービスの改善についてでございます。  ご質問にありましたように、昨今の高度情報化社会、生涯学習としての区民ニーズの多様化の要請から、図書館の果たす役割はますます重要なものとなっております。まず、情報化への対応といたしまして、区は平成十四年度に高度情報通信基盤を整備した際、図書館の情報ネットワーク化を推進し、同年八月には中央図書館にインターネット端末機を設置いたしまして、ITサポーター、これは使用方法を指導するボランティアでございますが、これらを活用いたしました区民利用サービスの拡大を図ってまいりました。また、十五年二月には図書館ホームページを開設し、図書館の利用案内や蔵書案内を行うとともに、同年六月には自宅のパソコン等から図書の予約受け付けを開始いたしまして、その結果、予約数や貸出数が増加するなどの成果を上げているところでございます。  一方、開館時間につきましては、地域館を含めて土曜日、日曜日を七時まで開館延長することで利用者のニーズにこたえてまいりました。さらに、子どもの読書活動推進法施行に伴い、読み聞かせや出張お話し会など子どもサービスの拡大を積極的に行い、顕在化する子どもの読書離れの問題への対応、これらを図ってまいりました。  次に、図書館の人件費についてのご質問でございます。  図書館サービスにかかる費用は、ご質問にありましたように、資料購入費やシステムの維持費用、施設の保守管理にかかる経費、これらのほかに人件費の占める割合が多いことは、ご指摘のとおりでございます。この間、区では定員の適正管理の観点から人件費の抑制に努めまして、平成十四年六月の開館時間延長に際しましても常勤職員を十四人削減いたしまして、非常勤化を進めてまいりました。その結果、現在では中央図書館、地域館合わせて三百三十三人の職員となり、内訳は常勤職員百八十三人、非常勤職員及び再任用職員百五十人となっております。  なお、業務内容は、窓口業務のレファンス、貸し出しなどに加え、選書、図書の購入、子どもなどの事業の企画、実施などさまざまなサービスを行っております。  次に、図書館の委託についてのご質問でございます。  図書館サービスは、的確な選書や資料の管理、貸し出しなど、人によるサービスが大きなウエートを占めております。これまで行財政改善の視点から人件費の抑制に努めてまいりましたが、それもおのずから限界があろうと存じます。本年二月の世田谷区政策評価委員会全事業点検報告の提言では、図書館の維持管理等についてはさまざまな民間委託手法について検討すべきである旨のご指摘を受けております。他の自治体の委託情報を十分に収集し、区の図書館の業務を分析する中で、今までのサービスの低下を来さないで改善する方策を探っていきたい、このように考えております。  以上です。 ◆二十六番(あべ力也 議員) 町会、自治会に関しましては、さまざまな課題がありますけれども、区とのよきパートナーシップを再構築できるようにさまざまな検討をしていっていただきたいというふうに要望しておきます。  また、図書館の民営化についてでございますけれども、今ご回答の中にも政策評価委員会から方向性が示されているということでございますけれども、今後、民営化された他区の図書館の状況なども調べる必要があると思いますし、第二十六回の中教審の生涯学習分科会、また、文部科学省社会教育課の担当室長の話によりますと、図書館も公の施設として指定管理者制度の対象となるが、これまで文部科学省は、法律上必置が求められている職員については、社会教育法等の規定を踏まえて教育委員会の任命が必要であるとの立場をとってきたが、地域からの具体的な要望等を踏まえ、今後は、教育委員会の任命を行わずとも民間への全面的な管理委託が行えるよう、必要な検討、手続を経た上で明確に周知していくというような見解が出ておるということでございますので、民間委託、指定管理者制度それぞれの区に合った検討をしていただいて、コストを削減して、区民へのサービスを向上させていっていただきたいというふうに要望しておきます。  以上で終わります。 ○宍戸教男 議長 以上であべ力也議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、二番畠山晋一議員。    〔二番畠山晋一議員登壇〕(拍手) ◆二番(畠山晋一 議員) 質問通告に基づき、順次質問してまいりたいと思います。  初めに、世田谷区の環境対策について。  平成十三年十一月に、世田谷区は多くの自治体と同様に、環境対策の一環として国際評価機関のISO14001を認証取得いたしました。この取得に向けての努力は大変なことだったと思いますし、多くの財源がかかったと聞いております。取得後の活性化として多くの成果が出てきております。現実に、電気、ガス、水道のむだ削減の取り組みで、財源的にも平成十二年から十四年までの三年間で四千五百万円の削減となっております。  しかし、環境対策というのは、我々人類が産業革命以降に便利さと引きかえに背負わされることになった、永久に継続しなければならない努力課題となっております。ですから、現代の紙ごみ、水道、ガスや電気などに対する削減努力は極めて当然のことなのであります。  日本でも近年、世界基準の観点から、民間企業を初め各省庁、自治体がISOなどの環境評価機関の認証取得を始めました。自治体では、平成十年一月に千葉県の白井市を皮切りに、現在三百近い省庁、自治体が登録して、すごい増加傾向になっております。ようやく当然のことを当然のように行える基礎部分がたまたまISOによって構築し始めたのであります。  しかし、残念ながら、一部の自治体では認証取得後は環境評価専門コンサルティング会社の委託にすべてを任せ切ってしまっている自治体があることは否めません。現に世田谷区でも年間三百万円のコンサルを行っておりますが、そういった問題のある自治体ではないと信じております。  しかし、これからの環境対策はもっと経営の視点が必要となってまいります。例えば、世田谷区の一年間使用する紙資源が一〇〇あるとします。これをゼロにすることは到底無理なことではあるんですが、ISOでは、この一〇〇ある資源のうち目標立てて減らした数値をチェックするだけのむだ省きの審査をする国際機関なのであります。しかし、こういった二〇のむだの削減をすることはもう当然の努力課題なのでありますから、それよりも活用された八〇の紙資源を例えばすべてリサイクル紙にかえたとか、その紙資源を購入した企業が環境に対する社会的責任を明確にしている企業から購入した、そういった経営の観点からの有益な取り組み努力がこれからの環境対策には重要なのであります。  こういった観点から、ISOの認証取得も多いなる称賛ではありますが、ISOで世界的に取り組まなければならない環境対策に満足するのではなく、日本古来、江戸文化などに見られるように、風が吹けばおけ屋がもうかるといった循環型社会をもう既に実践していた風土がある我が国ですから、現在、日本独自のさまざまな環境評価機関が誕生しております。ISOに縛られず、日本独自の環境評価機関にも着眼する必要があると思います。  同時に、例えば我が区独自の代沢地区などで積極的に行われております環境対策エコライフ活動を基準にした取り組みをもっと全区的に広めるとか、我が区の独自性や地域性を発揮した環境対策にもっと力を入れる必要があると考えます。  ISO14001のみならず、さまざまな環境評価機関を把握、理解し、時代に適応したものを取捨選択する努力義務が必要と考えますが、いかがでしょうか。世田谷区の見解をお聞かせください。  すべての施策が環境に結びついていると言っても過言ではないと思います。どうぞそういった覚悟や意気込みのある答弁をお願いしまして、次の質問に移ります。  続きまして、道路整備中間報告の現況と進捗状況についてお伺いします。  世田谷区は、道路基盤や駅前広場整備の遅延から、例えば下北沢などの魅力ある町の活性化にマイナスの影響を及ぼしてまいりました。どんなすばらしい道路事業、どんなすばらしいまちづくり事業も、やるのかやらないのかはっきりと明確でないことが地元住民にとってどれほどの迷惑をもたらすか、生活基盤が揺らぐほど大変不安なことであります。  その中で、熊本区長の区内道路事業のスピードアップへの取り組みは、今までないがしろにしてきた事業や路線を重点的、集中的に取り組み、早期完成も目指すものであり、これまでおくれがちであった世田谷区の基盤整備に確実な成果をもたらす有効な事業であります。  ことし一月の第一回定例会において、我が会派の代表質問に対する答弁の中で、道路整備方針の中間見直しの方向性といたしまして、区部における都市計画道路の整備方針との整合を図りながら、地域のまちづくりの進展状況等を考慮いたしまして主要生活道路の優先整備道路の選定とスケジュール等を明らかにさせるなどの答弁がありました。  その後、三月には、区部における都市計画道路の整備方針は策定され、四月の都市整備常任委員会において示されました。区民が大きな期待を寄せる道路整備方針です。現在、世田谷区はその中間見直しについて検討状況はどのようになっているのか、また、今後、計画の予定がどのようになっているのか、スケジュールがどのようになっているのか、答弁を願います。
     続きまして、動物行政につきまして何点か伺いたいと思います。  初めに、昨今の鳥インフルエンザ、コイヘルペス、米国でのセミの異常発生など、動物の突然変異による人間に与える危害は予測が難しく、かつ、はかり知れないものであります。そういった状況におきまして、昨年十月現在で区内の幼稚園、小学校を調べましたところ、ウサギなどの哺乳類が二百二十二匹、鳥などの鳥類が二百三十二羽、そのほかのカメなどを合わせると四百六十三匹が飼育されております。今回問題なのは、この総数はつかめていても、この四百六十三匹の中で、いつ、どこから、どのようにその幼稚園や小学校で飼育されるようになったのか、個体管理ができていないのであります。  今後、予期せぬ動物による危機を回避するためには、台帳作成などの個体管理が早急に必要であります。このことについての世田谷区の考えと対策の答弁をお願いいたします。  今回の長崎の同級生の殺害事件を通して、子どもたちの多くの課題が具現化されてきました。対策はいろいろとありますが、今回は動物行政の観点から小動物などによる情操教育の一層の促進が必要と考えますが、世田谷区としてはどのように考えているのでしょうか。  実は、先日、知人の親子が電車のシルバーシートに乗っているところ、その赤ん坊がぐずり始めました。閑散としている電車の車内ではあったんですが、突然ぐずり始めた赤ん坊に対して、十八、九の女子学生が、赤ちゃんがうるさいんだから、あんた電車をおりなさいよと詰め寄ってきたそうです。母親はただ驚愕して返答もできなかったようです。周囲の方も、ただただ返答に困っている状況でした。  この話を聞いて私も驚愕するとともに、現実として、さきの事件のように、自己にとって嫌な存在や邪魔な存在は簡単に傷つけたり殺しかねないといった実態があることに本当に驚きを隠せません。問題の解決には、子どもたちが成長する過程において他人と接する社会的な経験、例えば少子化による子どもたちとの接点や、子どもたちが一年生から六年生においてずっと同じ子どもたちと接することによる社会の少子化、そして核家族によるお年寄りとの接点が余りにも少なくなってしまっているということによる狭められた社会構成が自己的な物の考え方の発展につながりかねないということに、私自身は問題を感じているところであります。  そこで、せっかく動物が飼育されている各幼稚園、小学校でありますから、飼育動物の管理は、動物が好きな子でも、嫌な子でも、子どもたちにとって生死に対する喜怒哀楽を最も現実的に学べるすばらしい教育手法と考えますが、世田谷区はどういった取り組みになっているでしょうか。  同時に、情操教育の重要性を教えるのは教師自身です。しかし、教師自身が動物に対する知識の希薄さから子どもたちに不安を与えかねません。教員自身の知識向上のためにも専門家との勉強会が必要と感じますが、世田谷区としてはどのように対応しているのでしょうか。ご答弁を願いまして、私の壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手) ◎板垣 環境総合対策室長 議員から、環境対策の全般についてのご質問をいただきました。  ご承知のとおり、平成十三年にISOの認証を取得しまして、全庁的に省エネルギーを初めさまざまな環境マネジメントの取り組みを進めてまいりました。この間、日常業務の取り組み等は順調に進みまして、昨年の定期審査におきましても審査機関から高い評価をいただいたところでございます。今年度は、認証取得後三年が経過しますので、初めての更新審査を受審することとなりますが、それにあわせまして環境マネジメントシステムを拡充する方向で現在見直しを進めているところでございます。  また、環境配慮対策の取り組みにつきましては、お話にありましたように、ISOの認証取得のほかにも手法があることはご指摘のとおりでございますので、その点の研究、検討も含めまして、今後も引き続き職員の主体的、自発的な取り組みによりまして一層の改善拡充を推進してまいりたいというふうに考えてございます。また、世田谷区の独自性や地域性にも考慮した環境対策に取り組んでいきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  以上です。 ◎栗下 道路整備部長 道路整備方針の中間見直しについての質問にお答えいたします。  初めに、現在の検討状況はどうなっているかについてお答え申し上げます。  ご案内のように、道路整備方針は平成十二年度に改正されて以来、ことしで五年目でございます。このことを受けまして庁内検討会を立ち上げまして中間の見直しの作業を行っているところでございます。現在、都市計画道路につきましては、お話にございましたように、本年三月策定の区部における都市計画道路の整備方針で選定されました区施行区間が約九キロございます。この九キロのうち平成十七年度より五年間で着手する区間の年度ごとの整備スケジュールを、また、主要生活道路につきましては、新たに優先的に整備する路線を選定するための検討を行っているところでございます。  具体的に申しますと、区部における都市計画道路の整備方針との整合を図りながら、地区交通ネットワークの形成や駅周辺のまちづくり計画との整合、密集市街地における安全性の向上等の視点に立った検討を進めているところでございます。  次に、今後のスケジュールでございますけれども、ただいま申し上げました検討結果を踏まえ、議会はもとより交通管理者等にも意見を伺い、まずは計画整備案を作成してまいります。この案ができた段階で八月中には区の広報やホームページ等で区民等にお知らせし、ご意見をいただいてまいりたいというふうに考えてございます。  世田谷区の道路整備を計画的かつ効果的に推進していくために、早期に中間見直しを行い、スピードアップ路線を初め着実な道路整備に取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◎庄司 教育次長 動物行政についての個体管理についてご質問がありました。  教育委員会では、学校現場で動物の適正な飼育を行うために、小学校における小動物飼育の手引を全校に配布し、飼育環境の整備、児童への感染症対策、衛生管理等に配慮するよう指導しております。飼育動物につきましては、生まれた場所、引き取った時期など、それぞれの履歴があります。また、病歴につきましては、万が一のとき感染経路を明らかにするためにも個体ごとに記録管理をしておく必要があると考えます。したがいまして、昨年度に引き続き、飼育動物に関する学校への巡回訪問により個体管理の指導を行っておりますが、個体ごとの台帳管理を学校で実施するなど工夫を図るよう、各学校へ働きかけてまいります。  以上です。 ◎髙山 教育政策担当部長 小動物の飼育活動を通じまして生命尊重の態度を身につけることは大切であるというご質問をいただきました。お答えをいたします。  生命尊重の精神や生命に対する畏敬の念をはぐくむことは、小中学校がすべての教育活動を通しまして取り組むべき大変重要な課題であると考えております。各学校におきましては、生活科や理科といった科目を通じまして生き物に親しむことから始めまして、生命を愛護し尊重する態度を段階的に育てる学習が行われております。特に小学校では、特別活動の中で小動物の飼育を行うなど体験的な活動を実施している学校も多くございます。  しかしながら、現在の子どもたちは、テレビ番組等の影響もございますが、命の重さに対する感性が希薄化しているような実態もございます。このことからも、小動物を飼育することなどを通しまして、命のたっとさを体験的に学ぶことの意義はますます重要であると考えております。  区教育委員会といたしましては、適切な動物飼育のあり方や教科指導について、特にお話がありましたように教員に対する研修などを充実させるとともに、専門家など地域の人材を活用することも視野に入れまして、各学校での生命尊重の教育が一層推進されるように、これからも努力してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆二番(畠山晋一 議員) それぞれの、環境のことについても、道路のことについても、教育のことについても即効性、スピード感のある、時代に即応した対策をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○宍戸教男 議長 以上で畠山晋一議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、三十五番田中優子議員。    〔三十五番田中優子議員登壇〕(拍手) ◆三十五番(田中優子 議員) 通告に基づき、順次質問してまいります。  まず初めに、預ける理由を問わない一時的保育サービスの必要性についてですが、具体的な提案に入る前に、その前提となる福祉全体の考え方について伺いたいと思います。  保育も介護も障害者施策も、これまでの措置制度から契約・利用制度へと変わり、救済的な考え方から始まった福祉施策が、社会状況の変化とともに質の向上が求められ、サービスとして構築されてきています。さらに言えば、例えば、他の自治体で女性専用外来が大変好評を博しているように、あるいは介護の現場においておむつ交換など、女性は女性の介護士にやってもらいたいという同性による介護が希望されるように、今後福祉サービスに期待されることとして、ただ必要なサービスが施されていればいいということでは済まされず、心のケアを伴うようなより繊細なものが求められている時代になっているのではないかということを感じます。それに対して区はどのようにお考えか、お聞かせください。  次に、その繊細なサービスということに関連して、子育て支援の具体的な施策に移りますが、預ける理由を問わない一時的保育サービスを実施してはどうかということを一昨年に引き続き再び提案いたします。  子育て支援、保育サービスは、主に仕事を持つ女性への支援に結びついていました。今でも保育園の待機児が九十名出ているということについては早急に対応し、解決を図っていただきたいと考えます。  一方で、在宅で子育てをしている方々への支援も決して見過ごすことのできない重要な課題です。特に、今の社会状況は、地域の力、家庭の力が危機的に弱くなっています。家庭の問題が深刻ということがあちこちで言われていますが、先週、佐世保市で起きた小学生による児童の刺殺事件、次から次へと報道される子どもの虐待死等々、昨今の事件やニュースを見ていますと、社会がおかしくなっている背景には家庭力の低下というものが大きく影響しているのではないかと感じます。  このことを指して、今の若い人たちはわがままだとか、もっと家庭がしっかりすべきだとか、我慢が足りないと言って切り捨てることは簡単ですが、それでは問題は解決しません。昨今の事件報道を見ていれば、今はもうそんなことを言っている段階ではなく、さきに述べましたように、繊細な部分、心の内側に入ったケアで手を差し伸べることが必要である、そういったことを求めている人が相当数いる、そのことを認識すべきだと考えます。  そういう極めて現実的な認識から、まさに急がれる課題として提案に入りたいと思いますが、例えば在宅で子育てを専業にしている人にとって、ほんのひととき育児から解放されて休息できたらどんなに元気になれることでしょうか。この提案は、残念なことに世田谷区ではなく、品川区において実現しておりまして、今月からオアシスルームという名前の生活支援型一時保育が品川区では始まっています。つい先日、この制度の紹介と利用者の感想などが報道されていましたが、資格試験を受けようと思っているのですが、子どもがいるとまとまった時間勉強することができないので助かりましたという声を初めとし、歯医者、買い物、映画、美容院と理由はさまざまですが、大好評のようです。それらは子どもといい距離を保ってもらうために必要なことであり、気持ちを新たにして子育てに向かってほしいという、品川区のこの一時預かりをしている園長先生の言葉がとても印象的でした。  これは決して税金のむだ遣いの発想ではありません。毎日リフレッシュにお出かけくださいというような手厚いサービスを提供しろということではなく、子育て専業の人であっても、たまにはリフレッシュしていいんですよというきっかけづくりを行政として提供すべきではないかという提案なのです。  もし、もっと休息が必要だという人には、社会福祉協議会が行っているふれあい子育てのサービスにつなげるとか、あとは民間の保育室などのサービスを利用してもらえばいいわけで、ほんのひととき子どもと離れることで育児のストレスが解消され元気になれる、また、子どもと健全に向かい合える、育児が楽しく感じられるということを体験してもらい、無理して閉塞的な子育てを続けるよりは、休息してもいいんだ、自分の時間を持ってリフレッシュすることは罪ではないのだと思えること、そのきっかけを提供することこそが、育児ノイローゼや子どもの虐待を防ぐ、とても大切なことにつながると私は考えます。  場所の提供などを工夫して、人の手当てのために少しの予算を措置することで、世田谷区全体の子育て中のたくさんのお母さんたちの意識が変わり、救われれば、費用対効果を考えても十分評価に値する施策となると思います。それだけでなく、専門家である保育士さんの目で子どもや親を観察すれば、一時的保育で預かった子どもが何らかの問題を抱えているということも早期に発見することができるでしょう。そうしたきっかけづくりにも役立つと思います。さらに、これからの人の生き方については、もちろん男女を問わず、人生における自己実現と自分のための時間の確保はなくてはならないものだと考えます。  世田谷区では、トップがかわり、新たに子ども部というものが設置されました。施策がより区民のためになり、区民がありがたいと実感できるような行政サービスとなるよう期待されるところですが、そういう願いを込めて、改めて区の見解を伺いたいと思います。  次に、中学校の部活動について伺います。  私は、平成十二年六月議会において、部活動が抱える諸問題を指摘し、今後部活動をどのように支援していくのかということを質問しております。そのときは当時の津吹教育長から、検討委員会を設けて今後の部活動のあり方を検討するという答弁がありました。その結果、その翌年から外部指導員というものが制度化され、謝礼も予算化されたという経緯をたどってきました。今思うと、あのとき外部指導員制度を導入したことは大変な英断だったと高く評価いたします。それはつまり、部活動は学校の先生が指導してこそ効果があることなのだ、言いかえれば教員でなければだめであるという呪縛から解き放たれるきっかけになっていると思うからです。  今回、私は教育指導課を通して部活動の現状について全区立中学校に聞き取り調査をしていただきましたが、どの学校も何らかの問題を抱えており、大変苦労していて、外部指導員制度は高い効果と成果を上げているということがわかりました。  そこで、この外部指導員ですが、ぜひとも区内大学のやる気のある優秀な学生の活用を制度として導入できるようにしていただきたいと提案いたします。  実際、この春、ある中学校で外部指導員を見つけることができなければ廃部にするという話が出て、保護者が必死に指導員を探しているということがありました。そのときに、渡りに船というのでしょうか、学生を部活動に派遣しましょうと言ってくれる大学が見つかりました。しかしながら、現段階では区内の大学生の活用という区としてのシステムがないために学校とうまくつながらず、実現できなかったということがありました。これなどは本当に残念な話だと思います。  昨日の区長の招集あいさつにもありましたけれども、世田谷区としても大学との連携については、学長懇談会を開くなど積極的に行っていくということです。大学生という貴重な人材資源を活用させてもらえるようなシステム、制度というものを早急に構築し、外部指導員の強化を図るべきだと考えますが、教育委員会としての見解をお聞かせください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔山田助役登壇〕 ◎山田 助役 ただいま田中議員の方から、行政の福祉サービスのあり方として繊細な部分が求められる時代となっているのではないか、心のケアを伴うような福祉サービスの提供についてということでご質問をちょうだいいたしました。  私も、ただいまのご指摘については大いに共感するところがございます。人々の生き方や考え方が多様になる中で、自立した個人がお互いを尊重し合うことが、これからの社会にとって大変大切であると考えます。福祉についても同様の考えで臨むべきと思います。  福祉の分野に関して申しますと、社会福祉基礎構造改革が進む中で、従来の措置を基本とした与えられる福祉から、サービスを必要とする利用者が事業者と対等の立場でサービスを選択し利用するという仕組みに大きく転換してまいりました。ここで重要なことは、人権や尊厳を守ること、サービスの質の確保、権利擁護等、利用者の立場でのきめ細やかな心遣いであると思います。  現在の区の状況を申し上げますと、障害者施設では同性介護を基本としております。また、特養ホームでも利用者本位のサービスを提供するよう、きめ細やかな対応や接遇を心がけております。さらに、保育施設においても、個々の子どもや家庭の状況に応じた保育を心がけているところでございます。まだ必ずしもすべて行き届いているとは言えないかもしれませんが、さらに取り組んでまいります。  お話は貴重なご提案でございますので、今後の保健・医療・福祉分野の計画づくり、あるいは新たな施策づくり、職員の研修、日々の職務、事業執行の中で心がけていくことといたします。  以上でございます。 ◎田中 子ども部長 一時的保育サービスについてご質問をいただきました。  家庭や地域社会の子育て機能が低下し、子どもをめぐるさまざまな問題が深刻化している中で、子育て不安の解消や児童虐待の防止など、地域における子育て機能の再構築が必要という観点からさまざまな取り組みが進んでおります。  お話しの、ある区での生活支援型一時保育でございますが、一部の区立保育園で六月一日からスタートしており、仕事以外の理由で子どもを預けたい親のニーズにこたえるという育児支援事業ということでございます。利用日の一カ月前から予約でき、一日の定員は六人まで、一人の年間利用は五十日までで、午前八時半から午後五時までの間、一時間五百円でお預かりするものというふうに伺っております。  現在、世田谷区では、社会福祉協議会のふれあい子育て事業で、利用会員からの子どもを預かってほしいという申し出に、預かることのできる援助会員がこたえるという形でこうしたニーズに対応し実績を上げているところですが、今後、区が取り組んでいる一時保育事業や既存の保育サービス施設を活用しながら在宅子育て支援の多様な方策を検討、実施してまいります。  以上です。 ◎髙山 教育政策担当部長 中学校の部活動の衰退が問題になっている、支援を拡充すべきであるけれども区内大学との連携をもっと強めたらどうかというご質問をいただきました。お答えをいたします。  部活動は、魅力ある学校づくりを推進するために不可欠なものであり、生徒、保護者からの期待も大きいことから、学校生活の大変重要な活動と位置づけております。お話にありました外部指導員も、現在二百名を超える数を確保してございまして、部活動の充実、活性化に向けまして積極的に支援を進めてまいりました。  しかしながら、学校の小規模化、顧問教員の不足等から部活動は現在大きな壁にぶつかっているのも事実でございます。安定的、効果的な活動を確保するため、新たな支援、方策も必要となってきております。世田谷区内には日本を代表する体育系の大学やさまざまな文化系の学部を擁する大学が多数ございますので、大学との連携、協力関係を一層強め、各大学の持つ教育資源を活用させていただきまして、部活動の指導やサポート等、部活動の活性化を図るための方策につきまして今後とも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ◆三十五番(田中優子 議員) 一時的保育サービスについては検討を実施していただけるということで、大変心強く思いますので、できるだけ早く進めていただきたいと要望いたします。  それから、今後の部活動はどうなっていくのかということですけれども、学校現場をよくご存じの若井田教育長に伺いたいと思います。  私は、今のように外部指導員を派遣する、そして、子どもたちの活動を確保し保障していこうということは大変いいことだと思っております。しかしながら、ある種、対症療法的ですし、それが続いていけば、いずれ部活動は学校の教員でなくてもいいということになるのではないかと思うわけです。試合に参加するときの中体連の対応など諸課題はまだまだありますけれども、それも多分将来的には実態に即して変わっていくと考えます。  そのようにして、会派の代表質問でも触れておりますけれども、東深沢中学校を拠点に行われている総合型地域スポーツクラブ、こういうものに部活動がかわって、子どもたちの活動の場を地域の人々とともに保障していけばいいのかということも考えられますし、例えば、指導技術のある教員には、そこで一緒に地域の方とともにかかわってもらえれば、より学校との連携が進むとも思います。  一方で、競技スポーツとしてのハイレベルの部活に関しては別の形で残っていくのかもしれませんけれども、いずれにしても、こうした状況を踏まえて今後の部活動はどうあるべきかの展望を持たなければいけないのではないかと思いますが、それについての認識は教育長はいかがでしょうか、お聞かせください。    〔若井田教育長登壇〕 ◎若井田 教育長 お尋ねの部活動の展望についてでございますが、中学校における部活動は、中学生の人間形成、学校生活の充実、教員との信頼関係の形成という面に大きな影響を持つ活動でございます。歴史も長いことから、教員のみならず、子どもたち、そして保護者の間でも部活動に対する考えや意識を変えるということが難しい面があるようにも思います。  今後の方向性につきましては、中学校の教育全体の中における位置づけ、それから、今お話にありました小規模化による顧問の問題、そして、多様化して展開しつつあります地域のスポーツ・文化活動の実態等を考慮し、何よりも中学生自身の声も大切にしながら検討を進める必要があると考えております。教育ビジョンの中におきまして、中長期的な展望に立った部活動のあり方を検討する方策につきましてお示ししたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆三十五番(田中優子 議員) 以上で質問を終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で田中優子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、二十一番原田正幸議員。    〔二十一番原田正幸議員登壇〕(拍手) ◆二十一番(原田正幸 議員) 現在の特別区が抱えております自治権の確立につきましてのいろいろな数多くの法律の制約というものにがんじがらめになっておりますが、これらに対しましてどういうご対応をなされるか、その他お尋ねをいたします。  まず、過日、三月に基本計画審議会から答申をいただきました。これを拝見いたしますと、十回にわたりましてご審議を大勢の委員の方々からいただいているわけでありまして、まずもって、ご労苦に対して敬意を表する次第でございます。  その中にあります行政改革のところでございますが、ここに自治権の拡充とありまして、財政自治権の確立、あるいは自治権の拡充という問題が提起されておりますが、これから来年の春に向かいまして基本計画をつくりに当たり、この項目にどのようなご対応をなされるのか、それをお尋ねいたしたいと存じます。  財政自治権につきましては、都区財調の問題が残されておりますし、また、自治権を確立するには大変な法律問題をクリアしなければならないという現実がございます。そこで、一方、世の中を見ますと、ただいまは市町村の合併花盛りの時代でございます。今年度の末には、現在三千百ある自治体が、千少なくなって二千百になるという時代でありますし、また、加えまして、幾つかの一般市におきましては、政令指定都市になるべく準備が進められているというふうに伺います。また、特別区の中におきましても、千代田区が千代田市になりたい、その基本構想を出すという大変身近な問題もございます。  実は、世田谷区でも平成元年、独立宣言を出したわけです。政令指定市になろう、単独でなろうということを当時は考えたわけでございます。当時は経済成長の時代でありまして、財政も大きいし、人口もふえておりました。世田谷一人で指定市になって都県並みの政治をいたそうという意気込みがあったわけであります。  その後、現在でありますが、やはり人口規模から見ますと単独でということにはブレーキがかかるわけで、しかしながら、隣接いたします一般市と仮に合併ができれば、まず一般市になり指定市を目指すという道はあるべきはずであります。ところが、それを阻む多くの法律の制約がございます。  地方自治法を見ますと、まず特別区は一般市と合併できない、あるいは特別区同士が合併しても市になれないとはっきり書いてあるわけです。また、もっとさかのぼりますと、特別区の存在自体、あるいは都区財政調整制度を規定してある地方自治法の規定自体が私は憲法違反であると考えております。こういった法律問題をまずクリアしなければならないわけであります。  そこで、これらの問題にどのように対処なさるか、まずもって二十三区の畑の中で大きな声を私どもは上げなければならない。その場としては、例えば、区長会にできました特別区制度調査会、あるいはまた第二十八次地方制度調査会がその課題の一つとして大都市制度の見直しを抱えております。これらに間に合うように、あるいはまた市町村合併特例法が二カ年延期されるという動きもございます。こういう時代の中で、区長を初め区の当局のこれらに対する対応をまずもってお伺いいたします。  次いで、学校改築のペースについてお尋ねをいたします。  過日、企画総務委員会で駒沢小学校の改築議案の折に、学校建築の平均単価はどうであるかとか、あるいは、学校改築のペースはどうか、こういうことが話に出まして、伺いますと、現在は学校改築には学校改築指針、平成四年度からですが、これがよりどころになっているわけであります。この改築指針ができましてから今日までの十年間で九つの小中学校である、こういうご答弁でございます。何と年間一校ペース、余りにも遅いのではないかという話であります。まず、建築の平均単価を下げるということも一方でございましょう。さらにまた、大きな話といたしましては、一校から二校に、そして三校に、そういうペースを賄えるような区の財政を広げるということが必要であると思うのであります。  それには、ただいまお尋ねいたしましたような財政規模を広げる区財政全体の大きな動きというものが前提になると思うのでありますが、これらについてのご所見をお尋ねいたします。  それからまた、学校改築指針は、実は平成四年度にできておりますが、昭和六十年に文教委員会で愛知県の東浦町にございます緒川小学校を勉強に行ってまいりました。このときのテーマがオープンスクールと個人差教育というものでありまして、行ってみますとびっくりしたことに、これは小さな町の学校でございましたが、ちょうどただいまの世田谷の中町小学校のようなものが畑の中にできておりまして、どう言いますか、一年生から六年生まで学年の差を超えた、例えば計算問題のペーパーがたくさんあるわけです。漢字の書き取りの問題も積んであるわけです。できる子はどんどん進んでいいし、できない子はできる子に面倒を見てもらう、こういういわゆる個人差教育を既にオープンスペースを持った学校で実施していたわけでございます。当時の学習指導要領のテーマが、教育の個性化ということでありました。  こういったようなことで、現在小学校ではできておりますが、区立の中学校で教科別の教室群をもとにした指導をしようというのが、この中に書かれているわけであります。これをまた最近見直して、取り組もうというご意欲があるやに伺っておりますが、これらについてのご所見をお尋ねいたします。  出張所につきましては、たくさんの論議が出されております。効率的な行政運営を図る中でサービスを落とさないように、そして、まちづくりの拠点をつくろうということで結構な論議でございます。ただ、いろいろな課題があるようでありまして、まず町場の中からの不安といたしますと、せっかくなれている所長さんやら職員の方がいてくれるといいなとか、あるいはまた、現在の出張所、現場の職員の方々がいろいろな知恵を出し合っているようであります。例えば、お話に出てまいりました福祉相談なんかもその一つのようであります。これらに対するご所見を願います。  最後に、防災でございますが、一月十七日で十年になるというときが迫ってまいりまして、これは過日、読売新聞の社説でありますが、大地震に向かって減災対策、災難を減らす対策が必要であるという社説が出ておりました。ここで言っておりますことは、大地震で逃げる、避難をするという前に、まず自分の身を守って、家を守って、火を出さないで、お互いに助け合ってと、こういうことが大切であるということでございます。これは何年か前に出ました防災マニュアルでございますが、今度、区でもこういうものをつくるということであります。いわゆる避難とかいう前に、行政として区民の方々に申し上げるべきことを入れていただいて、新しい防災マニュアルをつくっていただきたい、また、マニュアルというのもどうかなと思うんです。日本語が何かあったら、ひとつ考えていただきたい。  以上で壇上での質問を終わります。(拍手)    〔平谷助役登壇〕 ◎平谷 助役 基本計画へ自治権拡充問題をどのように取り組むのか、お答えを申し上げます。  三位一体改革において、国と地方の役割や税源移譲のあり方が活発に議論されておりまして、世田谷区は住民に最も身近な政府として、より一層の自治権の拡充を図ることが重要な課題と思っております。
     熊本区長のもと、世田谷から東京を変えるべく、議会のご支援を賜りながら、都区財調制度の改革を初めとする自治権拡充に取り組み、自治体世田谷の充実を図っていかなければなりません。現在、区長会自治研究会等におきましても、そうした観点から議論が深められておりまして、その点は議員ご指摘のとおりでございます。  区といたしましては、今後、基本計画の素案におきましてこの取り組みの基本方向を明らかにすべく、現在作業を進めているところでございます。  二つ目に、出張所の改革に関しまして、町に精通している職員の続投を望むというふうなご意見をいただいております。  お話にありましたように、新たな出張所におきまして、地域団体、住民との信頼関係を引き続き維持していくためには、地域の実情を把握し、まちづくりに積極的に取り組む職員の配置が大変必要である、このように認識をしております。ただいまのご提案はしっかり受けとめさせていただきます。 ◎西澤 政策経営部長 私からは、自治権確立への法的な制約について、地方自治法の改正に向かう方策と区の対応ということをお答えいたします。  まず、自治権確立に向けての法的な制約でございますが、議員ご指摘のように、地方自治法の第八条におきましては、市となるべき普通地方公共団体の要件が定められているだけでございまして、特別区が市に移行することは想定されていないというのが、今の現行法でございます。すなわち、特別区が特別地方公共団体である限り、市への移行は認められない、こういった状況でございます。  また、現行の中では、地方自治法の二百八十一条等で特別区の規定がございまして、この中でも、先ほど議員がご指摘いただきましたように、特別区が抜け出して市になる、合併して市になるといったことも認められていないというのが現状でございます。したがいまして、特別区が市に移行する、もしくは普通市を前提とする政令指定都市への移行につきましても、地方自治法の改正を行う必要が出てまいります。  そこで、地方自治法の改正についてはどうなのか、こういうことでございますが、平成十二年度の都区制度改革に至る、ここでは地方自治法を改正しておりますが、そのときの過程を参考にいたしますと、都の制度調査会と特別区側の制度調査会の議論を経まして、東京都と特別区の間で基本的方向として、まず合意が行われました。その上で、国の地方制度調査会でご検討いただきまして、その結果を踏まえて国が法改正を行う、こういった流れになるものと認識しております。  現在、区長会では、特別区制度調査会ですとか、また、区長会自身の中に自治研究会などを設けまして、さまざま都区制度に関する検討が行われております。私どもといたしましては、区長のリーダーシップのもと、新たな区政確立に向けての制度改革に真剣に取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ◎庄司 教育次長 学校改築についてのご質問でございます。  まず、学校改築につきましては、現行学校改築指針に基づいて、教育活動あるいは地域社会に貢献した学校施設づくりを基本として整備を図っているということでございます。現在工事中の船橋、駒沢小学校二校を加えますと、お話にございましたように九校ということになっております。この改築ペースが年一校ぐらいで大変少ないではないか、こういうご質問でございます。  このペースアップを図るといった意味での考えでございますが、厳しい財政環境が続く中で、学校改築の予算だけ、この配分だけがふえるということは大変難しいであろうと思っておりますが、ご質問にありましたように、ほぼ毎年一校のペースで改築を計画的に進めておりますが、今後は、次期改築校の選定作業も含めて考えていきたいというふうに思っております。  これからの改築におきましては、学校施設の必要面積、あるいは機能の精査、これらを進めながら、可能な限り建設コストの削減等工夫いたしまして、学校改築のペースアップを図れるよう努力してまいりたいというふうに考えております。  次に、中学校での教科別指導と教科別教室群のご質問がございました。  これも、学校改築指針の考え方に基づいて整備を図ってまいりました。その活用の仕方でございますが、中学校では、玉川中学校では今年度より教科別教室を活用した授業に取り組んでおります。一方、烏山中学校では、学校の要望で、従来の普通教室型がいいのではないかと、このような形で建設をしたところでございます。今後、この見直しにつきましては、今年度、学校改築指針の見直しを検討していく中で、中学教育のあり方を検証しながら改築指針に反映していきたい、このように考えております。  以上でございます。 ◎佐藤 地域情報政策担当部長 私からは、出張所の問題で、出張所職員の意向を生かそうということでございます。  出張所改革では、現場での出張所の職員の意見を聞きながら進めていくことが重要であると認識しております。今年度早々には、改めて二十七出張所すべてを訪問し、出張所の状況、今回の改革に対する町場の意見、出張所長等の意見を聞くとともに、関係所管からの意見も取り入れ、新たな出張所のあり方に関する報告を作成してまいりました。今後、総合支所長をリーダーとする移行計画検討部会にも、出張所の職員が部会員として入ることを予定しております。  新たな出張所の実現に向けて、議会、区民の皆さん方はもとより、ご指摘の現場職員からの意見、アイデア等も重視しながら円滑に移行作業が進むよう配慮してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎宮﨑 危機管理室長 それでは、防災対策につきましてお尋ねがありましたので、お答えをいたします。  二〇〇四年版防災白書におきまして、いつ発生してもおかしくないとされる大規模地震につきましては、平時から住民、企業、NPOなどさまざまな主体が防災対策に参画し、地域防災力を高める努力をすることが重要である。また、想定される被害を事前に軽減する対策、いわゆる減災対策に一層取り組む必要がある。特に、人的被害をもたらす要因そのものを抑える減災対策として、住宅、建築物の耐震化や地震情報等の伝達、避難体制の整備などを緊急かつ重点的に実施することが必要である。このように指摘をされております。区におきましても、震災応急対策とともに減災対策も重要であると認識をしております。  現在、区におきましては、災害時区民行動マニュアルなどによりまして、発災時に火災発生を防ぐための対応や家具の転倒防止器具の取りつけなど、被害を少なくするための方法の周知を図っております。また、簡易耐震診断や耐震診断助成制度を設けまして、住宅などの耐震化の促進を図るなど、減災対策に取り組んでおります。また、来年、平成十七年一月十七日には、災害時にとるべき行動の手引書であります災害時区民行動マニュアルを全面的にリニューアルしまして、全戸配布して防災意識の啓発に努めていく予定であります。  今後とも、関係所管と連携を図りながら、災害時の地域での助け合い活動などを支援し、減災対策等防災業務を取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆二十一番(原田正幸 議員) 午前中のご答弁におきまして、区長さんは、自治権に関して一定の筋道をつけるというご答弁をなさいましたが、二筋も三筋もつけてくださるようお願いいたしまして、終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で原田正幸議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、三十二番下山芳男議員。    〔三十二番下山芳男議員登壇〕(拍手) ◆三十二番(下山芳男 議員) 質問通告に従い、質問をいたします。  最初に、消費者相談についてお伺いいたします。  新聞等の報道によりますと、たびたびオレオレ詐欺などの被害が新聞紙上で報道されているにもかかわらず、ことしの一月から四月までに全国の警察が認知した詐欺の被害は、前年同期に比べ五三・七%も増加して二万四千六百四十八件に上ったと掲載されていました。警察では、より巧みな話術を用いた組織的なオレオレ詐欺の増加やインターネット特有の技術を悪用したインターネットオークションでのトラブルなどの知能犯を対象とした対策本部を設置して、捜査や防犯活動に当たるよう異例の通達を出したとも聞いております。  こういった問題は、起こってしまった事件の解決と犯人の逮捕、そして事件の発生を未然に防ぐよう警察が対応するのは当然のことでありますが、世田谷区としても、安全安心なまちづくりを施策の中心課題としているわけでありますから、防犯や防災などの課題とともに、区民がこのような事件に巻き込まれ、被害者とならないような対応が求められるのではないでしょうか。  金融の規制緩和やIT化の推進等、私たち消費者を取り巻く経済社会環境が大きく変動しており、それにつれて消費者の被害も多様化、また複雑化してきております。平成十五年度の世田谷区の消費者相談の件数は六千八百九十六件に上り、十四年度の三六%増となっています。内容として最も多い相談は、オンライン系、いわゆるインターネットでのトラブルの相談が約二千二百件余りとなり、二位の不動産契約上の相談約四百件、三位のフリーローン、サラ金等の相談二百五十件を大きく上回っております。  パソコンや携帯電話を利用してのインターネット取引は今後ますます増加することは明らかであります。消費者にとっては、自宅にいながらにして全国の特産品を購入したり、家のリフォームの見積もり書をとったりと、利便性はさらに高まることと思いますが、その反面で、新たな悪質な商法もふえてくると思います。中高年の余りインターネットに詳しくない消費者をねらったもの、また、小中学生をねらったトラブルも今後予想されます。現状と今後の対応についてお答え願います。特にインターネットや携帯電話を使うことの多い若い年代への対応が重要と思います。  消費生活課では、消費生活センターだよりを年四回、新聞への折り込みを行う特集号を年一回発行していると伺いましたが、取り上げるべき多くの課題や緊急性を考えますと、もっとタイムリーな情報提供を行う方法を考えていくべきと考えます。また、消費生活課に備えてあるリサイクルや金融商品などに関する東京都や他の関連団体が発行している多くのパンフレットや資料をもっと広く区民に提供し、役立てる手だてを考える必要があると考えますが、いかがでしょうか、お答えください。  そんな中で、つい先日も郵便はがきや電子メールで身に覚えのない請求書を送りつけて支払いを迫る架空請求が世田谷区内の企業や個人あてに多数送られてきたと聞いています。私の身近でもこのような請求のはがきやメールが来たという話をよく聞きます。最近では手口も巧妙化し、架空の法律事務所の名前を語ったり、債権回収業者を名乗って、期日までに入金しなければ自宅や会社に回収に行くなどと脅したりする例もあると聞いています。架空請求について区民からの相談の現状と今回どのような対応を実際にされたのか、お伺いいたします。  区民にとって安全安心な生活を送るために消費者相談はますます重要な役割を持つと思いますので、今後もインターネットなどの技術的な進歩にもしっかりと対応して頑張っていただきたいと思います。  続きまして、区内の零細企業や中小企業のためのセラ・サービスについてお伺いいたします。  財団法人世田谷区勤労者サービス公社は、平成四年に、区内の勤労者、事業主等の余暇活動、生活安定等の支援策として、勤労者福祉制度の向上と区内中小企業の振興、発展を目的として発足したことは既に皆様ご承知のとおりであります。発足から十二年が経過し、本来の目的と現状とを十分に検討すべき時期であると思われます。この間、公社においては、よりよいサービスの提供に向けて努力を重ねてこられたことと思いますが、会員数も平成九年度の約一万四千人をピークにして減少を続けていると聞いております。  減少については、中小企業を取り巻く経済状況の悪化と無関係ではありません。マスコミでは、景気も回復してきているとの報道が目立ってきていますが、区内の商店や中小企業では、その実感はまだまだではないでしょうか。依然として商店街では廃業する店や従業員の退職などの話が後を絶ちません。また、事業所の福利厚生経費の圧縮など社会経済状況の影響を受けていると思われます。平成十五年度の会員数は最も多かった九年度より二千三百人以上減少し一万一千七百四十人、事業所数は二百五十八減少して三千二十七事業所と聞いております。  現在のセラ・サービスの事業は、この十二年間で形を変え、メニューをふやしてきており、努力は認めるところです。ただ、事業の実施に当たっては、例えば区内の魅力あるお店やおいしいレストランなどを開拓して提供するなど、区内産業の育成面からも寄与するなど、さらに積極的な努力が必要だと思います。一方、現在のような状況のときには、全体的に均一なサービスの提供よりも、利用状況などを詳しく分析し、特定の事業に重点を置くことも大切であると思います。  また、事業の収支の面からも、今後の発展のためにも、会員の増加が不可欠であります。会員増強は現在の経済状況を考えますとなかなか厳しいと思いますが、ぜひともセラ・サービスの会員増加に積極的に取り組んでいただきたいと思います。  私は、セラ・サービスが区内中小企業にとって大切な福利厚生機能であり、会員制によるスケールメリットを生かした廉価で質のよいサービスを得ることができる事業と考えています。現在でも会員の増強には努力をされていると思いますが、さらに今後どのような方策が考えられるか、区としての立場をお伺いいたします。  次に、最近では民間の福利厚生事業サービス会社を利用した事業委託や、他区との共同事業、共同契約で補助経費の削減にも取り組んでいるとも聞いておりますが、さらに効率のよい事業運営を心がけていくべきであると思います。昨年度の企画の中には参加者が多い事業や少ない事業などばらつきも見られますが、効率的で有効に収入を活用するためには、やはり会員のニーズを的確に把握し、会員が求めている事業を展開することが必要であると思います。そこで、区としてはどのように考えているか、お伺いいたします。  区としては、区内産業の発展のためにも、財団である勤労者サービス公社の健全な育成を図り、区内中小企業勤労者の福利厚生の増進を進めなければならないと思いますが、今以上に効率的な事業運営を求められていると思います。この経済状況の中、多くの商店や中小企業では年会費を支出することも厳しい状況であると思いますので、真に会員のための支援、応援が必要であると思います。その意味からも、福利厚生にとどまらず、これからのセラ・サービスのあり方について区としての考えをお伺いいたします。  以上、壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎青木 生活文化部長 消費者相談につきまして三点ほどご質問をちょうだいいたしました。  初めに、消費者被害を受けやすい若者や高齢者への対応についてご答弁を申し上げます。  最近の傾向といたしまして、パソコンや携帯電話の利用トラブルによる相談が世代を問わず増加しております。中でも携帯電話に関する相談は、相談者の低年齢化が進むとともに、件数も急増しておりまして、早い時期からの消費者教育の重要性を改めて痛感しております。  区としては、インターネット利用時や契約についての注意点を記した小冊子を作成いたしまして区内の小中学校への配布を行っているほか、あわせて、教員を対象とした消費生活講座も実施をしております。また、成人用の小冊子にはトラブルの多い携帯電話やマルチ商法などを掲載し、区内の大学、専門学校などへの配布を行いまして情報提供に努めてきております。さらに、中高年者層に対しましても、在宅介護支援センターでの出前講座や消費生活センターだよりあるいは他の情報紙、ホームページの活用などを通じましてインターネット利用によるトラブル事例などを紹介し、安全安心に消費生活が送れるよう情報提供をさらに強化しておりますし、今後も努力をしてまいりたいと思っております。  次に、タイムリーな情報提供についてご答弁を申し上げます。  消費者が安全で安心して暮らしていくためには、生活するさまざまな場面におきまして、行政が的確で迅速な情報を提供することが必要でございます。消費者被害の未然防止に向けまして、消費生活センターだよりなどの情報紙や消費生活課ホームページ等を活用いたしましてタイムリーな情報提供を行ってまいったところではございます。  年一回発行する特集号は、クーリングオフの書き方や相談の多い事例等を取り上げまして注意を喚起する、そういった保存版として新聞の折り込みをしております。季節ごとに発行いたします消費生活センターだよりは、特集記事などを組みまして、町会、自治会を通して回覧をしていただいており、平成十六年度からは区内スーパーなどへも配布をしております。また、情報提供に緊急性を要する場合は、緊急消費者情報「くらしのかわらばん」、こういったものを拠点に配布いたしまして、消費者被害の未然防止に極力努力をしているところでございます。  お話にもございました消費生活センターの保有する他の自治体等の資料やパンフレットにつきましては、区民が広く活用できますようホームページで紹介するなど工夫をさせていただきまして、身近な場所で必要な情報をスピーディーに提供するとともに、さらに効果的な啓発を行ってまいりたいと思います。  次に、架空請求についてご答弁を申し上げます。  身に覚えのない有料サイト利用料の請求など、架空の請求がはがきや携帯電話のメールに届いたという相談が一昨年から急増しておりまして、法外な遅延金などの不当な請求と合わせますと相談全体の約三割を占めているのが実情でございます。  相談への対応といたしましては、全く身に覚えがなく架空の請求であると思われる場合は、請求者への連絡や支払いを絶対にしない、また、執拗な請求が続く場合は警察へも届けるようアドバイスをしております。メールを開いただけで有料サイトに登録されてしまい、請求が届くという極めて悪質な事例も多くあるため、見知らぬ番号からの着信やメールは出ない、見ない、かけ直さない、そういった自衛策をアドバイスしております。  今後、警察との連携にとどまらず、消費生活センターが消費者の安心のよりどころとしての機能を果たせますよう、区民にわかりやすい情報提供や消費者被害の未然防止に最大限の努力をしてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎堀 産業振興部長 セラ・サービスについて三点ご質問をいただきました。  まず初めに、会員増強についてどのような方策が考えられるかというご質問ですが、区内中小企業にとって大切な福利厚生機関でありますセラ・サービスですが、お話しのように、残念ながら平成九年度をピークに会員の減少が続いております。  このような状況を背景に、セラ・サービスでは、経営改善とサービスの向上を目標に平成十二年度に中長期ビジョンを策定してまいりました。この計画のもと、会員増強のために、例えばおおむね二十人以上の事業者を訪問したり、あるいは世田谷区社会保険労務士会と連携した未加入事業者への加入促進活動を行ったりと、従来の手法とあわせて会員の増強に努めている現状でございます。  区といたしましても、「区のおしらせ」やホームページなどへ掲載するなど、区内産業団体への加入促進を働きかけ、セラ・サービスと一体となって会員の獲得に努めているところでございます。  次に、ニーズを的確に把握し、会員が求めている事業を展開せよというご質問ですが、私どもも会員のニーズを把握した事業展開は大変重要であると考えております。セラ・サービスとしては、今まではアンケートという手法でニーズの把握に努めていたようですが、先ほどお話ししました中長期ビジョンに基づき、昨年はセラ・サポートという制度を実現いたしました。これは会員の中からモニターとしてご参加いただきまして、さまざまなご意見やご要望を伺うという制度でございますが、このような制度の活用によりまして、さまざまな事業のモニタリングを行い、会員のニーズ把握と同時に、効率的な事業運営に心がけているところでございます。  最後に、これからのセラ・サービスのあり方についてのご質問です。  議員のお話にもありましたように、セラ・サービスも発足から既に十数年以上が経過し、会員減少が年々続く中、本来の目的とこれらの現状について検討すべき時期に来ていると考えております。  セラ・サービスでも、既にお話ししましたように、平成十二年度に中長期ビジョンに基づき、会員の加入促進、サービスの向上等、さまざまな工夫を重ねておるようですが、区としましても、会員増強、つまり、セラ・サービスの充実の点につきましては、基本的には区内産業の活性化が必要であると考えております。  新基本計画の策定が検討されるこの時期に、私ども産業振興分野としましては、働く方々の福利厚生を核にしたセラ・サービスのあり方をしっかりとらえていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆三十二番(下山芳男 議員) まず、消費者相談は、非常に内容の範囲が広く、相談する人の立場によってもその内容が異なってくると思いますので、ぜひ相談者の立場に立って対応していっていただきたいと思います。  また、セラ・サービスについては、今後、事業等についてしっかり見直しをして、本当に区内の事業者にとって役に立つような運営をしていっていただくよう要望して、質問を終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で下山芳男議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、八番桜井征夫議員。    〔八番桜井征夫議員登壇〕(拍手) ◆八番(桜井征夫 議員) 深刻な経済不況と就職難や雇用ミスマッチや学校から仕事へとスムーズな移行ができないなど、不安定な若者たちが増大しています。青年が自立できないこうした社会環境をいかに改めていくかが、今後の社会の、そして当区にとっても大きな課題の一つではないかとの認識のもと、青年たちが将来への確かな生活設計を描き、希望を持って生活していけるような社会世田谷、あるいは路頭に迷うようなことがないような社会世田谷の実現のために、当区における青年政策の必要性について、これまで幾つかの提案も含め、発言をしてきたところであります。  繰り返しになりますが、青年が自立できない社会環境には、まず青年労働市場の崩壊が挙げられます。二つは、パートや派遣、短期雇用など不安定雇用の増加があり、三つには、若者の自立を支援する公的制度の不足ないしは未整備であるとともに、これらの結果から生ずる若者の平均所得の低下に加え、高等教育費の上昇による学生の経済状況の悪化など、既に指摘されてきたように要件はさまざまあります。  当区に当てはめて考えてみますと、より事の重大性に気がつかされる思いがいたします。  まず、青年が自立して生きていくための住宅の確保が可能かといえば、大変難しい現実に直面いたします。所得の停滞と反比例して、都市部の単身者向け住宅の賃貸料は八〇年代からとりわけ九〇年代前後のバブル期に高騰して以来、家を離れて自立するいわゆる離家にとっては最大の障害になっており、今日このような状況が続いております。親がかりの度合いがますます強くなっている実態も指摘しておかなければなりません。  住宅都市としての評価の高い当区は、民間家賃の相場も他区に比べて大変高く、鉄道沿線では特に顕著に見られることから、若い人たちが自立して住むには大変厳しい現実であることがうかがえます。  現在、当区には、大学が九校、短期大学が八校、専門学校が十八校、各種学校が十二校あり、生徒数では合わせて八万六百九十五人にも達しているという状況でありながら、果たしてどれだけの人が区民としてこの世田谷の地域の中で生活していくことが可能なんでしょうか。以前にも指摘してまいりましたとおり、教育費の上昇による負担増は年々重くのしかかってきておりまして、学生の経済状況の悪化はますます親抱え、親頼みの状況を強くし、親から離れられない青年をつくり出し、青年の自立を阻害する要因にもなっているのが現状ではないでしょうか。  また、働いている若い人たちにとっても、区内約三万弱の事業所――今は倒産が続いて二万七千程度に少なくなっておりますが――多くがサービス産業である上に、中小規模事業所であるという事実に立って考えますと、当区の所得階層調査の結果からも、若者や若者世帯が他とは比べ物にならないほどの確率で貧困、低所得、失業問題、あるいは社会的いわゆる弱者へと転落するという形態で今日生活の危機にさらされている、こういう現実が起きていることを見逃してはなりません。  しかも、毎年大勢の若者を当区に迎えていながら、生活の実態はほとんど把握されていないばかりか、住民として恐らく地域社会とのかかわりや役割を持つことなく、数年間をただ過ごさざるを得ないような学生生活になっているのではないでしょうか。社会人として自立していくための大切な年代が施策の対象外にされ、また、それゆえに地域生活の中で社会的役割を持てないでいることは重大な問題でもあります。  少子化問題を機に、今、国でもさまざまな対応策が講じられつつありますが、当区の場合も、若者の就労問題に関しては若者自立・挑戦戦略会議のプランを踏まえ、ハローワークとの共催による高校生を対象とした企業説明会や就職面接会の企画、また、キャリアカウンセリング相談のスタートなど、青年層に焦点を合わせた就労支援事業に取り組むほか、特にこれまで子ども条例を制定し、ことしから新たに子ども部も設置をするなど、約五十にも及ぶ事業を積極的に展開し、意欲的に施策に取り組みつつあることは評価したいと思いますし、これらのさまざまな取り組みが今後より一層成果を上げられるよう期待しているところであります。  しかし、いずれも少年法で言う二十歳に満たない者や児童福祉法等で定めている十八歳に満たない者が対象であって、十八歳から二十七、八歳のころのいわゆる青年期の若者に対する施策は、ほとんどと言ってよいほど抜け落ちていると言ってもよいくらい、何も用意されていない、考えられてこなかったと申し上げてよい状況ではないかと思います。当区の場合も、国と同様、やはり青年を対象とした施策の必要性やその認識と理解は、一部を除き希薄であり、不足していると言えるのではないでしょうか。  このたび基本計画審議会答申が出され、年内には区の方針がまとめられようとしているこの時期だけに改めて発言し、区のお考えをお伺いするものです。  その第一は、昨年の質問の際に答弁のありました実態調査はどうだったのか。その結果と、社会の一員として権利と責任をともに持てない状況に据え置かれている今日の状況をどのように認識したのかについて、まずご見解をお伺いしておきたいと思います。  第二に、区の施策の現状について、どこで、どのように担当して、責任を持って推進に当たっていくのか、その点について明確にお答えをいただきたい。  そして第三に、これらを踏まえて、今後どのように対応し、施策に取り組んでいくお考えかについてでありますが、答申の中に青年が集うまちとの記述がございますが、区が実施しているさまざまな行事への積極的な参加と参画、審議会等各機関への参加と参画を初め、青年を対象とした各種シンポジウムの開催や交流の促進等による青年の声を社会にしっかりと反映させる等、まずは社会参画に影響力を持てるようにすることから取り組みを進めるべきではないかと思いますが、ご見解をお伺いいたします。  少子・高齢社会の急速な進展の中で、ようやく国もここに来て若者、青年の問題を政策として本格的に考え出しつつあります。若年層の失業や就職難の現状を景気が回復すれば解決できるだろうと甘い期待がいまだに少なからずある一方、青年問題を専ら防犯・非行問題ととらえるなど、認識不足と言わざるを得ない現状もあちこちにありますが、事の本質は社会経済変動によってもたらされた結果であり、協力、雇用、家族、価値観の根本からの見直しが必要な社会構造問題であって、社会全体の問題として若者の自立を保障し、地域社会における若者に影響を及ぼし、社会へ参加する主体として若者に保障する必要があります。終わります。(拍手) ◎田中 子ども部長 それでは、私の方から、ご質問の点が多岐にわたっておりますもので、これまでの状況と課題、それから現在の取り組み、今後の方向というような三点にまとめさせていただいて、順次ご答弁申し上げます。  まず、アンケート結果を含めまして現状の認識と課題をどのようにとらえているのかというご質問でございます。  核家族化や都市化による家族の養育力の低下、また、結婚や家族に関する意識の変化などを初めとするさまざまな要因によるとも言われます少子化の急速な進行は、社会や経済、地域の持続可能性を基盤から揺るがす事態をもたらしつつあります。このような中で、子どもと大人の間にいると言われる青少年は、議員がさまざまな観点からご指摘いただきましたように、若年失業の増大などの社会経済状況とも相まって、自立した責任感のある社会人となることが難しくなっているとも言える状況でございます。  しかし、こうした青少年の現実に対する危機感が地域社会で十分に共有されてきたとは言えません。地域社会での青少年の位置づけ、また、行政での位置づけが明確ではないこともその一因とも言えると思います。確かにこの二十年においても区の青少年担当は教育委員会、福祉、区民生活、そして今回また福祉と所管が変わっていることも事実でございます。  熊本区長は、子どもは未来の宝であると申されました。その未来の宝は、たくましく育ち、自立した責任感のある大人となっていく過程での青少年世代への対策に重点を置くことは必要欠くべからざるものであると考えます。  若者の実態調査を把握するのが不足しているということからの実態調査の結果でございますが、去る二月に実施いたしました区内高校生二千百人を対象としたアンケートによりますれば、自由時間を過ごす場所が自宅である者が六割以上である一方で、地元での行事に興味がありながらも参加したことがないという者が三割となっております。
     また、社会への感じ方として、将来に不安がある者が四割いる一方で、今とは違う社会にしたいと思う者が二割いるなど、高校生の消極的な面とともに前向きな姿勢も感じ取れました。  さらには、区内在住の大学生世代は、議員ご指摘のように住宅の確保が難しく、かなりの負担でもあるにもかかわらず、人口の一割を占めるほどであります。  次世代を担い、地域の活性化のポイントとしての大切な人材として成長が見込まれるものの、一方で、いわゆるフリーター予備軍としての存在になり得るという微妙な時期でもあると考えております。  現在の取り組みでございますが、これらの状況に対しまして各自治体がまさに取り組みを始めたところでありまして、去る三月には、ご存じのとおり、東京都青少年の健全な育成に関する条例が改正され、青少年の深夜外出の制限や有害図書販売への規制が強化されたところでございます。  さらに、五月には、関東八都県市首脳会議におきまして、青少年の健全育成問題について事務局組織を新設し、規制強化の方向と実効性ある施策の実現をテーマに集中的に検討を進めていくこととされました。  区といたしましては、まず区内の青少年への環境を整備し、都条例の実効性を高めるため、書店やコンビニエンスストアなどに出向き、不健全図書の販売実態を調査していただく青少年健全育成協力員を地域の方にお願いしてございます。  また、四月に行いました青少年地区委員の委嘱式におきましては、特に区長から委員の皆様に、地域に根差した子どもの育成に向けてより一層のお願いとともに、青少年地区委員会の役割、名称などの見直しについて検討していきたいとのお話を申し上げるとともに、私どもとしても具体的な検討に入っているところでございます。  さらに、六月には、青少年補導連絡会・青少年地区委員会合同会長会において、中高校生の地域における居場所づくりへのご検討をいただいているところでございます。  ご質問の責任所管でございますが、これらについて、子ども部を中心といたしまして全庁的な協力のもとに進めていく、このように思ってございます。  計画化を含めた今後の取り組みについてでございます。  これらの動きを踏まえまして、子どもの計画の中に子どもから青年層にわたる幅広い対策を組み立てていきますが、その中に青少年対策もきちんと位置づけていく、このように思ってございます。  先日、国により定められました少子化社会対策大綱におきましては、政府の今後の取り組みの方向性として掲げられた三つの視点の第一が、若者の自立が難しくなっている状況を変えていくというものでございます。この視点を踏まえまして、国は「若者の自立とたくましい子どもの育ち」というテーマを重点課題といたしまして、具体的な取り組みとして就労支援、奨学金の充実、体験を通じた豊かな人間性の育成、学びの支援などを推進するとされております。  区の子ども計画の組み立てにおきましても、国の施策と連携をとるのは当然でございますが、国の大綱による施策を超えまして、教育委員会との連携による小中学生への施策から、さらに産業振興部門とも連携いたしまして、青少年世代の就労支援、生きがいづくりなどの観点での施策などを体系的に策定していくことといたします。  さらに、審議会を初めさまざまな仕組みにより、青年層が社会に影響を及ぼすことができるようにすべきとのご質問がございました。  青少年の社会参加・参画の仕組みづくりも重要なことと認識してございます。主人公としての青少年自身の参加、参画につきましても、計画の中でさまざま工夫していくことといたします。これらの取り組みによりまして、お話に言われましたこれまで青少年問題を専ら防犯・非行問題ととらえるということを超えまして、青少年が地域社会の中でしっかりとした立場を持ち、さらに地域社会を支える重要な一員となれるよう計画策定に努力してまいります。  以上です。 ○宍戸教男 議長 以上で桜井征夫議員の質問は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時三十九分休憩    ──────────────────     午後三時十分開議 ○宍戸教男 議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 この際、議事の都合により、本日の会議時間をあらかじめ延長いたします。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 一般質問を続けます。  七番羽田圭二議員。    〔七番羽田圭二議員登壇〕(拍手) ◆七番(羽田圭二 議員) 最初に、政策決定と住民自治についてお聞きします。  熊本区長が誕生してから一年、区政運営はさまざまな変化を生み出しました。行財政計画の推進、大胆な事業の見直し、縦割り行政の改善など、多くの成果を生み出したのも事実です。しかし、事業の見直しでは幾つか問題点が指摘されています。  我が党は、昨年の議会において、特に外部評価による事業の見直しについては拙速に進めないよう要望してまいりました。区も、各種事業の見直しに伴う補助金等のカットについては、関係団体、関係者と十分な話し合いを持ち、住民の理解が得られるよう行うことを約束してまいりました。ところが、四月以降、事業の見直しを目の当たりにしたとき、幾つかの問題点が指摘されています。この点は幾つかのケースがあります。  例えば新たな事業を展開しようとした場合です。地域特性や経済を生かし、区が独自に新たな事業を発案し、事業展開を行おうとした場合、近隣住民や関係者にあらかじめ相談することは大抵当たり前にやってきたことではないでしょうか。  また、厳しい財政状況のもとで、各種事業、地域団体が進めるイベントへの援助を含めた見直しが住民のどの範囲まで理解を得ていたのかということです。今回の一連の見直しによって、そのイベントが中止になったほか、会そのものが存続できなくなったというケースも出ています。  政策決定過程において住民参加、住民合意という視点が後退してはいないでしょうか。区長の見解をお聞きします。  また、地域で行われているイベントは、周辺で支える方々のご協力なしには行い切れないと言っても言い過ぎではありません。また、区が進める新たな事業展開は、区民の理解が得られなければ、その取り組みも後退を余儀なくされかねないと思います。それだけに政策決定は住民とともにつくり上げていくという姿勢を貫くことだと考えます。  政策決定過程において、これまで住民と十分な話を行い、今後さらにどう行っていくのか。また、今後の活動のあり方など支援はどう行っていくのかをお聞きします。  次に、区民生活を守る区政について、この間の地域課題から質問をいたします。  質問の前提には次のような視点があります。それは、以前決定された計画やよいと思って実施した施策が弊害をもたらし、改善が求められているケースがある。これらに今後どう臨んでいくのかという考え方です。  最初に、国分寺崖線の保全の問題です。  この条例については、区長あいさつにもありましたが、秋には条例案を提出する、こういう予定も含めてあるかと思います。言うまでもなく、世田谷区が緑の生命線として位置づけている崖線の緑や湧水が年々失われてきたこの背景には、崖線部分に地下室マンションを建設可能にする容積率の緩和など一連の法規制の緩和がありました。こうした状況を踏まえて、条例による独自規制などの声も上がっていますし、また、ボランティアの協力による樹木保全など提案が多く寄せられているかと思います。  さてそこで、国分寺崖線保全では、単に今ある自然を守るということにとどまらず、一度失われた水や緑を取り戻し、将来にわたって保全するという考え方が求められていないでしょうか。区の見解をお聞きします。  次に、小田急線の高架化による成果と課題です。  小田急線の連続立体交差化は、踏切遮断時間の解消につながったのは事実です。ところが、高架北側部分では日影が生まれ、日照時間が短縮されました。また、踏切解消が住宅街への自動車の侵入を増加させるという問題が生じている、これも事実なわけです。これらの課題に今後区はどう取り組んでいくのでしょうか。  次に、大井町線の急行化問題です。  大井町線の急行化問題では、田園都市線の混雑緩和と大井町線のスピード化が言われています。その中で、地域からは、等々力渓谷の水と緑を初め周辺環境への影響と保全問題が提起されました。そして、この間、新たな見方として、静かな国分寺崖線と等々力渓谷の緑をかいま見ることができる現在の大井町線の路線に急行を走らせることの疑問が出されております。区の見解をお聞きします。  次に、自動車騒音・振動対策です。  環状七号線、八号線は、沿道地区計画によってその対策が期待されております。幹線道路の交通量の増加に伴う課題に新たな考え方を提起したものでした。  そこで、きょうは環状八号線に合流する第三京浜についてお聞きしておきます。多摩川を渡る第三京浜には遮音壁がありますが、老朽化しております。あわせて、かつて日照時間の問題から金網とした部分があります。それが今では国分寺崖線の緑とつり合いがとれない、そういう橋げたとなっている。また、他の場所において太陽の光を通すアクリル製の遮音壁が設置されているところもありますが、この点について区の考えをお聞きしておきます。  さて、介護保険は、来年、制度発足から五年目、改正の時期を迎えます。既に厚生労働省や東京都においても見直し作業が行われてきました。  区は、既にことし二月、厚生労働省に対して介護保険制度の見直しについて要望書を提出してきたところです。そして、区の要望書では、地域の実情に応じた制度改善を求めています。お年寄りのみ世帯やひとり暮らし世帯の多い世田谷区にとって、緊急時に優先的に活用できるショートステイの運用は焦眉の課題であると言えます。  また、東京都は、四月、ケアマネジメントの質の向上と、公平性、中立性の確保や自立支援を柱とした地域で安心して暮らせる介護体制の強化などを求めた報告書を国に提出しています。  介護保険の見直し作業では、在宅支援の充実とともに医療と介護の連携、在宅介護と施設介護のサービス格差などの課題があります。こうした点を改善すべきですが、区の対応をお聞きしておきます。  さて、最後に年金問題です。  国会では、年金法案が与党の強行採決によって可決されました。これより先に行われておりました国民年金事務の取り扱いの問題についてきょうはお聞きしておきます。既に国民年金事務は国一元化となり、事務は区や都の手から離れることになりました。その結果として、全国的に保険料の収納率の低下という問題が生じたと言います。こうした中で区はどのように取り組んできたのか、この点をお聞きいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 社会民主党、羽田議員の一般質問にお答えいたします。  政策決定と住民自治についてのお尋ねでございます。  区政運営に当たりましては、できるだけ多くの情報提供に努め、そして、広く住民合意の形成を図るように心がけてまいりました。この間、私は、タウンミーティングの実施や審議会委員等を民間の方々や公募委員の方々にお願いするなど、そうした観点からの取り組みを行ってきております。時には、私みずからの責任において苦渋の決断を迫られたこともございます。  今後とも、区民の目線に立って広く聞く耳を持つ区長として、議会はもとより区民の皆様方の意向を酌み取りながら、積極的に区政運営に当たってまいる決意でございます。何とぞのご理解をよろしくお願いいたします。  そのほかにつきましては、所管よりお答えいたします。 ◎西澤 政策経営部長 政策決定過程において住民と十分話が行われたのか、また、今後の活動のあり方などの支援はどうかとのご質問でございます。  地域のイベントを例に、政策決定は住民とともにつくり上げていく姿勢を貫けとのご意見を賜りました。  この間、常に区民の目線に立って考え、行動するように職務に取り組み、各所管においては区民の皆様と十分話し合いを持ちながら施策を進めてきたものと考えておりますが、特に地域での行事や地域に密着した施策の展開に当たりましては、今後とも、政策決定に係る過程において、区民の皆様に十分ご理解いただけるよう努めてまいりたいと思います。また、区民の活動に対するその後の支援につきましても必要に応じ行っていくよう、各所管部と調整して今後の事業展開を図ってまいります。  以上でございます。 ◎株木 都市整備部長 私からは二点ご答弁いたします。  まず、国分寺崖線保全では、失われた水や緑を取り戻し、将来にわたって保全するという考え方が求められていないかとのお尋ねでございますけれども、区では、国分寺崖線を緑の生命線と位置づけ、みどりの基本計画で国分寺崖線を緑化重点地区に指定し、緑の保全、創出に取り組んでまいりました。しかし、近年の建築にかかわる法改正や技術進歩などを背景に崖線沿いに住宅開発が広がり、特に斜面地における緑被率は十五年間で約二〇%低下する厳しい状況になっております。そのため、水と緑の保全、創出は急務となっております。  現在、制定に向けて検討を進めております国分寺崖線保全整備条例では、建築物のコントロールや緑化基準の導入などを規定するほか、環境配慮計画書により湧水等への対応も求められます。あわせて、自然保護条例の見直しの検討を進める中で、国分寺崖線における緑の保全、創出を図ってまいりたいと考えております。  次に、小田急線の連続立体化による日照問題や住宅街への自動車の侵入増加の問題についてでございますけれども、委員ご指摘の日照阻害に関しましては、東京都は、梅ケ丘駅付近から仙川付近までの高架区間におきましては高架橋の建設とあわせまして高架橋の北側に関連側道の整備を進めており、沿線地域に日影条例の規制を超える日影が生じることのないよう十分配慮しながら事業を進めてきております。  また、鉄道の連続立体交差化そのものが直ちに交通量の増大を招くといったことはございませんけれども、踏切が解消されたことに伴いまして自動車の流れが均一化されることから、一部の地域では若干交通量が増加したというご指摘があることは認識しております。  このような状況も踏まえまして、当区が東京都から受託しております関連側道及び交差道路の整備に際しましては、交通管理者との協議も踏まえ、地域の利便性を高めるとともに、沿線地域に不要な通過交通が流入することなく地域の皆様が安心して生活することができるよう整備を進めてまいります。  以上でございます。 ◎大西 玉川総合支所長 私の方は、大井町線の急行化の乗り入れ計画についてお答えを申し上げます。  大井町線の急行乗り入れの事業計画は、田園都市線の混雑緩和と輸送力の増強を目的として、東急電鉄が国の特定都市鉄道整備事業計画の認定を受けまして実施するものであります。世田谷区は、この急行乗り入れの計画の是非について法的にかかわる権限は持たされておりません。しかしながら、この事業計画に世田谷区は鉄道事業者である東急電鉄に対しまして、周辺の環境や等々力渓谷に影響を与えないことや踏切の遮断時間が大幅にふえないことなどを強く指導してまいりました。  殊に周辺の住民が一番心配している工事に伴う周辺環境と等々力渓谷への湧水の影響などにつきましては、等々力駅地下化技術検討委員会の設置を提案いたしまして、専門的立場から現在調査検討が進められておりまして、その検討経過は区民へも情報を公開しておるところであります。  急行乗り入れ問題につきましては、恵まれた自然環境の中を各駅停車が走るローカリティーな面を残したいという意見も一方にはありますが、この事業を機会に、町の活性化や商店街の発展につなげたいという町の声も多くあります。本年度に入りましてから、大井町線四駅周辺の町会、商店街の代表者が中心となりました各駅の周辺まちづくりを考えるまちづくり連絡協議会を設立する話もあります。  今後とも事業主からの説明会を丁寧に行うなど区民の方の不安を解消するとともに、区といたしましては、これらの機運を大切にしまして、広く周辺住民の皆様の声をお聞きしながら良好なまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◎板垣 環境総合対策室長 私の方から、第三京浜の遮音壁についてお答え申し上げます。  お話にありました第三京浜の橋梁部付近につきましては、区でも現地を確認し、調査を実施してまいりました。ご指摘のように上り車線側につきましては、丸子川から環状八号線に向かいまして約百メートル区間の高欄部が金網となってございます。また、下り車線側につきましては、遮音壁が設置されてございますが、ご指摘のように光を通すアクリル製ではなく、従来のコンクリート製で設置後二十年ぐらい経過しているものと思われます。  したがいまして、ご指摘の箇所につきましては、道路管理者に対しまして遮音壁の設置など適切な環境対策を要望してまいりますとともに、その場合には、お話にありましたように、できる限り景観にも配慮した対策をとるよう働きかけてまいりたいと存じます。  以上でございます。 ◎若林 保健福祉部長 介護保険の見直しと国民年金収納率の低下、この二問質問をちょうだいいたしました。順次答弁をさせていただきます。  まず、介護保険の見直しでございますが、現在、国においては、介護保険制度改革本部を設置し、社会保障審議会介護保険部会を中心として、法施行五年を目途とする制度見直しの検討が大詰めを迎えております。本年八月ころには一定の方針をまとめたいというふうに伺っております。  見直しの検討の中ではさまざまな議論がされております。重度になっても在宅生活が継続できるよう夜間・緊急対応の仕組みの充実を求める意見、介護と医療の連携の強化が必要であるという意見、さらに、施設介護と在宅介護のサービス格差の是正を求める意見なども出ております。  区としては、十八年度の介護保険事業計画の改定に向けまして地域保健福祉審議会でご審議いただくとともに、区民、議会から幅広くご意見をいただき、介護保険が真に高齢者の自立を支援する制度として定着するよう検討を進めてまいります。  次に、国民年金の収納率の低下というご質問でございます。  国民年金事務は、地方分権一括法によって区の役割が各種変更届の受理や制度周知、PRが中心となるとともに、保険料の収納事務は、ご案内のように国、いわゆる社会保険事務所に一元化されたところであります。  こうした中で、全国的に保険料の収納率が低下してきており、十四年度は前年度比でマイナス八・一%の減、六二・八%となっております。世田谷区においても同様の傾向を示しております。このため、国では国民年金特別対策本部を昨年八月に設置をし、五年間で収納率を八〇%に向上させることを目指し、さまざまな取り組みを開始したところでございます。  区としても、収納率の低下を国民年金制度の根幹にかかわる重大な問題だと認識をしております。「区のおしらせ」やエフエム世田谷等を活用するとともに、さまざまな機会をとらえて国民年金制度の周知、PRを行い、収納率が向上するよう努力をしてまいります。  以上です。 ◆七番(羽田圭二 議員) 意見といいますか、要望も含めてですが、一つは小田急線の関係なんですが、今答弁がありましたように、新たに車が流入してくるとか、今まで車が走っていないところに交通量が多少多くなるという、そういう傾向もあるかと思います。そういう点では、ぜひ周辺住民の方々のそうしたさまざまなご意見をきちんと把握していく、このことが大事だというふうに思いますので、その点はぜひよろしくお願いしたいと思います。  それからもう一つ、第三京浜の問題ですが、第三京浜の問題を調べたときに、いわゆる道路公団からは夜間六十五デシベル、そして昼間七十デシベル、これ以上の場合は遮音壁をつけるというようになっているようなんですね。ところが、その調査については、それぞれ走っている自治体が調べてくれというような大変困った話をしているわけですね。言いかえれば、道路公団が直接それを調査すれば事済むはずなんですが、そういうことも言われました。そういう点では、先ほど答弁がありましたけれども、ぜひ道路公団側に積極的に、特に周辺が困っているということも含めて意見を申し上げておきますが、その点を要望しておきたいと思います。  以上で終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で羽田圭二議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、三十四番小泉たま子議員。    〔三十四番小泉たま子議員登壇〕(拍手) ◆三十四番(小泉たま子 議員) 質問通告に基づき、順次質問をいたします。  世田谷の未来は地区での区民と行政のあり方次第であると言っても過言ではありません。私は、これまで申し上げてまいりましたとおり、転入届を原則として最寄りの出張所で受けることが、区民自身、また、地区、地域、さらに区にとって一番よいことであると思っております。なぜならば、世田谷での第一歩、区民としての新生活を地区でしっかりと受けとめたいからです。
     さて、このことについて先日区にお伺いしましたら、転入届を最寄りの出張所で扱うのは非効率であるとされました。転入される区民の方は忙しくて時間もとれないから、交通便利なところで手続ができるのがよいとのことでした。では、ごみの出し方を初め地区のことはどのようにわかっていただくのですかと伺いますと、それは地元町会・自治会がきめ細かく対応するのがよいのではないかとされました。  現場の実情を区は余りにも理解されておりません。町会、自治会が幾ら頑張っても、新しい区民の方に振り向いていただけない残念さ、無念さをおわかりではないのです。第一、転入者の情報を区からいただけない状況の中で、どうやって新しい区民の方にお声かけができるのでしょうか。  最初にお声かけができずに新生活がスタートした後では、ごみの出し方、自転車やバイクの置き方など、地元での生活のさまざまな約束事などをお知らせしようと思っても、うまく伝わりません。それが区民同士のトラブルに発展することもあるのです。  転入届を地元で受けない場合に、区は地区と新区民をどのようにつないでいこうとするのか、伺います。先ほどの区のお話にもあったように、区民は忙しいのです。交通便利なところで転入届をした後、地元の仮称まちづくり出張所にわざわざ出向いて、地元の情報を得るなどはまず不可能であることを前提に、区のお考えを伺います。  さらに問題なのは、職員の意識の問題です。職員はどのような使命感に基づいて仕事に携わっていらっしゃるのでしょうか。このところの対応を見ていますと、自分に与えられた仕事をきちんとやればいい、区役所は区役所の担当する事務処理をなるべく効率的にすればいいと考えておられるようです。果たして区民が望む区の職員の姿はそのようなものでしょうか。  私は、世田谷区の職員であれば、まず自分の仕事が区民にどのように受けとめられるのか、自分が取り扱うことで区民の悩みがどう解決され、安心していただけるかということを考えるべきで、自分の仕事の効率性はその次に考えるべきことだと思うのです。それが区役所、区民の役に立つところでしょうし、区長の言われる区民の目線に立った行政であるはずです。  それが、このところ、出張所の見直しについては、職員の目が区民に向かず、区役所の内側に向かっているように感じられるのは本当に残念なことです。現場の第一線の職員からこの議場の理事者に至るまで、すべての職員が区民の目線に立ち、つまり、区民の立場に立って、役所事務の効率のみを追求するのではなく、区民の生活をいかに支援できるかということを考えるためにどのような意識改革を進められるのか、区長のお考えを伺います。  私たち議員もさまざまな困り事、苦情を区民の方からお受けしています。それも単純なものではなく、かなりトラブルが深刻になってからのものが多く、そう簡単には解決できないものとなっています。しかし、よくお話を伺いますと、先ほどの転入届の問題と同じものが多いのです。つまり、初めからよく話が通っていれば、こんな大きなトラブルにはならないのに、また、地域のことがよくわかっていれば、こんなことはしなかったのに、もう動き出してしまった以上はやめるのは難しいなどです。特にハードのまちづくりに多く事例が見られます。  このところ、区のまちづくりを初めとする取り組みは、問題が起こってから何とか動き出すという対症療法が多くなってきております。世田谷のまちづくりは、区長も申されていましたように、全国をリードしているはずです。その世田谷でなぜこのところ修復不可能なトラブルが発生するのでしょうか。ハードのまちづくり、ソフトのまちづくりともあわせて、ぜひとも行政の体質を切りかえ、対症療法から、前もって予測し、みんなの理解、納得の上で、さらに協力を得ていく予防型の行政に変えていくべきであると考えます。区のご見解を伺います。  現在、区は、行政全体の政策評価を進められています。しかし、私は、この評価を行う上で区民の視点が欠けているように思います。例えば転入届については、交通便利なところで集中的に行えば、確かに届け出処理は早くなるでしょう。でも、区民が実際に地元で生活する上での情報を受け取り、新たな生活をスタートさせる上では、交通便利なところで短時間で処理されるのはちっともよいことではありません。交通便利なところにある施設がありがたいと思うのは、常日ごろ交通機関を利用する区民だけであって、地区のお年寄り、介護している人、障害者、子育て中のお母さんなど、家から余り離れられない区民にとっては本当に不便になるのです。政策の評価に当たっては、区役所の中の基準で考えずに区民生活への影響の視点を必ず含め、区民に公表するべきと思いますが、いかがでしょうか。  最後に、広報のあり方についてお伺いをいたします。  区民は区のことについて知らないことが多いのです。それは知らされていないからです。率直に言って、区は努力不足です。出張所問題を例にとれば、これだけ区民生活に影響があることがわかっていながら、いまだに「区のおしらせ」で区民全体に知らせないとは、全くおかしなことです。  「区のおしらせ」とは、既に決まった事柄を文字どおり区民にお知らせするためだけのものなのでしょうか。以前から申し上げているとおり、「区のおしらせ」を大改革して、区が考えていること、これからやろうとしていることを率直に表現して区民に知っていただく。さらに、区民の意見をいただく。このようにすべきと思いますが、区のお考えをお伺いいたします。  先日の新聞に、ある若手の経営者の言葉が載っておりました。何をするべきかはお客さんが一番よく教えてくれるというものでした。何をなすべきかは、区民が教えてくれるのです。そのためにも、ぜひとも地区の第一線の職場を大切にすること、新しく区民となられる世田谷の第一歩を大切にしなければなりません。世田谷の未来は、地区がどうなるかにかかっています。出張所見直し問題については、理事者、そして議会の皆様におかれましても、ぜひとも聡明な結論を出していただきたくお願い申し上げて、壇上からの質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 せたがや政策会議、小泉議員の一般質問にお答えいたします。  職員の使命感、職員の意識改革をどのように進めるのかとのお尋ねでございます。  私は、区長就任以来、過去のよどみやしがらみを払拭し、区政の流れを変えることを掲げ、区政の刷新に取り組んでまいりました。そのためには、職員の意識改革、発想の転換を求め、何としても職員全員が区民の目線に立った行政へ取り組むよう指示をしてまいりました。  就任以来、各職場を回りました。そして、庁内放送を活用しました。職員の皆様方とお会いして、意見の交換を行ってまいりました。おかげで、徐々にではございますが、私の意のあるところが浸透してきているような実感を持っております。すぐやる課の設置にしましても、区民の立場で先送りやたらい回しを改め、スピード感を持って仕事をするという私の基本的な姿勢を形にしたものであります。その際にも、すべての職員が自分の課がすぐやる課ですと胸を張って言えるよう、全力で職務に当たるよう指示してまいりました。  今後も、あらゆる機会をとらえ、議員がご指摘されましたように、区民の目線に立った行政へと職員の意識改革にさらに努めてまいりたいと存じます。何とぞのご理解とご協力をお願いいたします。  その他につきましては、所管よりお答えいたします。 ◎佐藤 地域情報政策担当部長 私からは、出張所の件でございます。転入届を地元で受けない場合に、区は地区と新区民をどのようにつなげていこうとするのかということでございます。お答えいたします。  このたびの出張所改革につきましては、少子・高齢化の進展の中で一層の地域コミュニティーの活性化が求められる今日、地区まちづくりの強化を重視するとともに、窓口サービスの効率的な運営を両立させ、これからの時代にふさわしい新たな出張所を目指すものであり、新たなサービスとして福祉相談の実施、休日窓口の開設の試行、コンビニでの区民税や国民健康保険料の支払い等、全体としてのサービスの維持向上を図るものでございます。  お話にありました転入届の件でございますけれども、転入届けされる方の六割以上が区役所や駅近辺の出張所に届け出されている現状にあることや、この届け出自体が一生涯のうちにごくわずかである等のことから、このたびの改革では七つの拠点出張所へお越しいただくことを考えております。  ご指摘の地区といわゆる新区民がつながる契機につきましては、例えば転入された地区の生活情報を拠点出張所でご案内することや、情報機器を活用して地区の情報を提供するなどの方法を今後検討してまいりたいと考えております。  今後の仮称まちづくり出張所は、地区の拠点としてコミュニティーの一層の促進をそもそも目指すものでございます。新たに転入された区民の方々が気軽に訪問できる開かれた出張所を出張所長ともども目指していく必要があると考えます。ご理解いただきたいと存じます。 ◎西澤 政策経営部長 私からは三点にわたってお答え申し上げます。  まず第一点目は、ハードのまちづくり、ソフトのまちづくりともにあわせて行政の体質を切りかえ、対症療法から予防型の行政に変えていくべきと考えるが、区の見解を伺いたい、こういったご質問でございます。  まちづくりに多くの事例が見られるということで、問題が起きてから何とか動き出すという対症療法的な行政運営が多くなっているのではないかとのご指摘です。  議員のご質問の趣旨は、問題が起こる前に対処できるような仕組みを築く必要があるということであると認識しております。まちづくりに限らず、的確に区民要望をとらえ、これに迅速にこたえていくことは、スピードを旨とする熊本区政にあって最重要項目と考えてございます。予防型行政とのお話はございましたが、常日ごろより区民の目線で町の動きをとらえ、未然に問題解決を図ることができるよう、私どもとしてもそのための必要な仕組みを検討して、また調整を図ってまいりたいと考えております。  それから二点目でございますが、政策評価に当たっては、区役所の中の基準で考えずに区民生活への影響の視点を必ず含め、区民に公表すべきと考えるがどうかというご質問でございます。  現行の政策評価につきましては、各事務事業の担当者がみずから評価するという手法をとっております。その評価の中で、区民要望はどうなのか、地域特性の点からはどうなのかなどの点を踏まえていく仕組みをとってございます。しかしながら、職員みずからが評価を行うことにより、行政側の視点に偏ってしまう傾向も見られますので、これを補うために政策評価委員会を設けまして、外部の視点からの評価も行ってまいりました。  政策評価の仕組みにつきましては、今後見直しを検討することになっておりまして、区民の利便性ですとか利用者の満足度など新たな視点の導入や、区民にわかりやすい評価結果の公表の仕方等につきましても、具体的な取り組みに向けて検討してまいりたいと考えております。  最後に、三点目でございます。広報のあり方の抜本的な見直しについてのご質問でございます。  ご指摘のように、広報紙のあり方につきましては、既に決まったことをお知らせするだけではなくて、区が考えていること、これからやろうとしていることなどを時をとらえて区民の皆様に広くお知らせし、それに対するご意見を求めていくのがいわゆる政策広報としての本来の姿であると考えております。  「区のおしらせ」は、区民生活に必要な情報を掲載するということで、この間、区民の皆様方に定着してきたという面もございますけれども、ご指摘のような視点に立ち、定期号、特集号を含めた広報のあり方、その内容の充実などを工夫、改善し、区政と区民のパイプとなるよう努めてまいりたいと考えております。  以上です。 ◆三十四番(小泉たま子 議員) 区長におかれましては、しっかりしたリーダーシップでもって職員の意識改革に果敢に取り組んでいただきたいと思います。世田谷の未来は職員にもかかっている。地区の力にもかかっていますが、職員の力も大だと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。  それから、出張所のことなんですが、今のご答弁で、ごくわずかの申請なので駅の近くでやっていただくというような言葉がありましたけれども、区民からすれば、ごくわずかだから近くでできるというような考えも浮かんでまいります。町田などではかなり厳しく転入者の方には指導しているようですので、参考にして、またそれもお願いしたいと思います。  それから、対症療法型行政から予防型行政ということについてですけれども、前もってトラブルが起こらないというのは、これは当然ですけれども、世田谷区は全国をリードしてきた自治体であるわけですから、その素地は十分ですので、新しい大きな視野を持って地域社会の変化を予測し、区民全体で思いを共有して新しい世田谷をつくっていく、こういうような姿を見せていただきたいと思うんですが、そのことともう一点、新しい区の広報、政策情報を盛り込んだ広報は、いつ区民の目に触れられるんでしょうか、お尋ねしたい。その二点です。 ◎西澤 政策経営部長 小泉議員の二点のご質問にお答えいたします。  まず、第一点目の点でございますけれども、今、世田谷区では基本計画を策定中でございまして、その中で、世田谷らしい、区民のだれもが元気で夢を持って暮らしていけるような、そういった施策を打ち出してまいりたいというふうに考えておりまして、議員ご指摘の点も踏まえて、大きな視点を持って区民とともに新しい世田谷をつくり出していきたいと、このように考えております。  それから、政策広報の点がいつからかというふうなご提案でございますけれども、今後も区民の皆様に区が考えていることですとかこれからやろうとしていることなどをよりよくわかるようになるためには、現在あります「区のおしらせ」等をより充実を図っていくということになります。そのため、できるだけ早く工夫をいたしまして取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆三十四番(小泉たま子 議員) できるだけ早くというのは、いつでしょうか。 ◎西澤 政策経営部長 現在、「区のおしらせ」は、これまでも機会あるごとに定期号や特集号などでさまざまな計画の素案ですとか条例段階での内容を公表して区民のご意見をちょうだいするなど、政策広報としての機能も果たしてまいってございます。ですから、私どもといたしましては、現在でも「区のおしらせ」でそういった機能を果たしていると考えておりますが、議員ご指摘の点につきましては、なるべく早い段階からできる限り早くそういったものを盛り込んだ形での広報を出してまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。  以上です。 ○宍戸教男 議長 以上で小泉たま子議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、二十七番山口拓議員。    〔二十七番山口拓議員登壇〕(拍手) ◆二十七番(山口拓 議員) 通告に基づき、順次質問をしてまいります。  まず、ペットボトルについてお伺いをいたします。  現在、ペットボトルは、ミニボトルや加熱用ボトルなど多様化し、生産量は年々増加しています。そのような増加の中、ペットボトルは貴重な環境資源として見直されつつあります。環境保護の点からも、モラルの点からも、これをリサイクルするために消費者のリサイクルについての正確な理解、自治体の細やかな改善策、企業の積極的な取り組みが求められます。  ペットボトルの再利用については、新品の値段が安く、廃棄処理、処分までのコストが安いのに比べて、再利用は、捨てられた後回収をされ、再利用するまでのコストもその数倍となり、再利用品自体の値段も当然割高にならざるを得ず、リサイクルの取り組みは積極的でなかったというのが実情です。  そんな中でも、一九九七年の容器包装リサイクル法のペットボトルへの適用により、九五年には約二%だった回収率が、現在では生産量の約半分程度まで上昇しました。さらに、民間企業による回収されたペットボトルから新しいペットボトルをつくり出すボトル・トゥ・ボトル技術の開発など新しい技術も生まれています。  世田谷区においては、これまでコンビニなどの店頭や公共施設での行政回収を実施しています。しかしながら、今述べたように、ペットボトルのリサイクルの機運が高まっている一方、ペットボトルの生産量、行政回収量、ごみとして捨てられている量などの実情が実は不透明でわかりません。  そこで、まずお伺いをいたします。今後リサイクル事業を展開する上で、世田谷区はペットボトルの生産量、行政回収量、ごみとして捨てられている量など現状をどのように把握しているのか、お聞かせをください。  さて、容器包装リサイクル法では、消費者、自治体、事業者の責任分担を明確にしておりますが、実情はほとんどが行政回収で、企業による回収はこの九年間進んでおりません。実際に複数の飲料メーカーへ取材を行ったところ、ペットボトルの自社回収を行っていると答えた企業はわずか一社で、それ以外の企業はリサイクル意識を持ってペットボトルのみの自社回収は全く行っていないという結果でした。また、回収していると答えた一社も、その回収量は生産量の一%にも満たない量であるとの回答でした。さらに、現行の容器包装リサイクル法では、行政の経費負担が重く、一方、企業の経費負担が軽いという矛盾を抱えています。  現在、容器包装リサイクル法の改正の動きがありますが、この際、生産者としての企業の回収努力を促すため、各企業の生産量に対して回収量の数値目標を設定して義務化するなどの対応が必要です。  そこでお伺いいたします。こういった行政の対応が企業に新しいリサイクル技術の開発やリサイクルしやすい製品の開発を行うインセンティブを与えるという観点からも、また、容器包装リサイクル法について、改正に当たり企業の生産者責任を強く求めるべきと思いますが、この点について区の考え方とどのような具体的行動をとろうとしているのか、お伺いをいたします。  続いて、NPOに対する支援についてお伺いをいたします。  平成十年十二月に特定非営利活動促進法、通称NPO法が施行され、早いもので六年がたとうとしています。現在ではNPOの数は日本全国で一万六千五百四十九団体あり、毎月五百団体前後が新たに認証されている現状です。世田谷区内でも百八十五団体とかなりの数のNPOが存在しています。ある国民調査によれば、NPOを十分に知っている、あるいはある程度知っていると答えた人は四四・三%に達し、三年前の調査に比べ二・五倍に増加をしています。これらが示すように、現在NPOは市民活動の中で急速に浸透しつつあります。  NPOは、行政では難しい機動力や柔軟性を持った存在としての役割が期待をされており、また、政府、自治体や企業では扱いにくいニーズに対応するといった社会的な役割を担うようになってきています。そして、その分野も、福祉や環境、芸術、まちづくりなどと多岐にわたっております。最近では、こうしたNPOと自治体との協働の必要性が盛んに唱えられ、全国でも八割以上の自治体がNPOに事業を委託しています。世田谷区においても、パートナーシップ事業としてNPO等との連携が進められています。このような流れは今後も加速し、NPOの社会的重要性はますます増大をしていくであろうと考えられます。  まず、そこでお伺いをいたします。現在、世田谷区としてはNPOにどういった支援をしているのか。また、今後、具体的にできる支援としてどのようなことが考えられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。  今後、NPOがさらに発展をしていくためには、やはり幾つかの課題や問題点があります。その中でも一番に挙げられる問題といえば財政面です。例えばNPOの財源には、会費、自主事業収入のほかに、行政からの委託金、補助金や民間団体からの助成金、市民からの寄附金などが挙げられます。しかし、大半のNPOはその資金繰りに非常に苦労をしているというのが現状です。活動のさらなる発展と支援のためにと、民間銀行でもNPOに対する融資を行っているところがありますが、株式会社等の営利法人に比べると、融資を受けるのには非常に厳しい状況であります。いわばこの資金繰りこそが、もう一段の事業拡大や組織の充実に支障を来している一因となっているとは言えないでしょうか。  そこで、区や区民の求める今後のNPOのさらなる発展のためには、自主運営による財源確保は当然のことですが、自治体からもNPOに対して財政的に積極的にサポートすることが求められているのではないかと私は考えます。先ほど自治体とNPOとの協働といったことを申し上げましたが、協働を行う最大の目的がNPOに委託をすればコストがかなり安上がりで済むというようなことではいけません。NPOとの協働を進めながら、NPO側の財政事情には見向きもせず、知らぬ顔を押し通すということは決して許されないのです。真の協働を推し進めていくためにも、世田谷区としてNPOの財政的支援をすることが必要かつ早急に求められているのではないでしょうか。  そこで、現在、世田谷区で行われている企業融資の制度をNPOにも適用してはどうでしょうか。一から新しい制度をつくるのではなく、追加としての形をとれば、現実的に見ても可能なのではないでしょうか。実際にこういった形でのNPO融資を実現させている自治体の数も、まだまだ少ないですが、実在し始めています。先ほど申し上げたとおり、世田谷区のNPOの数は全国的に見てもかなり多いのですから、こういった制度に対する需要も多いと思われます。この制度を通じ、NPOの事業、活動の拡大、発展はもとより、さらなる期待と新たなる雇用の機会、促進、停滞の続く産業振興にも必ずつながると考えます。世田谷区でも他に先駆けてNPO融資制度を整備するべきなのではないでしょうか。  そこでお伺いをいたします。NPOにも企業融資の制度を取り入れ、さらなる発展を望むべきという意見を踏まえた上で、NPOへの融資または融資あっせん制度をつくるべきと考えますが、区は今後どのように考えていらっしゃるのか、お聞かせをください。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎堀川 清掃・リサイクル部長 ただいまペットボトルのリサイクルにつきまして二点ご質問をいただきました。  まず一点目のペットボトルの生産量等の現状の把握をどのようにしているかというご質問についてお答え申し上げます。  この量につきましては、現在、リサイクル推進協議会というところがございまして、この協議会につきましては、ペットボトルのリサイクルの啓発等を目的といたしまして製造メーカー等で設立されているものでございますけれども、この協議会の資料によりますと、平成十四年におきましては国内のペットボトルの生産量は約四十一万トンでございます。また、行政回収量は約十九万トンでございまして、回収率は約四六%となります。これに鉄道会社などの事業者みずから回収する量を含めますと約二十二万トン、回収率は五三%ということになります。残りの部分につきましては、明確なデータがございませんが、そのかなりの部分がごみとして排出、廃棄されているものと思われます。  一方、区内におけるペットボトルの消費量の把握は、これは物理的に困難でございますが、コンビニエンスストア等の店頭及び公共施設における行政回収量は年々増加しておりまして、平成十五年度には約九百三トンとなっております。  いずれにいたしましても、ペットボトルは軽い、割れにくいなどの利便性により今後生産量は増加するものと考えております。  次に、容器包装リサイクル法の改正の動きに対して、これに対する区の考え方はという質問についてお答え申し上げます。  容器包装リサイクル法につきましては、国内で初めて拡大生産者責任の考え方を反映した、当時としましては先駆的な法律でございましたが、事業者がリサイクル全体の責任を負うという形にはなってございませんで、いわゆる収集、運搬、保管等を地方自治体の責務としております。したがいまして、ご指摘のとおりペットボトルの回収につきましては、区による行政回収が中心となっております。また、費用負担の点を見ましても、負担の割合につきましては、自治体が七割に対し、事業者は約三割とも言われております。この結果、容器包装のごみの発生抑制は働かず、いわゆる大量生産、大量消費、大量リサイクルという実態を招いているというふうに考えているところでございます。このように容器包装リサイクル法につきましてはさまざまな問題があることから、この見直し、改正は必要であるというふうに考えております。  区といたしましては、かねてから拡大生産者責任の確立が重要であるとの観点から、一点目としまして、地方自治体と事業者の負担のあり方や適正な役割分担について、二点目といたしまして、事業者による自主回収、再商品化システムの構築などについて、この二点を全国市長会を通じて繰り返し国に要望しております。  あわせまして、平成十四年度から容器包装プラスチックの回収実験も行っておりますし、今年度は、コストの面でありますとか環境負荷等のシミュレーションを行い、議員ご指摘のとおり平成十七年度の容器包装リサイクル法の見直しに向け、国の動きに留意しながら区としての考え方の整理を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ◎青木 生活文化部長 NPOの支援に関連して二点ご質問をいただきました。  初めに、支援の現状と今後の考え方についてご答弁を申し上げます。  公益的な市民活動の促進に向けまして、資金、情報、相談あるいは場の提供など、NPOの活動状況に合わせ、さまざまな支援策をこれまで講じてきております。  資金につきましては、区民や事業者からの寄附による地域保健福祉等推進基金を活用いたしまして、NPOの自立を促進するための自立促進支援事業と、区との協働による協働事業の二つの助成事業を実施しております。  また、情報、相談、学習につきましては、文化生活情報センターとの連携、協力によりまして、NPOが情報発信できるせたがや市民活動元気ネット、市民活動相談や会計相談、NPO講座をそれぞれ実施しております。  特に場の提供につきましては、これまで会議スペースとして設置をいたしました市民活動支援コーナーに加えまして、NPOと区民との交流やNPOの自立促進を支援する場といたしまして、旧中町職員寮を活用し、仮称NPOセンターの開設を進めているところでございます。  今後は、この仮称NPOセンターをNPOと区民とが有効に活用し、NPO自身が市民活動に対し人材や資金、情報、物資など、さまざまな支援をしていけるようになればと考えております。大きな期待を込めながら、さまざまな視点に立ってNPOの自主性に対応した支援策を検討してまいります。  次に、NPOへの融資あるいは融資あっせん制度についてのご質問がございました。  現在、中小企業に対しましては、経営基盤の安定と発展を図る融資あっせん制度を実施しておりますが、東京信用保証協会の信用保証を受けることが融資実行条件となる場合がほとんどでございます。ところが、NPOは、東京信用保証協会の保証業種にはなっていません。また、多くの場合、返済に十分な経済力や担保を持っていないことも事実でございます。そういう意味で、現行制度の中で、金融機関の協力を得て、NPOを融資あっせん制度に組み込むことは難しいと申し上げざるを得ない状況でございます。  NPOは、その性格上、経営感覚は求められますが、経済活動よりも社会貢献という形での活動、これが基本となるのではないかと思っております。そういう意味で、区としては返済を伴う融資あっせんよりも、当面、寄附金を原資とした助成金の充実、もしくは民間の寄附金のNPOへの誘導を図っていきたいと考えております。  ただし、全国に目を転じますと、お話にもございましたが、特に地方の地域金融機関、こういったところが社会貢献の一環としてNPOに融資をし始めている、そういうケースもございます。また、資材や寄附金等でファンドを設けまして、財政面からNPOを支援するNPOも活動を始めている、こんな状況もございます。こういった点も研究させていただきながら、より一層NPOの支援策を充実させていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆二十七番(山口拓 議員) まず、ペットボトルの方からなんですが、容リ法に矛盾があって欠陥があるということは、区も今の答弁にもあったように認められているところなんですね。この九年間何も変わらなかったことの方がむしろ問題があって、区は強い立場でぜひこれは改正に向けて臨んでいただきたいと思っています。  今たびたび出てくる事業者という言葉なんですが、ここは非常にくせ者でして、今お話があった鉄道事業者とかというのは、言ってみればいわばグループ回収の部分であって、それは生産者ではないんですね。その生産者に直接問い合わせをしてみると、ほとんど回収はしていません。自主的に何かを取り組んでいることは一切ありません。お答えをする必要すらありませんという業者だってある。これは非常に問題があるんですね。ところが、行政に聞くと、事業者回収は五%から三割ぐらいありますと、そういう答えが返ってくる。これは意味が本来全く違うわけですから、こういった実態、状況をしっかりと把握することで一つ一つの問題解決につながっていくわけですし、こういったごみに何が入っているのかわからないという状況が五〇%以上あるわけですから、これが続いていくというのは非常に問題がある。  区民にしっかりと分別するものを求めるのであれば、事業者にこれを求めるのは当然区の責務だと思いますので、そういった行動、実態把握をしっかりと事業者に対しても、生産者に対してもされていくおつもりがあるか、まずお聞かせください。  NPOの方に関しては、具体的支援というのはさまざまな側面から研究、検討を重ねて、ぜひ世田谷独自のものをどんどん確立してつくっていただきたいと思います。お話しのとおり、確かに保証協会の保証の団体の枠にも入っていませんし、まだまだ非常に難しい面もたくさんあると思うんですが、その前提として、やっぱりNPO法人が今どういう実態にあって、どういう活動をしていて、実在をしているのかも含めて、その調査というのが非常に重要だと思うんですが、まず区はそれをするおつもりがあるか、お聞かせをいただきたいと思います。 ◎堀川 清掃・リサイクル部長 いわゆる生産者に対して調査ないし責任を求めていくというお尋ねでございますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたように、現在の法律ではいわゆる回収、収集が自治体の責務になっているということから、今、議員ご指摘のような生産者の発言になるんだろうというふうに状態を認識いたしております。  そういう意味で、法律の改正は何としても――そういう自治体がまさにそれで悩んでいるわけでございますので、それから解消できるような形で国への働きかけを強めていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ◎青木 生活文化部長 NPOの実態を調査するつもりがあるかというお尋ねでございますけれども、実は、つい先ほどなんですが、まず庁内、世田谷区の区役所の中、各セクションがどれだけNPOと事業の委託も含めて連携関係にあるのか、調査をかけているところでございます。いずれ近々結果が出てまいるかと思いますが、またその結果につきましては別途ご報告させていただきたいと思います。
     以上でございます。 ◆二十七番(山口拓 議員) さまざま申し上げましたが、やっぱり今取り組んでおかなければ、この先どんどん取り組むことが困難になっていくことだと思いますので、積極的に、弱気にならずに、新しい施策についても、またやるべきことも、どんどん進めていただくように要望して、質問を終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で山口拓議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、一番大場康宣議員。    〔一番大場康宣議員登壇〕(拍手) ◆一番(大場康宣 議員) 質問通告に基づいて何点か質問いたします。  ここ数年、私はこの壇上から、まちのにぎわい、地域の活性化という観点から観光施策というテーマを継続的に取り上げてまいりました。熊本区長が誕生してから一年、観光施策は区の主要事業の一つに位置づけられるようになりましたし、国や東京都においてもさまざまな観光事業が展開されております。この議会では、産業振興とスポーツ大会といった、また少し違った観点からお聞きしたいと思います。  私は、先月十六日、障害者と健常者が一緒に走れる東京シティロードレースに参加してまいりました。都心の千代田区日比谷公園から新宿区の国立競技場まで、めったに走ることのできない東京の都心の道を十キロ。完走した満足感は何物にもかえがたいものがありました。  このレースコースは、あの東京国際マラソンの最終区と同じコースで、有名な心臓破りの丘を走るようになっています。参加者は、一般の部、車いすの部、視覚障害者の部、知的障害者の部、移植者の部に分かれ、集まったランナーの総数は何と五千人を超えているようでありました。中には俳優の赤井英和さん夫婦の姿もありました。時折小雨の降るあいにくのコンディションでしたが、都心の木々の緑の美しさに心が洗われるようでありました。世界のトップランナーと同じ体験、同じコースを走る快感もさることながら、たくさんの参加者の方々と知り合えたことも私には多くの収穫でありました。  ロードレースを都心で開催することの費用と人手は大変なものがあると思いましたが、自宅に戻り、東京シティロードレースのホームページを見てみますと、さすが東京都、きちんと数字が積算、公表されていました。レース開催の経費としては七千五百万円が費やされたのですが、その経済波及効果、生産誘発額と言うそうですが、東京都で九千百四十万円、全国では何と一億三千九百六十万円の経済波及効果があったとインターネットに載っていました。  そこで、我が世田谷区に話を移したいと思いますが、区内のスポーツイベントと申しますと、スポーツ振興財団が行う数々の大会がありますが、大きな大会としては、やはり区民スポーツまつりが挙げられるでしょうか。これらの大会について、参加人数などの公表、報告はきちんとなされてきましたが、産業振興という観点からの経済波及効果といった分析、お話はなかったように思います。  確かに財団が開催するスポーツ大会や生涯スポーツの振興といった事業は、高齢者の健康づくり、子どもたちの体力向上といった医療費や社会福祉費用の削減といった社会的コストの削減効果は言われています。しかしながら、こうしたスポーツ事業の経済波及効果という点に着目し、スポーツ大会などを、区内産業との連携を強め、区内の観光資源の一つとしてとらえ、事業のあり方、進め方を見直していくのも一つの考え方ではないかと思います。まず、教育委員会からのお考えをお伺いしたいと思います。  たしか出雲市では、当時の岩國市長が大学駅伝マラソンを地域活性化イベントの一つとして、出雲国づくりマラソンを始めたと記憶しています。世田谷のネームバリューを高めるため、世田谷ブランドを利用するなどの工夫をすることで、実はスポーツ大会開催は単なる金食い虫ではなく、金を生むコガネムシになるという発想の転換が必要であります。  地域経済の活性化を進める区の立場で考えますと、スポーツ大会に観光という視点を加えることは、世田谷に元気を与えるカンフル剤とも言えます。駒沢競技場からスタートし、目黒区や渋谷区との共同開催によるシティマラソンコースも考えられるかもしれません。総合運動場を起点とするレースも、国分寺崖線の高低差もあり、おもしろいかもしれません。また、マラソン以外でもさまざまなスポーツイベントが考えられます。  そこで、産業振興という立場から、区を超えた外からスポーツ大会を誘致するなどの取り組みも考えられますが、区のご見解をお聞かせください。  次に、町会、自治会の境界といいますか、その区域割の見直しをすべきではないかという、まあ、これは行政の権限でないところの問題ですので、一種の問題提起というふうに受けとめていただき、お聞き願いたいと思います。  新しい住居表示制度が導入されまして、もうどれぐらいになりますか、ちょっと記憶が薄れてしまっているのですが、今の町会の区域は、その当時の区域を引きずっているところもあるようです。当然、歴史的な問題や伝統ということもあるので、一概に否定できないのですが、例えば当然学校の区域とも大きくずれていることも珍しくありません。区役所、警察署、消防署、税務署もそうですね。それぞれ管轄を持っています。  ところが、設置数が違うこともあって、その管轄区域の境界がそれぞれ微妙に入り組んでいる実態があることは、皆様も既にご承知のことだと思います。これに五総合支所の管轄区域を重ね合わせると、ますますわかりにくくなってしまいます。それぞれの官公署の設置主体や目的、歴史が違うので、これを直ちに改善しろと言っても無理な話であることは私も承知をしておりますし、本日取り上げたいテーマではありません。このようなことを申し上げましたのは、一つの例えとしてであります。きょうの本題に入りたいと思います。  最近私が受けた相談に、このような事例がありました。ある区民の方が近くに家を建てかえて引っ越しをされました。前の居住区のすぐ近くであるために、当然今まで所属していた町会の会員のつもりでいたところ、町会境が入り組んでいたため、隣接していた町会に改めて加入せざるを得ないことがわかり、複雑な思いをされているという事例です。  私もいろいろ調べてみましたが、確かに街区や道路などで町会境がだれが見てもわかりやすく区切られているところばかりではないことを改めて実感したところであります。ある意味で、不合理、非効率的であると言ってよいと思いますが、一方で、それぞれの町会、自治会も長い歴史を刻み、実績を積み上げてきております。また、任意の民間団体であり、その自主性、自立性は最大限尊重されるべきことは言うまでもありません。基本的には、町会、自治会同士が相互に問題意識を持って、時間をかけて話し合いを重ねることで解決すべきであることではありますが、ただ、だれかが声を上げないと、なかなか具体的な動きに結びつかない問題でもあります。区がイニシアチブとって乗り出すべきことではありませんが、町会、自治会の今後の発展や加入率の促進といった見地から、何らかの問題提起なりアドバイスをしていくことはあってもいいのではないかと思いますが、お考えをお尋ねいたします。  また、この間、出張所改革の取り組みにつきましても、職員数や新しい体制などをめぐって混乱があったようですが、その反面、これまで地域、地区の発展や区政運営に町会、自治会を初め各種団体の皆様がどれだけ大きな貢献をされてきたか、改めて再認識されたと言ってもよいと思います。他区と比較しても、世田谷区は支援の水準が高いとは申せません。数字だけではあらわすことのできない貢献度にもっと目を向け、支援を強化すべきであると思いますが、あわせてお考えをお尋ねいたします。  最後に、総合支所と地域の活動団体のあり方について少し伺います。  町会、自治会の問題を取り上げましたが、地域にはさまざまな活動団体が生まれています。少年野球やサッカーの団体の活動はどこでも盛んですし、最近は学校単位のおやじの会の活動もよく聞かれます。新しい出張所の体制もようやく形が見えてきましたが、地域を預かる総合支所として、こうした新しい地域の活動団体が生まれる機運をどう高めていき、連携していくのか、何かお考えがあればお聞かせください。  それに関連して、もう一つ気になっていることについて伺います。  現在の総合支所では、子育てや福祉関連、まちづくり、教育など、各種活動団体との窓口は縦割りで対応することが多いように感じています。子育てサークルは保健福祉センター、まちづくり研究会は街づくり部、町会、自治会は区民課、身近なまちづくり活動は地域振興課というわけで、縦割り、ばらばらというのが現状です。こうした活動団体全体をコーディネートする機能の強化が総合支所には必要だと思いますが、支所長の見解をお伺いして、以上で壇上からの私の質問を終わります。(拍手) ◎庄司 教育次長 観光資源としてのスポーツ大会、教育委員会としての考え方を問うという質問でございます。  区はこれまで、いつでも、だれでも、どこでも、いつまでもスポーツに参加できる生涯スポーツ社会の実現を目指してまいりました。今後は、これに加えまして、みずから参加するスポーツという面だけでなく、選手を応援し、見るスポーツという側面にも注目していくことが必要だろうと考えております。  議員がご参加されました東京シティロードレースのような集客力のある大規模な大会の開催は、区内では数少ないのが現状でございます。とはいえ、時には駒沢オリンピック公園で全日本選手権といった大規模な大会が催されることもあり、将来的には、区民の参加の機会拡充と経済効果の両面から、区がこのようなイベント誘致に取り組むことも課題となってくると存じます。  当面、産業振興部門とも連携をとりながら、スポーツ振興財団とともに、観光資源としてのスポーツ振興のあり方について調査研究してまいりたいと考えております。  以上です。 ◎堀 産業振興部長 区内産業振興という立場からスポーツ大会などの誘致を考えてはどうかというご質問にご答弁申し上げます。  ご提案いただきましたスポーツ大会の誘致等につきましては、お話しのように経済波及効果も期待できる取り組みと考えております。その点からは、まさにお金を生むコガネムシとも考えられます。ただ、私どもは、ご案内のように観光事業は初めての取り組みであります。したがいまして、議員のお話にもありましたように、さまざまな催し物をまちのにぎわいと産業振興という視点からとらえた対応をしていかなくてはならないと考えておりますので、ご提案の件も参考に、今後の観光事業に取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◎青木 生活文化部長 これからの町会、自治会のあり方について、問題提起を含めて二点ほどお尋ねをいただきました。  現在、世田谷区町会総連合会に加入しております町会、自治会は百九十六団体を数えます。お話にありますように、それぞれの団体の区域や加入世帯数は大小まちまちで、境界線が入り組んでいるところも少なくございません。もともと地域、地区の共同体が発展して今日に至っており、その歴史は古くさかのぼります。現在のような状況が生じた一番の理由は、住居表示の制度に尽きるのかなと思っておりますけれども、これをどう改善していくべきか考え、結論を出せるのは、それぞれの町会、自治会でございまして、区が直接乗り出せない問題であることはご指摘のとおりでございます。  ただ、時代も変わり、さまざまな区民活動が活発化する中で、これからも従来のままでいくのではなく、境界線問題も含めて新たな町会、自治会のありようを模索する動きも当然出てくるものと予測をしております。本会議での議員の問題提起を町会総連合会にお伝えし、十年、二十年先を見越した地域コミュニティーのあるべき姿を一緒に考えてまいりたいと思います。  また、支援の強化についてご質問をいただいておりますが、十六年度は前年度より補助金の増額を実施させていただきましたが、他区と比較いたしましても、まだ充実の余地があることはご指摘のとおりだと思います。出張所改革を進める過程で多くの議論が交わされましたが、いわゆるまちづくり関連の事務の中に、数字だけでは到底あらわすことのできない町会、自治会と各種団体の区政への貢献度が、改めて職員も含め多くの区民の皆様にも再認識されたものではないかと思っております。  現在、あらゆる事業の見直しを行っておりますが、町会、自治会の支援につきましても、経済効率の視点だけではなく、さまざまな角度から評価をし、所管といたしましては、補助の透明性を高めつつ、支援策の一層の強化に全力で取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎長原 世田谷総合支所長 私からは、総合支所と地域の活動団体のあり方につきまして二点ほどお答え申し上げます。  まず、新しい活動団体が生まれる機運をどう高め、連携していくのかというお話がございました。  お話にもありましたとおり、地域におきましては、例えば野球やサッカーなどのスポーツ活動、学校ごとのおやじの会などさまざまな活動団体がございます。一方、総合支所では、地域住民に密着した総合的なサービスの展開、地域の実情に沿ったまちづくりや地域福祉の推進などを展開しております。  そこで、今後ますます社会情勢が複雑・多岐化、高度化することが見込まれる中で、地域の活性化の原動力でもある地域住民の活動が生まれる環境を整備し、活動団体間の連携を深めていくことが重要になってまいります。このように理解をしております。この観点に立ちまして、活動団体が生まれるための環境の整備や連携に今後とも努めてまいります。  それから、地域活動団体と接する窓口の縦割り、これをなくして全体をコーディネート化せよというお話がございました。  この間、総合支所が組織的にも拡充されてきた一方で、お話しのように、窓口が縦割り化になっているということは否めません。できる限り支所内の調整会議などで情報の交換、共有化などを図り、地域活動団体相互のつながりを深められるように留意をしてきておりますが、今後とも、地域のさまざまな団体が有機的に結びつき、活発な活動が進んでいきますように、さらに努めてまいります。  以上でございます。 ◆一番(大場康宣 議員) 再質問させていただきます。産業振興部長様にお尋ねいたします。  観光資源としてのスポーツ大会についてということで、参考にしていきたいというお話でしたが、近々一、二年でやるというような積極的な答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎堀 産業振興部長 観光事業につきましては、今回いろんなところからご提案いただいておりますが、等々力渓谷の事業で一つの目的を持って実施いたしました。その成果と評価も私どもはしておるんですが、私ども産業振興部だけではできないという、これはまだ全体にはやっておりませんが、その結論を私自身は抱いておりますので、ご提案の趣旨を踏まえましては、区ではいろんな事業もしておりますし、いろんな観光資源がありますので、そのような中から、まちのにぎわい、あるいは経済の活性化として、あわせて世田谷のブランド力向上という視点で取り組んでいけるように、一年以内という時間は申し上げられませんが、もしマラソン大会ということが実現できるのであれば、その所管等ともあわせまして、また、区民の皆さんとも連携した対応をしていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆一番(大場康宣 議員) 終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で大場康宣議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、三十三番平山八郎議員。    〔三十三番平山八郎議員登壇〕(拍手) ◆三十三番(平山八郎 議員) 自由民主党区議団というのは非常に夢も希望もございまして、本当にすばらしい集団だと思いますよ。今のお話などあってね。  その区議団ですが、昔から地方税の問題で再三再四物を申してきたんですが、一向にらちが明かない。幸い、熊本区長は都議会議員経験者でもありますので、今度は二十三区を束ねて物を申してもらいたいと思うことは、本来、特別区民税であるべき区民税が、言葉が悪いですけれども、東京都にピンはねされちゃっているんですよ。これは戻してもらいたいんです、本当に。  例えば、普通税のうち固定資産税も、特別土地保有税も、あれは区のものなの。それを都が今使っている。一銭もくれない。幸い、今、財政調整制度がなくなったんですから、いい機会だと思うんですよ。あるいは目的税にしたって、事業税、これだってあなた、都が押さえちゃっていて、区にくれない。都市計画税だってそうでしょう。自動車そのものは、これは区内だけじゃない、東京都も走るから、自動車税はしようがないなと思うけれども、軽自動車はそういう意味では主に区内を走るということで、軽自動車税だけは区にくれているんですね。  そんな形からいえば、固定資産税だって、世田谷区内に資産があるから固定資産税なんですよね。事業所があるから事業所税。こうしたものをやっぱり区に戻すべきですよ。この辺をやっぱり区長にひとつ気合いのかかった答弁をいただきたいと思いますよ。  それから、同じように、就学前の幼児教育の問題が大きく今日取り上げられていましたし、四月には子ども部というのでつくられましたよね。伺えば、この問題では、厚生労働省も、それから文部科学省も、それぞれに引っ張りっこして、綱引きしちゃっているというんだ。うちの方の部門だという形でね。これは何でというと、ちょっと難しいけれども、読んでみます。幼児期は、生涯にわたる人間形成の基礎が培われ、極めて重要な時期であることから、区は、幼児教育の専門施設である幼稚園の教育活動、教育環境の充実とともに、保育サービス施設における幼児教育力の向上、幼児期の家庭教育への支援、地域社会における子育て環境の整備など、就学前のすべての幼児に対する教育の向上を図っていく。  これは前々からいわゆる幼保一元の事業をやるべきと私も申し上げておりましたが、やっと国も動き出したようです。だけれども、国が綱引きしているからって、この総合施設に対しては、世田谷区が保健福祉部、教育委員会あるいは子ども部なんて三者が綱引きするようなことがないように、前もって申し上げておきますよ。  殊に、今難しく申し上げましたけれども、保育園と幼稚園の機能を一体化した新しい総合施設と。たまたまこの間、七日、品川区が新しい総合施設を発足いたしました。百人収容して、朝の七時半から夜の八時半まで。極端に言えば、午前中は幼稚園の機能を持たせ、午後は保育園の機能を持たせる。これはすばらしいことじゃないですか。  たまたま今の法律でいうように、現行、幼稚園の制度では、区がその運営を委託することはできない。品川の場合は公設民営になっているんですね。ですが、幼稚園という名前がつくと委託ができない。私立幼稚園の園長先生たちがつくっている特定非営利活動法人――横文字は言わない。これにすら委託できないというので、総合施設を特別につくって、独自の幼児教育施設だといって委託をするということでありまして、これは言うなら、まさに日本の未来、それから世田谷区の礎になってくださる子どもたち、大事な将来の基盤を担ってくれる子どもたちの教育問題ですから、僕は非常に大事なことと思っているんですよ。これはできれば同じように早々に発足していただければと思うんですが、これから今度、美しい日本語に入るんですよ。  世田谷でも、どうも言葉にとらわれて僕は残念だけれども、十六年度主要事務事業概要の三一ページの中に「美しい日本語を世田谷の学校から」と書いてあるんですが、せっかくそう言っているんだから、せたがや夢育だとか、それから品川なんかじゃ、プリスクールとか、スクスクールなんて、こんな言葉を軽々に言って、それで教育だと僕は思わない。何も論語のような言葉を使えとは言っちゃいませんよ。だけれども、こんな軽薄な言葉を使って、さあ、幼児教育だって四股を踏まれたのでは、僕は教育そのものに対する心配もしますね。もう少し根性を据えて、玉の汗を流すような心意気でもって教育というものに取り組んでもらわなくちゃ、こんな軽薄な、何をやるんだかわからないようなこと、これが日本語かと言いたくなる。そういう意味で問題提起を私はしているわけであります。  それぞれに問題を提起してきましたので、お答えはその中から拾い出してお答えをしていただければと思うんですが、どうぞよろしくお願いいたします。  壇上での質問を終わります。(拍手)    〔熊本区長登壇〕 ◎熊本 区長 ただいまの自民党、平山議員のお尋ねにお答えしますが、質問の中から勝手に拾って答弁しろというようでございますけれども、私と意を同意にするものですから。  おっしゃられるとおり、都区財政調整制度、また、それを初めとして都区間の関係改善は、私はかねてから主張してきているところでございまして、区長に就任いたしましてからも、さらにこのことにつきましてはその実現に向けて努力をしてまいります。議会側の皆様方のご支援もあわせてお願いする次第です。  以上です。    〔山田助役登壇〕 ◎山田 助役 それでは、平山議員のご示唆に対してお答えを申し上げたいと思います。  保育園と幼稚園の機能を一体化した新しい総合施設に関して、幼児教育の重要性との関係で、速やかに、綱引きなどをせずに取り組むべきというご指摘であったかというふうに思います。  先ほどお話がございましたけれども、幼稚園、それから保育園の機能の一元化等の問題につきましては、これまで国においてはいわゆる縦割りで議論をされてきております。厚生労働省の社会保障審議会の児童部会、それから中央教育審議会、幼児教育部会といったところでおのおの検討されてきたところでございます。いわば縦割りの一つの典型的な例としても挙げられてきたような分野でございます。しかし、国におきましても、最近、両者の合同検討会が発足したということでございまして、本年七月ごろを目途に中間まとめも出されるというふうに伺っております。  一方、区におきましては、まさに区民の皆様に最も身近な自治体でございますので、縦割りで検討を進めるといったようなことではなく、子ども部と教育委員会が合同で検討会をつくっております。いわばプロジェクトチームとして集中的に現在議論を進めているところでございます。  先ほどご指摘のありました綱引きといったようなことはないようにしながら、今後、検討会の結論が得られた後は、実施に向けて各担当におきまして行うべき作業を明確にし、速やかに進めてまいります。このように関係所管連携のもと、区一丸で取り組んでいるという理解でございます。  世田谷におきましては、例えば幼児期は十分な保育をどんな状態であっても提供する。それから、三歳以上になれば、どんな機関に通っていても十分な幼児教育の機会が与えられるといったようなことを胸に、今後取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞご理解をお願いしたいと思います。  以上です。 ◎髙山 教育政策担当部長 ただいま「美しい日本語を世田谷の学校から」ということで発信している教育委員会あるいはその事業名につきまして大変厳しいご意見をちょうだいいたしました。お答えをさせていただきます。  今ご指摘がございましたように、教育委員会では平成十五年度から「美しい日本語を世田谷の学校から」という事業を開始いたしまして、言葉への関心や理解を深めまして、言葉を大切にする教育活動を教育全体で推進しているところでございます。  ただ、今お話にございましたように、夢育という事業のお話がございました。この事業につきましては、まだ仮称の段階ではございますけれども、本年度よりスタートいたしまして、区立の中学生を対象にいたしまして、土曜日、通常の授業では触れることができない先駆的、先進的な活動を体験させまして、生徒の知的好奇心を刺激いたしまして学習意欲を高めまして、区立中学校の魅力を向上させるために、教育ビジョンの先行事例として今年度実施する予定で考えてございます。  今、名称についてのお話がございました。確かに私どもは、言葉に対して非常に注意、あるいはこのことの関心を高めるということを教育全体で取り組んでございます。そういったことから、BOPとか片仮名の事業名は確かにまだ教育委員会の事業の中にもございます。一つ一つの事業につきましては、担当も含めていろんな角度から検討した上でのことでございますが、確かにいま一度私どもも、こういった美しい日本語ということを考える立場からやはり見直していかなきゃいけないという貴重なご意見だというふうに受けとめさせていただきました。  今の例えば名称につきましても、今後、じっくりまた教育委員会の中で検討させていただきまして、事業をスタートさせる段階におきまして、そういった名称につきましてもいま一度こういった原点に立ち返って考えていかなければならない、こういうふうに考えてございますので、またよろしくお願いをいたします。  以上でございます。 ◆三十三番(平山八郎 議員) それぞれ大変厚みのあるお答えをいただいてうれしく存じますが、ぜひそうしてください。  それから、この四月から総合計画を立ててということですが、幼児教育の展開の例の二つに、保護者の就労形態等にかかわらず、希望するすべての幼児に教育の機会を提供していく。保育園と幼稚園の機能を一体化した新しい形の総合施設をつくると、こう言明されていますよね。お話ができるなら、いつごろ、場所はどこにそうした総合施設を希望しているのか。全く考えがないまま言葉であらわしているのか。その辺でひとつお答えをいただければと思うんですが、これはそんな無稽の話じゃなくて、一応平成十六年度の事業概要の中でうたわれているわけですから、そうそう荒唐無稽な形の表現じゃないと思うんですよ。だから、言うように、いわゆる機能の一体化した総合施設を、どこに、いつごろ企画として考えておられるのか、ぜひひとつお答えいただきたいと思います。 ◎田中 子ども部長 今の件につきましては、私どもは区全体として、今おっしゃっていただいたように世田谷の子どもの現状を考えれば、できるだけ早くというふうに思っているわけでございます。しかし、資源、それから財源、それからいろいろな調整もいたしますと、一方で教育委員会の方は、今後の区立幼稚園の問題については、その機能転換を図っていくというようなご意思があるのは私どもも認識する中で、今後の幼児施設については、区立幼稚園の定員充足率の問題、それから今申し上げました一方での保育園の方の将来予測、それから地域特性、そのような形、それから地域配置がございます。どこにやるのが一番区民にとっていいか。そのようなことを想定いたしまして、それを最もいい形で打ち出していく。それについての考え方の一つのリミットをこの七月に打ち出せるものと、そういうふうに思ってございます。  そういうことからいたしますと、この七月に私どもが打ち出せるものについては、今議員がおっしゃられたようなことについてのかなりの部分が第一段階でこの七月に表明できるものと、このように思ってございます。  以上です。 ◆三十三番(平山八郎 議員) 七月に何とか第一声が出せるということで、大いに期待をいたしております。  場所その他はそのときにまた出るんでしょうが、射撃のビームライフルという、実弾を撃たないで、新しい電気で撃つ射撃があるんですよ。これは学校の空き教室などを利用させてもらえないかなといって、ライフル射撃協会の方でそんなことの申し出があるんですが、今言うようなこういう問題は、いわゆる区立保育園にしても、それから幼稚園にしても、あるいは学校の空き教室でも、利用すれば、総合施設として機能を持たせられる経費はそうそう要らないということになるんじゃないですかと思うので、これだけは助言しておきます。  終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で平山八郎議員の質問は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 次に、十二番山木きょう子議員。    〔十二番山木きょう子議員登壇〕(拍手) ◆十二番(山木きょう子 議員) 質問通告に従い、順次質問いたします。  五月二十七日に、配偶者からの暴力防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法が改正され、十二月から施行されることが決定いたしました。この法律は二〇〇一年四月に成立しましたが、不備も多く、被害者は保護されるだけで、ほとんどが女性ということからしても、生活の再建や自立を果たすことは難しい状況にありました。  もともとこの法律は、夫婦間のことと片づけられていた暴力を当事者が声を上げてできた当事者立法とも言われ、今回も改正に当たっては当事者や民間団体などから多くの提案が出されました。その結果、配偶者からの暴力の定義が、身体の暴力だけでなく、心身に影響を及ぼす言動の暴力まで拡大され、離婚した元配偶者に対しても、接近禁止命令及び退去命令を発することができるようになり、その期間も二週間から二カ月に拡大されました。また、被害者の子どもの三分の二は暴力を受けていて、不登校、ノイローゼになるなど、子どもへの接近禁止命令も新たに加わりました。
     特に注目すべき点は、自治体に求められる役割が広がったことです。都道府県では、自立支援の実施に向けて基本計画を策定することとなり、市区町村においては、今までは情報提供や保護だけでしたが、DV相談支援センターの業務を実施することができるようになりました。救済、自立、根絶に責任を持つことがこの法改正によって位置づけられ、地域がどうサポートするか、現場での展開が問われます。  世田谷でも、DVに関しての相談件数が、平成十四年度は二百十一件、十五年度は六百三十七件と三倍にふえています。被害者の自立支援を二十四時間生活の現場である地域にゆだねられたことの意義は大きいと考えます。先ごろ示された男女が共に生きるせたがやプラン調整計画の中でも、重点施策の一番目に人権尊重の推進としてドメスチックバイオレンス防止のための施策の展開が挙げられています。  区としては、この法改正に伴ってDV相談支援センター業務をどのように展開していくのか。被害者は話を聞くだけで終わってしまう相談ではなく、法的・心理的・福祉的サポートを求めています。常勤職員や専任相談員の配置も必要になってくると考えますが、見解を伺います。  また、支援センターの役割として、住宅の確保についての支援が挙げられています。自立に向けては最も重要な部分です。住まいは経済的に支援が必要で、一貫した十分な財政支援がなければ、被害女性はいつまでたっても自立へは踏み出せません。区としても、資金の貸し付け、公営住宅の活用、優先枠など、住宅確保についての支援を進めるべきと考えますが、伺います。  今回の法改正において制度が変わったことや、また、二次被害防止のためにも、DVに対しての正しい知識を身につける必要があります。まず、職員の共通理解、啓発は重要です。ダメージを受けた被害者が相談を求めに来たとき、適切な援助が得られない、言葉によって再度傷つくといった二次被害がふえています。  昨年、石川県で開催された全国シェルターシンポジウムでも、二次被害について栃木女性センターが実施した調査によると、DVへの理解不足について、行政関係では役所の職員が最も多いという結果でした。被害者を救済するためには、福祉領域はもとより、戸籍係、学校関係、住宅関連など対応には多くの所管がかかわることから、自治体の職員全員で研修トレーニングを行うことが重要です。区はどのように進めていかれるのか、伺います。  被害者の自立支援に向けては、民間団体との連携強化がより一層必要です。DV相談支援センターも、その業務を行うに当たって民間団体との連携に努めるべきと規定されています。五月二十日に開催されたすくすくiネット会議でも、DVをテーマとして民間シェルターの現状を伺いました。自立に向けては、とりわけ民間団体が行政に先んじて行ってきた部分です。法の中でも、民間団体への助成は特別地方交付税を用いて推進することとしています。財政難に悩む民間団体への助成や自立支援に向けた協働事業を行うなど、より一層連携を強化すべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、在宅介護支援センターについて伺います。  世田谷では、現在、二十九の在宅介護支援センター、いわゆる在介センターを配置しています。一カ所が基幹型で二十八カ所が地域型です。地域型はすべてが居宅介護支援事業所も併設し、兼務で二人の職員配置を基準にしています。実際には一人から三・五人の範囲で配置され、介護支援専門員の資格を持っている職員が多く、介護保険業務との兼務のため在介センターの機能が果たしにくい状況にあります。  二〇一五年の超高齢社会に向けて、地域での中核として在介センターが担う役割はますます大きくなってきています。これからは介護保険施行後の状況も踏まえ、新しいあり方を確立しなければいけない段階に来ています。  この四月に在宅介護支援センター協議会から出されたこれからの在宅介護支援センターのあり方に関する報告書において、早急に取り組むべき課題として実態把握、総合相談支援、介護予防マネジメントが指摘されています。  支援が必要な高齢者を積極的に発見し、適切なサービスに結びつけるため、細かな実態把握が必要です。地域の掘り起こしや閉じこもりなど、民生委員、ボランティアの住民活動との連携が不可欠です。また、介護保険の対応だけでなく、支援、ふれあいサービスなど、高齢者の意向に応じ、介護予防の視点からサービスの提供が求められます。そのためには、在宅介護支援センターが地域に幅広いネットワークを構築していかなければなりません。区の考えを伺います。  痴呆性高齢者の増加、ひとり暮らしのみ世帯の急増、虐待問題など、高齢者を取り囲む課題への新たな対応が求められ、相談も多様化してきていることから、ある程度の経験と専門的な能力を持った職員が必要です。現場の質を高めるため、現在五つの保健福祉センターでは、地域ケア会議やケアマネジャー連絡会を開催し、職員の研修指導を実施しています。開催内容、回数もそれぞれ違いますが、行政職員が一緒に入って実施することは大切です。  中でも世田谷の保健福祉センターでは、事前にアンケートをとり、興味の多かったテーマを設定して、事例検討も行いながら、区の職員が入ったグループワークをしています。毎回七十名くらいの出席があるそうです。こうした例を全体化するなど工夫をして職員の質の向上に努めるべきと考えますが、見解を伺います。  また、介護予防マネジメントの取り組みを強化していくことは重要です。都内の要介護者は十五年度末には三十一万九千三百五人、全体の過半数が要支援または要介護度一、二です。東京都は、軽度の要介護者を効果的な介護予防で介護が要らない状況になるよう、千代田区などをモデル地区として検証に乗り出しました。介護予防は、高齢者の状態の変化に的確に対応したプログラムを継続的に提供できる体制とすることが大切です。現在実施されている介護予防プログラムは集団が中心ですが、今後は個別のプログラムを作成した上でのトレーニングが必要と考えますが、伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。(拍手) ◎青木 生活文化部長 DV防止法改正に伴って三点ご質問をいただきました。  初めに、法律改正に伴い、区の役割が変わる、あるいは住居の確保など具体的な取り組みという点についてご答弁を申し上げます。  配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律が改正されまして、ことしの十二月施行になります。改めて区が配偶者暴力相談支援センター機能を果たすようになります。現在、DV被害者の相談や緊急一時保護を保健福祉センターが行っておりますけれども、改めまして配偶者暴力相談支援センター機能をどう充実させていくか、庁内で検討を急ぎたいと思います。  また、被害者自立支援の一つでございます住居の確保は大変重要な課題で、緊急一時保護施設からステップハウス、居住場所の確保など、支援の段階に応じて適切な支援が必要と考えますので、関係所管と協議をしながら、民間の団体との連携も含め、検討してまいりたいと思います。  次に、職員研修の重要性と現在の進捗状況についてご答弁を申し上げます。  配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、今後DV防止法と言わせていただきますが、DV被害者の二次被害が生じている現状を踏まえまして、私どもも職員研修の重要性は大変強く認識しておりますし、また、議員のご指摘のとおりだと思います。そこで、今月から関係所管職員で構成します検討会を発足させまして、職員向けのDV被害者対応マニュアルの作成作業に入るところでございます。  また、配偶者からのDV防止法の改正内容やDV被害者の立場の理解、窓口での適切な対応などを目的とした職員研修の企画も現在進めております。今後も、DV被害者支援に向けまして職員研修等を充実させ、職員の意識啓発を図ってまいります。  次に、民間団体との連携強化についてご答弁を申し上げます。  配偶者暴力相談支援センター機能の役割を十分果たしていくためには、行政だけではなく、民間支援団体との連携が必要不可欠でございます。区では、DVの電話相談を初め、DVに関する区民向けセミナーや職員研修などの事業をNPO団体等に委託し、被害者の自立支援を図ってきております。また、ことしの五月、区内民間シェルターを運営いたします支援団体等、区の関係所管で構成いたしますDV被害者支援団体連絡会を発足させ、情報・意見交換等を通じて連携強化に向け努めているところでございます。  今後は、民間支援団体の助成につきまして関係所管と十分検討をいたし、団体の支援のあり方等を考えてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◎秋山 在宅サービス部長 在宅介護支援センターのあり方について三点ご質問をいただきました。  一点目、幅広いネットワークづくりについてでございます。  ひとり暮らしや高齢者のみ世帯で暮らしに不安を持っている世帯、介護保険サービスの利用や消費生活の上で保護が必要な方、介護を必要とする状態ではないが、生活面での問題を抱えている方など、地域には社会的な支援を必要とするさまざまな高齢者がいらっしゃいます。地域でだれが何のサービスを必要としているかを把握し、適切なサービスに結びつけることが在宅介護支援センターの重要な役割と認識をしており、昨年度は相談やニーズ把握を行う実態把握調査を約二万二千件実施いたしました。  今後、在宅介護支援センターが地区の拠点として早期に高齢者のニーズを発見し、有効な支援や見守りを行っていくため、ボランティアや民生委員など現在あるさまざまな社会資源のみではなく、区民の自主的な活動などの掘り起こしも含めまして地域でのネットワークをさらに強化し、コーディネート機能の充実に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  二点目、職員の質の向上についてでございます。  高齢者の生活をトータルに把握し、生活支援の相談などをさらに充実していくためには、職員の質の向上が必須であると認識をしております。支援センターの新任職員に対しましては、区職員向けの研修への参加や保健福祉センターの総合相談窓口での実習など育成に力を注いでおり、また、職員も育ってきていると思っております。また、中堅やベテラン職員を含めて痴呆などの専門職研修や地域ケア会議での事例検討会、困難ケースへの区職員との共同対応など、事例を通して総合的な対応力を身につけられるよう引き続き努めてまいります。  一方、国レベルでは、支援センターの活動状況の評価について議論がされており、評価方法や評価基準を策定していくとの話がございます。区も昨年度より業務確認指導に着手したところでございます。  今後も、時代の変化に対応でき、また、区民に信頼される身近な支援センターとなるよう、それぞれの保健福祉センターが行っている事例検討会など、お話にありましたようなよい取り組みは情報交換するなどして職員全体のレベルアップを図ってまいりたいと思っております。  三点目、介護予防の個別プログラムの作成についてでございます。  在宅介護支援センターでは、実態把握に基づき、高齢者と話し合いながら、必要な方に介護予防プランを作成するなど地区の介護予防推進の役目を担っております。介護予防プランのメニューとしては、身近な地区で実施されているふれあい・いきいきサロンやミニデイ、介護予防教室あるいは痴呆予防活動やパワーリハビリテーションなどへの誘導のほか、自宅でもできる食生活の工夫や口腔ケア、また、運動を取り入れた日常生活への助言などを行っております。  今後は、集団での介護予防に加え、個々の利用者の状況に応じたきめ細かい個別プログラムに取り組み、介護予防の実践と評価を行っていく必要があると認識をしております。  区としては、各在宅介護支援センターが地区のネットワークを有効に生かしながら利用者一人一人に応じた介護予防プランを作成できるよう、マネジメント機能を強力に発揮できるよう支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆十二番(山木きょう子 議員) 在介センターについては、出張所の福祉相談ということも今検討されているという先ほどからお話だったんですけれども、国や都があり方ということを今出していますけれども、区はどういった方向で考えているのか、一点伺いたいと思います。  それからもう一点、DV被害者として住宅のこと、これは自立するときに非常に重要なところなので、ぜひもう一歩進んだ対応、対策ということをお願いしたいんですが、この点に関してお考えをもう一度伺います。 ◎秋山 在宅サービス部長 在宅介護支援センターの今後のあり方ということなんですが、何よりもまずは在宅介護支援センターそのものを区民の方に周知していきたい。まだまだ知らない方がいらっしゃるというふうに思っていますので、まずは周知を図りたいと思っています。そのためには「区のおしらせ」なども有効なPR手段だと考えておりますので、そんなようなことも使いながら区民に浸透させていきたいということが一点目です。  それから、福祉相談のことがございましたが、今、区では新たな出張所のあり方が議論をされておりますので、これらの動きも踏まえながら、出前の福祉相談も含め、高齢者の暮らしと介護を支援する在宅介護支援センターのあり方を検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◎青木 生活文化部長 改正DV防止法の施行に向けまして、被害者支援の充実につきましては庁内で検討を急ぎたいと思っておりますが、特に住宅支援につきましては、この三月に国土交通省住宅局長から各都道府県知事あてに通知文が出ております。その通知文は、配偶者からの暴力被害者の公営住宅の入居についてという通知文でございまして、その趣旨は、優先的取り扱いあるいは一時的な目的外使用を認めるという内容でございます。こういった趣旨に対応できますよう、私どもとしても関係所管と調整を図ってまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆十二番(山木きょう子 議員) ぜひ前向きに取り組んでいっていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。 ○宍戸教男 議長 以上で山木きょう子議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問は終了いたします。     ──────────────────── ○宍戸教男 議長 以上をもちまして本日の日程は終了いたしました。  なお、明十一日は午前十時から本会議を開催いたしますので、ご参集願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時八分散会...